『福岡恋愛白書13ー君の世界の向こう側ー』(2018)
九州朝日放送(KBC)が2006年より年一回制作放送しているローカルドラマ。
杉野遥亮を見たくて選んだ13回目にあたる今作は、ろうあ者との恋愛物語で、実話をもとにしたフィクションとのこと。
演出・編集 二宮崇
脚本 川崎いづみ
杉野遥亮、奈緒、淵上泰史、他。
北九州市小倉。素直で正直、どこか子供っぽく明るい性格の大学生の村上蒼太はある日、図書館で生まれつき耳の聞こえない大学生の佐々木律に一目惚れをする。まずはお友達からと、手話を覚え果敢にアタックし、ようやく誠意が伝わり交際が始まる。
幸せな年月が過ぎるが、律は健常者と障害を持つ自分との世界の隔たりを感じて生きてきた。お互い大学も卒業し、就職して交際5年目で、いよいよ蒼太は律にプロポーズするが、そんなわけで断られる。
律の兄や蒼太の大学時代からの親友の助けもあり、結局は2人は結婚を決める。その過程を優しく丁寧にあたたかく描いたドラマになっている。
涙腺やられるくらい良かった。とにかくかわいらしい。
★★★★(★)
奈緒はうまいけど、杉野遥亮、こういう天真爛漫とか天然系とかいいな。意外とできる子だったか!?(←失礼)
今期の連ドラ「ヤンキー君と薄情ガール」みたいでキャストもかぶってるね。「ヤンキー君〜」はつまらなかったけど。
ついでなので、視聴可能な同じシリーズのドラマも見てみることに。6回目〜12回目まで。予告映像はほぼDVD発売宣伝用のもの。
全て福岡の視聴者から寄せられた実話を元にしたフィクションの恋愛ドラマ。過去の物語になるので最後は家庭を持った形のハッピーエンドになる作り。各観光名所などがデートスポットとして使われている。
♯6 〜ふたつのLove Story〜(オムニバス)
吊り革の距離
高1の今野美咲(土屋巴瑞季:つちやはずき)は、通学電車で見かける3年生の田代先輩(橋口ユウキ)に恋をしている。でも告白できないまま先輩は卒業してしまい、電車で会うこともなくなる。ある日、美咲は寝坊してしまってひとつ遅い電車に乗ると、なんと先輩に会えた。この偶然の再会から、美咲は徐々に先輩との吊り革の距離を縮めていき、思い切って声をかけ話をするように。そしてデートまで持ち込み、先輩もまた美咲の存在が気になっていたことが判明。
美咲のドキドキ感がよく伝わってくる。
花火の架け橋
久美子(篠田麻里子)は物心つく頃、父親(小須田康人)と見た花火大会で、花火大会を一緒に見てくれる人が運命の人、と決める。
大人になって父が癌で余命2ヶ月とわかる。父親から花嫁姿を見たい旨言われ、親孝行らしいことも出来ずにきたからどうにかしたいと、久美子は合コンに出てみることに。そこで知り合った年下の津田(菊田大輔)となんとなく波長が合い交際が始まり、父にも会ってもらう。しかしそこで、交際したのは自分じゃなくて誰でもよかったのでは?と責められる…。
最後は津田は特別に許可をもらい病院の屋上で久美子の父に最後の思い出の花火を見せる。
♯7 〜ふたつのLove Story〜(オムニバス)
キミの笑顔にふれたくて
女子大に入った笑顔のかわいい由紀(石橋杏奈)は、合同サークルでかっこいい和也先輩(陳内将)と仲良くなるが、バイト先で偶然再会した中学時代の同級生高橋(白石隼也)の間でゆれる。結局和也を好きな気持ちが勝るが、和也のDVが原因で別れることに。そんな由紀を支えたのは高橋だった…。
初恋の詩
宮本香織(指原莉乃)の小学校時代からの初恋13年間(大学まで)を真っ直ぐに純粋にコミカルに描く。相手の堀内(尾関陸)も実は香織を好きだった!
