ドライブイン蒲生 | これ観た

これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『ドライブイン蒲生』(2014)

原作は伊藤たかみの小説

 

監督 たむらまさき(撮影監督。75歳にして初の監督作品)

脚本 大石三知子(『潜伏』他)

 

配給 コピアポア・フィルム

 

細々とドライブインを営む蒲生家。客なんてほぼ来ない。父(永瀬正敏)はテキトーで嘘つきで酒飲みで左手にスペードの刺青があり(本人はクロモモと呼んでいる)、ヤクザばりの態度の荒さを持つが、決して右手で子供を叩かない。周りからは「蒲生はバカの家」と言われている。そんな環境で姉のサキ(黒川芽以)、弟のトシ(染谷将太)は育ち、高校生で未成年喫煙飲酒は当然、約束されたかのようにヤンキーとなる。サキは父を嫌っていて、本当の父親は別にいるとトシに言っていたが、父が病死した時、実は父を慕っていたことに気づく。

そして数年後の今、サキは娘を連れ、右手で叩くDV夫(吉岡睦雄)と別れるために話をつけに行く。

 

子供の父親への愛がそこかしこに見られる。刺青だったりアイスピックだったり、くらわんか船の末裔と信じているところとか、ドライブインの教えとか、傷の治し方とか。なんでもない日常や時の流れから、感覚で受け取る姉弟愛、親子愛を描いた作品。

 

わずかな会話、行動や表情で気持ちを汲み取る映像作品ならではの作風なので、私は好み。表面的にはたんたんと日常の一コマをつないでるだけなので、退屈と思う人もいるかもしれない。でも、そうしたからこそ描けた世界だと思う。演出はもちろんだが、役者の演技力にかかってる。

 

キャスト全員素晴らしい演技で、本当にサキやトシがどこぞで生きているようだった。

 

その他のキャスト:小林ユウキチ、猫田直、黒田大輔、平澤宏々路(こころ)、鈴木晋介、足立智充、田村愛、…。

 

★★★★