劇32 伏兵コード 【誰も寝てはならぬ!】 | 日々幸進(ひびこうしん)

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3月7日(土) 


伏兵コード 【誰も寝てはならぬ!】

http://www.geocities.jp/fukuheicode/index.html 【HP】
http://blog.livedoor.jp/fukuhei1/ 【ブログ】
   

in→dependent theatre 1st

19:00


fukuhei_ura[1]
作演・稲田真理

赤星マサノリ[sunday]
石原正一[石原正一ショー]
宮川サキ[sunday]
魔人ハンターミツルギ[超人予備校]
稲田真理[伏兵コード]













【感想】

3度目の衝撃。

伏兵コード、の3度目の公演。

作演・稲田真理さんの深層心理なのかどうかは分らないが、とにかく観た後の脱力感は酷い。

観るのに力が要るユニット。


開演中に舞台から瘴気のように 『何か』 が、垂れ込めてくるのが分る。

分るのだ。

分る?

・・・・・・・・・・・・・・

この文章の意味が分られるだろうか?

そう、

それほどの衝撃が人間の精神に作用する舞台がココにあるのである!


舞台上で歪な関係の兄弟が、ゆっくりゆっくり、ゆっくりゆっくりと破滅へ向かってゆく。

ある点にてそのゆっくりだったものが、急速に加速する。

加速がついた時点で、それが蛇足ではなくブレーキの壊れた車であるのだ。

そのアクセルから足を離しているのに、スピードはとまらない。

止まらない。

止まらない。

止まらない。


もう言葉で表すのが困難。

これはどうにも舞台を生で感じて欲しいと切望する舞台。

生半可な・・・・と書くのも少しはばかられるが、そこらへんのアトラクションなんか目ではない。

その衝撃は、腰骨どころか、脳髄深くに直撃する。

こんな舞台は他にはない。

作、演出の稲田さんが持ちえる小宇宙。

それは底冷えのする人間の悪しき醜さを、鮮烈なまでの美しさ。


3作を観て思う。

その視点、その流れから派生する物語には容赦がない。

相容れぬものに対する理不尽なまでの潔さが、これでもかこれでもかと描き出される。

それが今回のキャラクターに成されるべき 【深き業】 を抽出されている。

そしてその潔さが美しい。

突き抜けることの大切さ。

それこそが至高の舞台となりえる事実を僕らに提示されているのだ。


長男・ハジメ…(魔人ハンターミツルギさん)
次男・サガオ…(石原正一さん)
長女・カエス…(宮川サキさん)
三男・キヨカズ…(赤星マサノリさん)
次女・オク…(稲田真理)

上の3人と、下の2人は、父が違う異父兄妹。

その設定が物語の深みを与えている。

このキャストが決まった時点で、この作品のおどろしさの方向性が決まったといっていい。

何より、魔人ハンターミツルギさんの出演は本当に嬉しい。

昔の関わりもあるだろうが、ミツルギさんのキャスティングに萌える。

あの稲田さんの宇宙にどのような化学変化を起こすのか?

楽しみでならなかった。

果たして、

その舞台を観て僕は思ったものだ。

間違っていなかった・・・・と。

元々、コメディ的な作品でしかミツルギさんを観た事がなかったが、その目の奥に光る何かは絶対に『狂気』である事は一目瞭然だった。

意図的にそれを避けていたふしすらある。


・・・で、今回の狂気の長男を観て思ったのだ。

間違っていなかった・・・・と。

その長身、狂気の瞳、独特のイントネーションから放たれる狂信。

怖い。

こんな舞台を観た後では、もうミツルギさんとまともに話す事はできないのではないか?

とも思える圧倒的な狂った兄像。


キャスティングの確かさ。

勿論、他のキャストの狂気の強烈さは今更語るまでもなく、特に石原さんのひたすらに陰にこもる小心者っぷりには、こちらの怒りがふつふつと誘発させられるほど巧みだ。

宮川さんの苛々した姿、赤星さんののほほんとしながらも狂気に蝕まれていく姿。

何より、最初から、ざっくりと稲田さんの現世界と隔離された言動と行動には、心の底から冷える。

容赦ない気持ちの拠り所。

突き抜けた恐怖。

どんなものでも突き抜けることの大切さを、本当に心から感じる作品に出あえた奇蹟。


これからも転がり続ける 【伏兵コード】。

目を逸らしてはならぬ!