『ヒノマルソウル 〜舞台裏の英雄たち〜』(2021)
元スキージャンプ選手西方仁也を主人公に、事実にもとづいたテストジャンパーの物語。
監督 飯塚健(『ステップ』『虹色デイズ』『FUNNY BUNNY』他)
脚本 杉原憲明、鈴木謙一(『アイネクライネナハトムジーク』『残穢』他)
田中圭、土屋太鳳、山田裕貴、眞栄田郷敦、濱津隆之、古田新太、落合モトキ、小坂菜緒、大友律、狩野健斗、大河内浩、唐木ちえみ、八十田勇一、菅原大吉、他。
リレハンメルオリンピックで日本は原田雅彦(濱津隆之)の失敗により金メダルを逃し、銀メダルとなった男子スキージャンプ団体戦。悔しくてたまらない西方仁也(田中圭)だったが、気持ちを切り替えて次の長野オリンピック代表選考を目指す。
しかし腰の故障が原因で怪我をしてしまう。それでもギリギリまで代表選出に期待をかけるが、漏れてしまう。リレハンメルでの雪辱は原田のせいだと西片はずっと原田が許せなかった。原田は代表入りしたのに…、今度こそ金メダルを自分が…、と思って練習してきたのに、選ばれたのは自分ではなく原田…。しかも、オリンピック本番、選手たちが飛ぶために滑走路を作り整えるテストジャンパー25人の中に入ることになる。何のためにジャンプするのかわからなくなった上に、屈辱でしかなかったが、それぞれ悩みを持つ他のテストジャンパーと交流するうち、少しづつ気持ちに変化が起こる。
そしてオリンピック当日、日本はまたしても原田の失点で4位となってる中、吹雪に見舞われ、二度目のジャンプ中止かの瀬戸際となる。協議の結果、テストジャンパー25人のジャンプが成功したら再開することとなり、テストジャンパーたちはそれぞれの思いを込めて、西片は原田に金をかけて、誇りを持ってテストジャンパーをやり遂げる…。
オリンピックそのものに興味がなく、長野オリンピック(1998年)も見ていない。なので、金メダルを取ったことも知らなかった。ただ、原田雅彦は取り沙汰されてたのか、うっすら記憶にある。そんな状態なので、面白く観れた。
脚光を浴びることのない裏方の仕事であるテストジャンパーだが、みんなジャンプが好きなこと、将来オリンピック選手を目指している者もいるなど、それぞれ目的と目標に真剣に取り組んでる。
困難に立ち向かい努力を重ね一生懸命、夢を追う姿を描いた作品はやっぱりいい。感動が約束されてるし。みんなで頑張った高揚感が伝わってくる良い演出だった。
それにしても、夢を追う男と結婚すると嫁は大変だなぁと思った。そんなの承知の上だから実際大変なことなんてなく、幸せなんだろうけど。
そうそう、神崎コーチ(古田新太)が酒のつもりで飲んだものがウーロン茶だった時のリアクションは笑った。間合いといい絵面といい、今作イチ。
とまぁ、意外と良くて心が泣いた。
★★★(★)
山田裕貴の聴覚障害者高橋竜二役、良かった。実際どうなのか知らないけど。
土屋太鳳のアスリートの妻っぽさも良かった。
眞栄田郷敦のプライドが高いけど小心者な南川役も良かった。
濱津隆之もこの役は良かった。
あと、葛西紀明役落合モトキ、安定して良かった。
制作 ダブ
配給 東宝
関係ないけど、『虹色デイズ』観たのにまるで覚えてないことに気づく…。今でこそ主役張る若手俳優陣ばかりなのでもう一度観てみようかな…^^;