指原まじ下手くそ。
♯8 メグとアイくん
彼女である紗枝(柏木由紀)の妊娠を告げられた秋吉樹(小澤亮太)は3年前まで付き合っていた忘れられない女性がいることを打ち明ける。
樹が初めて深く人を好きになった相手で、気後れするくらい美人の古賀恵(ICONIQ)だが、樹と馬が合い交際に発展。しかし幸せな時は長くは続かず、恵は癌に侵されていて亡くなってしまった…それも樹には何も教えずに。
妊娠するようなことしといて死んだ元カノが忘れられんてどゆことよ。
♯9 月と太陽を見上げて
彼氏(栗山航)にふられたばかりの麻衣(原幹恵)は、たまたま出くわした人助けで、階段から落ちてしまう。そこへ麻衣の勤める会社に出入りしてた自転車便の卓也(八神蓮)が通りかかり、助けられて2人の交流が始まる。事故の際の顔の傷が気になってしかたない麻衣を心配してくれる卓也。麻衣はやがてその傷が治ったら卓也とは会えなくなると思うようになり、治ったのにウソをついてしまう。ウソをつかれていたと知った卓也はショックを受ける。それを近くで見ていた同僚(小嶋陽菜)の助けで誤解が解かれる。
麻衣の顔の傷へのこだわりに違和感がぬぐえない。
♯10 十回目の鈴が鳴るとき
中1で転校してきた中村美憂(足立梨花)は同じ日に転校してきた今井結弦(渡部秀)に一目惚れ。お互いの気持ちが通じ交際が始まる。将来の夢を語りあって順調に見えたが、中3で結弦が突然進路を変えて以降バラバラになってしまう。
それから美憂の就活が難航する時期に偶然再会し、結弦が夢であったデザインの仕事に就いてることを知る。結弦には中学時代の同級生若菜(深川麻衣)の影がチラチラしていたため、美憂は自分も憧れのCA頑張ろうと思うだけにとどまる。
CA目指してたけどグランドスタッフになった2年後、空港でまた結弦と偶然会う。しかし若菜が一緒。その若菜によって、実は結弦は中3の時、父親の起業の失敗と病気で家は借金を抱えることになり受験校を変えなけらばならなかったことがわかる…。けれどお互いの気持ちは変わらぬままだった。
出会った時から事あるごとに鳴る結弦の西陣織の手作りキーホルダーの鈴がキーアイテムになっている。
足立梨花だけがいい。
♯11 キミと見る景色
今村明菜(川島海荷)と右田琢己(浅香航大)は高校からのつきあい。何事にも一直線かつ一点集中で熱をあげる明菜は、せっかく就いたバスガイドも琢己に沢山会いたくてすぐやめてしまった。一方、倉庫で働いてる琢己は疲労がたまり、明菜が重荷になってきて、別れることにした。
それから何事にも夢中になれずぼんやり過ごしていた明菜だが、同窓会で、琢己が過労の果てに事故で目が見えなくなったことを知る。想いが復活して琢己に会いに行き支えようと奮闘するけど、独りよがりでなかなかうまくいかないばかりか傷つけてしまい、また疎遠になる。
琢己の実家は母子家庭の柿果樹園で、琢己もようやく手伝うようになったところで、もう一度明菜は働き始めたマルシェで陰ながら琢己を応援する。
本当の幸せはどうあることなのか問う。いちごみるくキャンディーがキーになっている。
川島海荷だけがいい。
♯12 センセイとワタシ
漫画好きのオタク女子吉瀬瑞季(桜庭みなみ)は高校時代、親身になってくれた先生井手健史(桐島蓮)にずっと想いを寄せていて、卒業してからも何かと井手に会いに行ってたりしていた。
井手は学校をサボり遊び歩いてる生徒時川(佐久間悠)を更生させようと一生懸命で、それを知った吉瀬は先生がどれだけ生徒のことを気にかけていてくれてるか遊びを通して時川に教える。そんな吉瀬にしだいに気持ちが移り、彼女(早瀬英里奈)ど別れる井手。
井手が勇気づけにくれたベートーベンの第九の入ったCDがキーアイテムになってる。
都合良すぎな脚本だった。
以上、総合して↓
★★★
50分程度のドラマで、軽く観るには良い。主役に絡む人物にはそれ相応の色づけがされてるが、その他はモブ扱いに徹してる短編なので不快度もわりと低い。地盤は少女漫画だなこれ。
オススメは♯6の吊り革の距離、♯8の樹と恵のお話のところ。