『新しい靴を買わなくちゃ』(2012)
監督脚本原作 北川悦吏子
プロデュースが岩井俊二で総合監督も。音楽が坂本龍一。(とくると、色が見えるよね)
制作 ロックウェルアイズ
配給 東映
中山美穂、向井理、綾野剛、桐谷美玲、アマンダ・プラマー、他。
恋愛ドラマのミューズ北川悦吏子健在。という感じだった。2012年ならまだまだいけてたか…。
『ハルフウェイ』同様アドリブのような台詞の会話劇で、男女の恋愛、胸キュンシーンをふんだんに盛り込んだ作品だった。カメラに向かって演技してる感じがしないし、カメラワーク自体素人の記録みたいで、やはり『ハルフウェイ』と同じで独特。
すずめって名前、「半分、青い。」にも使ったやつだ。お気に入りなのかな。あの朝ドラはひどかった。長編向きではない作家だと思う。
八神千は妹のすずめのげんかつぎでパリへ付き合わされやってきた。すずめは半年前に渡仏したアーティストの卵で恋人のカンゴに会う目的があった。すずめはここ一番という時、兄の千を頼るのだ。それは生まれた時から。そんなわけで、千はパリに到着してセーヌ川観光してる最中にすずめに置き逃げされる。あとは別行動というわけだ。
千はホテルもすずめ任せだったのでどこだかわからない。そんな中、現地でフリーペーパーを作ってる勅使河原アオイと知り合う。千の落としたパスポートに滑りアオイのヒールがもげてしまった、そんな出会い。
土地をよく知るアオイによって無事ホテルにチェックインするが、夕食を共にすることになり、酔っ払ったアオイを家に送ったはいいがホテルの名前が思い出せずそのまま泊まってしまう。
翌日、オフのアオイと行動を共にする。アオイの友達のジョアンヌによって過去も知る。なんとなく2人は距離を縮め、その日も一緒に過ごすが、次の日は帰国する日…。一方、すずめもこの旅の大きな決断に挑む…。
3日間のほのかな恋を北川悦吏子節で描いたラブストーリー。
なんだろうなぁ、何か魅力があるのだけど、わからない。日常性かなぁ。ナチュラルであり、あるあるであり、そんな感じだよね、始まりも別れも恋人同士の会話も、と思える。男女間の普遍性かなぁ。そして台詞選びがやはり上手い。
向井理はかっこいいんだなぁと初めて思った。綾野剛も良かった。北川悦吏子が書くものって少女漫画だ。
★★★★
ネタバレになるけど、すずめの場合もアオイの場合も共依存になりそうなので、正解な結末。特に千の気持ちは旅による一過性のものである気がするので、深い付き合いになってもうまくいかないだろうな。ほんと、通り過ぎる恋愛を描くのうまい。