サイレント・トーキョー | これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『サイレント・トーキョー』(2020)

原作は秦建日子(はたたけひこ)の小説。

 

監督 波多野貴文(『ブラッディ・マンデイ』『わたしに運命の恋なんてありえないって思ってた』他)

脚本 山浦雅大(『亜人』、『TWO WEEKS』他)

 

佐藤浩市、西島秀俊、石田ゆり子、中村倫也、広瀬アリス、井之脇海、勝地涼、財前直見、鶴見辰吾、毎熊克哉、白石聖、加弥乃、金井勇太、野間口徹、大場泰正、他。

 

クリスマスイブ、恵比寿アークプレイスに爆破予告が入る。犯人の要求は磯山総理(鶴見辰吾)との対話。時間までにセッティングできなければ爆破するとのことだった。これは戦争だ、と。

テレビ局で働く来栖公太(井之脇海)が先輩の高沢(金井勇太)と現場にかけつけると、買い物に来た山口アイコ(石田ひかり)が爆発物が付いたベンチに動けずにいた。ゆっくりとアイコと高沢が入れ変わり、来栖とアイコは客を非難させるべく警備員に館内放送をを促すがなかなか承知を得られない。その間に警察の爆発物処理班によって液体窒素がかけられるが、制限時間がきて爆破となる。しかし、それは音と光だけの脅しだった。アイコは犯人からの指示を受けていると言い、来栖と移動をし、次の計画渋谷ハチ公前に爆発物を仕掛けたという情報を流す。要求は同じく磯山総理との対話の全国放送だ。でも、テロには決して屈しない、武力が抑止力になるのなら、戦争の出来る国を目指すのもやぶさかではないという発言を繰り返している総理には受け入れられない要求だ。

イブで街は沸き立つ時間、今度こそ大惨事になる。そんな中、冷静沈着で何事にもたんたんと対峙する須永基樹(中村倫也)の動きに怪しさを感じ、刑事である世田(西島秀俊)とその部下泉(勝地涼)が動き、やがて元自衛官朝日奈(佐藤浩市)の存在も浮かび上がる。また、合コンで須永と知り合った真奈美(広瀬アリス)綾乃(加弥乃)も巻き込まれていく。

 

戦争の実態を目の当たりにし、その傷の大きさから犯行に及んだというクライムサスペンスで、つまりは復讐ものなんだけど、犯人は誰なのか、理由は何なのか、なかなか推理するのが面白かった。

ただ、最後の「爆弾はまだあります。あなたのすぐそばに」は余計かな。多様にとらえられるけど、話自体に多様性はないのでトリッキーな意味にもならない。見てるこちらが気を利かせて補完しようとすると作品自体がちゃちくなる。

 

★★★★

 

 

渋谷のスクランブル交差点では危機感がなく能天気、平和ボケの国民性を描いていて、真奈美がこんな時だからこそ有名リストランテの予約が取れたんだと、爆破騒ぎで気乗りしない綾乃を無理に渋谷に連れ出すわけだが、案の定爆破に巻き込まれ、綾乃が大怪我をしてしまう。真奈美はかすり傷程度ですんだ。自分が無理に誘ったからだと反省するが、犯人を須永と読むと責任転嫁を働く。この、おおもとの責任(原因)は犯人にあるにしても、自分の行動の言い訳、正当性にすり替える脳、自分勝手な女の憎らしさ、演らせたら天下一品だな広瀬アリスと感心した(褒めてます)。予告ある中での行動の責任は、自分にある。病床で、謝る真奈美に、「生きてるし」と逆になぐさめる綾乃、できた人間だ…。

 

 

 

制作 ROBOT

配給 東映