オットーという男 | これ観た

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基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『オットーという男』(2022/日本公開2023)

英題は『A Man Called Otto』

原作はフレドリック・バックマンの著書。

 

監督 マーク・フォスター

脚本 デヴィッド・マギー

 

半年前に最愛の妻ソーニャ(レイチェル・ケラー)を癌で亡くしたオットー・アンダーソン(トム・ハンクス/トルーマン・ハンクス)は実直、生真面目、ルールを何より重要視する堅物。そのせいで近所からは敬遠される存在。この度、職場を定年退職することになり、いまだソーニャの死から立ち直れないオットーはこれを機に自ら命を絶つことを考えている。そんな時、向かいの家に陽気な若い4人家族がメキシコから引っ越して来る。妊娠中の妻のマリソル(マリアナ・トレビーニョ)は聡明でおせっかいなほど情に溢れ、夫のトミー(マヌエル・ガルシア=ルルフォ)は少しマヌケだけどとても人がいい。2人の娘アビー(アレッサンドラ・ペリッツ)ルナ(クリスティナ・モントーヤ)も愛嬌があり、すぐにオットーになついた。マリソルはオットーに何かと声をかけ、ご近所付き合いを積極的に始める。おかげで手を変え品を変え試みる自殺がうまくいかない。しかもある事が原因で長い間疎遠になっていた近所のルーベン(ピーター・ローソン・ジョーンズ)アニータ(ジャニタ・ジェニングス)夫婦とも交流が復活、愛想のいいジミー(キャメロン・ブリットン)、ソーニャの教え子トランスジェンダーのマルコム(マック・ベイダ)、自殺するつもりが人助けとなって知り合ったSNSジャーナリストシャリ・ケンジー(ケリー・ラモア・ウィルソン)、オットーになつく野良猫、彼らと日常を共にしていくうちに、ずっと悩まされていたソーニャとの辛い悲しい事故も克服でき、生きることに前向きになっていく…。

 

タイトル通り、晩年に焦点をあてたオットーの人生を描いた作品。

 

オットーは肥大型心筋症で、それに対するマリソルの「ハートが大きい」と解釈しての笑いはなるほどと思った。オットーは決して悪い人ではないし、曲がったことは嫌うが、納得がいけば他人を受け入れる度量は大きい。それをマリソルは感じていたし、途中からオットーの計画も見透かしていた。言葉はつたないが、学があるマリソルという設定がきっちり効いている。

トム・ハンクスはこういった役がよく合う。気むずかしかったり頭が弱かったり、狡さがない人間。トム・ハンクスらしい作品だったし、予定調和は想像出来ても、細かい事情やアイテムの役割は見応えあるし、面白かった。

 

オットーの青年期を演じたトルーマン・ハンクスはトム・ハンクスの実子か…。知らなかったし気づかなかった。

 

★★★★★