『サイドウェイズ』(2009)
原作はレックス・ピケットの著書。
2004年のアメリカ映画『サイドウェイ』(原題『Sideways』監督アレクサンダー・ペイン)のリメイク版。
監督 チェリン・グラック
脚本 アレクサンダー・ペイン&ジム・テイラー
日本版脚本 上杉隆之
ロサンゼルスのレストランで雇われ店長をしている上原大介(生瀬勝彦)が、そのレストランのオーナーの娘ローラと結婚が決まり、式に出席するために売れない脚本家の斉藤道雄(小日向文世)が渡米してくる。留学時代からだから二人は20年来の友人だ。
式までの1週間をドライブ旅行と洒落込むが、身を固めることになる大介はラスベガスで遊び倒したくてたまらない。一方道雄はワインの産地ナパ・バレーを希望する。
とりあえず留学時代ホームステイした家族に会いに行くと、ご主人は他界しており、始末に困っていた赤のムスタングを使ってくれと奥さんから譲り受ける。そのムスタングには恋のほろ苦い思い出がある道雄…。結局ナパにその留学時代の片思いの相手田中麻有子(鈴木京香)がいるとわかり、行き先はナパになる。
麻有子はバツイチとなっていてワイン販売の会社で働いており、友人であるカフェ店員のミナ・バーガー(菊地凛子)とレストランにいるところで再会を果たす。
独身最後を満喫したい大介はすぐにミナにロックオン。いい感じになるものの、結婚を控えていることがバレて大変なことになる。おまけに性懲りもなくナンパで痛い目にもあう。道雄は麻有子のトラブルを救ったり、逆に道雄が良かれと思って麻有子に助言したことが逆手に取られ険悪になったり、日本から脚本のドラマ化の連絡がきたかと思ったら、後輩に取られてしまったりと、一喜一憂。実は今回書いた脚本は留学時代のことを書いた思い入れの深いものだった。道雄は麻有子への想いを断ち切れてなかったし、再燃もしていた。そうこうしながらも式の日がやってくる…。
20年もののビンテージストーリーという台詞があり、ワインにかけてる。大事な感情を表現するうえで比喩にワインが使われているので、ワインの銘柄種類がわからないと、実際飲んで味を知ってないと面白さが半減する。
小日向文世に生瀬勝彦なのでコメディ要素は約束されてる感じ。でもだるかった。原作映画は観てないのだけど、そっちの方が面白そう。邦画には不向きな設定な気がする。
ラストのすれ違いはムスタングの思い出とかぶって良かったし、ようやくの恋の成就となり得る未来が見えて良かったけど。
それにしてもその時代のカラーというのがあるのだなぁと、少し昔の作品を見ると思う。キャストはもちろん、構成がその時流行ったもののように思う。だから画面からは少し古臭い印象を受ける。これは見る側の年代によるのだろう。その時代を知らない作品であれば逆に新鮮に見えると思う。
ロードムービー。
★★
制作 シネバザール、プロテイン・イメージ・グループ
配給 20世紀フォックス映画
プロデューサー 宮沢徹、和田倉和利