汚れなき子 | これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『汚れなき子』(2023)

Netflix 全6話 制作国ドイツ

原題は『Liebes Kind』、英題は『dear child』。

原作はロミー・ハウスマンの小説。

 

監督・脚本 イザベル・クレーフェルト、ユリアン・ベルクセン

 

12歳のハンナ(ナイラ・シューバース)とその弟ヨナタン(サミー・シュレイン)と共に監視カメラのある空間で規則に従い男パパに監禁されているママレナ(キム・リードル)。ある日、耐えられなくなったレナは男の不意を突き後頭部を殴り脱出を図る。しかし道へ出たところで車に轢かれてしまう。轢き逃げした男は姿を消した。救急車、警察が駆けつけ、後をついてきていたハンナと共に病院に搬送される。レナは瀕死だったが一命をとりとめる。

事故のことがネットに上がったのを見た州警察のゲルト・ビューリング(ハンス・レーヴ)は13年前行方不明になりずっと探していた友人夫婦の娘レナではないかと、レナの父マティアス・ベック(ユストゥス・フォン・ドナーニー)、母カリン(ジュリカ・ジェンキンス)に連絡を入れる。しかし顔を確認すると、別人だった。でもハンナがレナの子供の頃にそっくりだった。マティアスはハンナは孫だと言い張る。遺伝子検査をしてそれが証明された。でもレナと名乗る女の子供ではない。では、目の前の女はいったい誰なのか、ゲルトはもちろん、担当刑事のアイダ・クルト(ヘイリー・ルイーズ・ジョーンズ)らの捜査が始まる。

まずは残された弟ヨナタンを救うべく、監禁場所が判明したNATOの軍事施設へ向かう。そこは地雷が埋め込まれており、苦戦を強いられる。どうにかヨナタンの無事を確保したが、パパとされる男は顔をメタメタに切り裂かれていた。しかも軍も把握していない。ただ、警備会社「ログナー&サン」が管理をしていたことがわかる。警備会社の警備員の写真を子供らに見せてみると、全部パパだと言う。そして施設の周りの森などから女性の遺体が発見され始めるが、そのどれもがレナではなかった。

やがてレナと名乗る女の本名がヤスミン・グラスと判明したり、そのヤスミンの拉致される前後、13年前レナの身に起こった事やマティアス、カレン、ゲルトの関係も明らかになり、事件の真相、真実に近づいていく…。そして犯人も…。

 

サスペンススリラー。

 

犯人はこういった犯罪に走るべくして走った家庭の事情があり、その上でのサイコパスだった。

ハンナはナチュラルにマインドコントロールされており、たぶんハンナの縛りを解くのが一番大変なんじゃないかな。ヨナタンはまだ幼さもあって自我と規則のはざまに置かれているから成長と共に変化していけると思う。レナことヤスミンは恐怖心を植え付けられており、コントロール下に置かれていてそこからの脱却が丁寧に描かれている。とても強い女性。

犯人が誰であるか、見てるこちら側の邪さが出てしまう作り(笑)。誰もがまぁ怪しい。警備員もだが、ゲルトや精神科医ハムシュテッドも疑ったし、母親のカレンと比較してマティアスの子煩悩さは異常にも見え、最初はこの父子関係に何かあるのかとも疑った。これは単に男親、女親の違いだった。それはそれで納得のいくものだった。

 

脇役もとても良くて、特にハンナを担当した看護師の子供に接する姿は理想的だった。

子役も素晴らしかった。

 

面白かった。

 

★★★★(★)

 

 

(これは英語字幕版・日本語字幕もあります)