佐々木、イン、マイマイン | これ観た

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基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『佐々木、イン、マイマイン』(2020)

監督 内山拓也

脚本 細川岳、内山拓也

 

27歳。俳優を目指して上京してきた石川悠二(藤原季節)後輩(村上虹郎)に先を越され、バイトで食いつなぐ毎日でうまくいってない。そのうえ関係は終わっているけど互いに見切りをつけられない彼女ユキ(萩原みのり)との同棲も解消できずにいた。そんな中、後輩の誘いで芝居を一緒にやることになり、ふと高校時代よくつるんでいた佐々木(細川岳)のことを思い出す。悠二、多田(遊屋慎太郎)木村(森優作)、佐々木はいつも一緒にいた。俳優を目指すことになったのも佐々木の勧めだった…。

佐々木は変わっていて、佐々木コールをすると、どこでも全裸になる。正義感が強く、友達思いでもあるし、父子家庭なのだが家に帰ってこない父親を愛していた。寂しさ、悲しみは友達にも見せない、常に能天気な佐々木であり続け、変なカリスマ性があった。

佐々木との思い出を現在とシンクロさせながら、悠二が前へ進む姿を描く。

 

佐々木に、友達だと言うけど彼女的な存在猫村(河合優実)がいて良かったと思えるくらい佐々木のキャラクターが良かった。たぶん、学年に一人はいたであろうタイプの人間で、特別変ではないけど、その他大勢には入らない特殊性があって、近づきたくないけど存在にほんのり羨望は抱くような。ラストの佐々木コールはジーンとした。知らない人だけど知ってる人のような気がした。人物像を描くのが、言葉を使わず情景描写だったから、人間の命の儚さも実感できた。

 

★★★★(★)

 

 

ただ、癌という設定はいらなかった。

 

藤原季節、ほんといい。しっかり認識したのは『his』だったかと思う。この作品でもいちいちがいい。どういいかって、気持ちがちゃんと伝わってくる。憑依型ではないと思うので、センスがいいんだろう。

脚本家でもないのに、当て書きしたいくらいに何かを持ってる気のする役者さん。


そして内山拓也監督作品は初めてだけど、もしかしたら好みかもしれない。松居大悟に湿度を加えて重さを出した感じの作風。