8月9日に千秋楽を迎えたので、ネタバレOKとの事で、観劇感想を書こうと思う。
http://www.the-stoneage.com/home/home.htm
タイトルを見て不思議な違和感を持った。
ただ思い浮かべるだけでは到底、理解できないタイトル。
チラシの粗筋を見ても、まだ全ての理解に辿り着けない自分に歯痒さを感じながら公演へと向かう。
果たして・・・・
舞台を観るための空間に足を踏み入れた瞬間に、とてつもなく夏の露天商の夜店なるノスタルジアの渦中に放り込まれる。
それだけで、舞台の半分以上は成功したといっていい。
舞台の醍醐味は、その世界観へどれだけ観客を沈み込ませる事が出来るかにかかっているからだ。
粗筋はこうだ。
http://www.geocities.jp/cfssnet/10th/info.htm
そして舞台は始まった。
のっけから飛ばす役者魂全開のキャラクター。
その奇抜さと、おどろおどろしさは客の度肝を抜くに十分値する。
緒方晋さん。『人間ポンプの門田』。声を張り上げ、自身の存在を世界に示すかのような演技は素晴らしかった!痛いくらいの切なさと悔しさを、これでもか、これでもかと前面に押し出し、後ろ向きの中の考えの中にこれだけは譲れない前向きさを精一杯大声で唱える姿は痛々しく胸に響きました。これからも色んなものに挑戦して欲しいと思います。(いつか舞台でブルースハープ!)
中井正樹さん。相変わらずのパンイチの強烈キャラ!『ライオン男の茂雄』。中井さんの作り込んだ、このワイルドキャラ大好きです。こんなに頭の芯までキマくる強烈さは中井さんに出会うまでありませんでした。前回も強烈でしたが、今回も痛かった。(これ褒めてます!)ここまで舞台で弾けまくる中井さんの命の存在価値に栄光アレ!
アサダタイキさん。『フクロウ男の克也』。この方のキャラクターの作り方は、性格を脱色するところから始めているのではないか?そしてストーリーが進むたびに次第に愛すべきキャラクターへと変貌させていける稀有な力を持っておられる。仕草や台詞回しだけでなく存在そのものを『フクロウ男』に融合させられる手腕を手放しで評価したいと思います。失恋時に頬に出来たウロコに気付くシーンが痛々しく胸に響きました。これからも、末永く楽しませて頂きたいと思っています。
中村なる美さん。『アサガオ女の徳子』。とにかく声がいいィ!その声で役全てを表現できる素晴らしい役者さんである。立ち振る舞いや言動は熱いのに物哀しい。その両極を一気に体現できるのはキャラクターの本質を理解しているだけでなく、中村さんの内なるオーラが徳子にユニゾンしているからだ。これからもっと作品を重ねて観たいと思う役者さんでもあります♪
大北えつさん。『サーカス団々長の王』。この方の喋り方の強烈さに負けました。ヤバイです。あの発音に込められたいかがわしさのオンパレードは、歪なヤバさを秘めている。発音の力技と流れるような躍動感は、突き抜けた面白さが最高です。
一明一人さん。『ピエロのミッチェル』。基本の出来ている役者さんを見るとき、舞台は期待と感動で胸が一杯になる。違ったらごめんなさい。クラッシックバレエをやられていたんですよね?動きの一つ一つが滑らかで、広がりを感じます。他の出演者だけではない特異な空間を作り上げられる稀有な方だと思っています。そして・・・いつの頃からか始まったアサダさんとのガチ相撲!毎回、楽しみに一人さんの尻のラインを見て爆笑させてもらっています!今度はお話させてもらえればな・・・・と思っています。
小野愛寿香さん。『大学生の秋山』。愛らしい正統派ヒロインをまったくブレる事無く演じ切った。僕も人間ポンプの門田さん以上に惚れる自信があります。真っ向から演じられた汚れなき少女は胸キュン度100%を越えて280%まで針を振り切る素晴らしさでした!
森世まゆみさん。『お化けのお岩さん』。飄々と舞台を飛び回る白きモンシロ蝶。闇よりいでしヒョウキンなる哀しみ。前回の役どころも強烈でしたが、今回も、目が釘付けでした!一挙手一投足がこんなに気になる面白お化けが演じられたのは嬉しい限りです。後日、違う劇でまったく同じ役どころで、ひょっとお会いしたい『お化けのお岩さん』でした。素敵なキャラクターを有難うございます!
谷屋俊輔さん。『大学中退の落合』。素敵にレトロ感バリバリで、なりもそうなんですが空気感まで時代を感じさせていたのは不思議感バリバリでした(笑)地に足が着いてないというか、夢を追う若者の特権の浮遊感を臆面もなく出しまくるあたり、ああ!あるある!と感じさせられ凄く納得してしまいました。
川辺みほさん。『巫女の松中』。フクロウ男が好きになりそうな可能性をうまく演じられていました!なにがって、あの優しさを前面に押し出した喋り方ですよ。あれで大概の男はやられます。あの甘えるようで、自己を完璧に揺らがずに居られる芯が強い女性をオトス事は容易ではありません。攻略は難しいと僕は判断します。・・・・というくらい嵌っていました。つまり、巫女の松中が本当に存在していたんだと改めて思いました。
全体的な流れやクライマックスなど、見せ場が充分にありながら、キャラクターの個性を融合させ昇華させてゆくクダリはゾクゾクしてたまりませんでした。僕もいつしか人間ポンプの門田と一緒に 『死ぬなんてゆうなあ!』 と、心で叫んでいた。そう、死んで花実が咲くものか!門田の考え方しか僕にも出来ません。生きていれば、辛い事もあるが、楽しい事もきっとあるはず!
だからこそ、最後でどうなったのか?
僕は非常に気になって、消化不良に近いものを感じました。
光りが来た時、僕は身を縮こまらせてしまいました。
答えは、怖かったからです。
他の一頭と一羽と一輪が、どこか遠くへ行ってしまうかも知れない切なさで胸が張り裂けそうになったからです。
嫌だった。
『死んだら終わりですやん!』
門田の言葉が何度も頭の中をリフレインする。
その光体が周りを包んだ時、僕の恐怖は絶好調に達しました。
しかし、終劇。
怖かったけど、
怖かったけど、門田がその後、どうしたのか僕は知りたかった。
どうするのか?
そして、これからどう生きるのか?
『死んだら終わりですやん!』
その言葉を実践するのか、それとも・・・・・・・・・・?
そこは僕らで考えないといけないのかも知れない。だが、僕は観たかった。門田の人生の悪あがきというか、無様で滑稽ながら健気に生きていこうとする姿を!!!!!
でも、この作品は僕らの胸に大きな感動の種を蒔いていってくれた。
だからスタッフ、キャストの皆様、本当にご苦労様でした!
そして、次回公演!
楽しみにしています!!