パーソナルシェフという仕事、始めた理由は、その①に書きましたのでご参考に。
ご家族全員の毎日の夕食を作るというご依頼。
ご希望に応えてこそパーソナル、でもそれは最初はなかなか難しいものでした。
派遣されたFさん宅は、3歳のお子さん以外は全員立派な職業をお持ちでバリバリと働いていらっしゃいました。
20年来の家政婦さんは別にいらしたのですが、専属の料理人を使った事はないそうで、お互い初めてで手探りしながらでした。
難度1(買い物)
Fさん宅から徒歩や自転車で買い物に行ける店はある程度限られていて、大変でした。
自信をもって料理する為には、食材選びは本当に大切だからです。
調味料や加工品ならまだしも、野菜や肉・魚は個体差が激しく、料理の仕上がりを大きく左右します。
思い通りに手に入らない時は、予定していたメニューをちょっと変更したり、予め途中下車して調達したり、こっそり下拵えして持って行ったり、色々と工夫しました。
難度2(献立作り)
一週間のざっくりした計画を立て、奥様に見て頂きます。
季節のものを取り入れたり、材料が調達できるか確認したり、使い切れない野菜を翌日の副菜に利用してなるべく無駄の無いようにしたり、これがとっても大変でした。
そして、それを考えたり試作する時間は実働では無いので無給なんです。
難度3(お帰り時間)
保育園のお子さんがお帰りになる夕方がスタートで、その後お仕事が終えた順に皆さんバラバラに帰宅されるのですが、Kは片付けをして時間が来たら帰るので、全員に出来立てを召し上がって頂くのは不可能でした。
ご依頼は、帰宅後ラップを取ってまたは冷蔵庫から出して、またはレンチンや鍋で温め直して、とにかく直ぐに食べられる様にとの事でしたので、炒め物はしんなりするし、煮物の色も変るし、汁物の吸い口は入れておけないし、などなど。。。沢山の工夫が必要でした。
一般家庭ならあるあるですが、報酬を頂くのですから。
それに、自分が産み出した作品として評価されるのですから。
速さ優先で、割と強い力でレンチンするお宅だったので、せっかくご希望どおり柔らかく仕上げた酢豚のお肉が硬かったと翌日言われた時は、とてもショックでした。
難度4(お好みの仕上がり)
どのお宅でもお好みの仕上がりというのがあって、例えば前述の酢豚、醤油っぽかたり、ケチャップっぽかたり、本格黒酢が良かったりと様々です。
火の入れ具合や具材のお好みや、器に対する個々の思い入れなどもあります。
でも、その家では当たり前の事は敢えて説明などして頂けません。
そんな感じで、お好みを掴むのには時間がかかりました。
加えて3世代、時には4世代、独立しているご長男が急遽ご同席されたりと、毎日が挑戦の連続でした。
次回は、楽しかった事や有意義だった事を書きますね。

煮物類は、全般に喜ばれました。
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