その157.ロンドン仕事編24 | 水谷孝のブログ「つれづれなるままに」

おはようございます!

 

いつも僕のブログを楽しんで読んで下さり感謝いたします。

ありがとうございます。

 

それでは前回からの続きです!

 

クレープ店の方も、無事に後任者に引継ぎを済ますことが出来、いよいよ「豆腐工場」で働くことになりました。

 

ロンドンに来て以来、日本にいた頃とは生活環境が180度変わって、日本人との接触はほとんどなく、家でも職場でも学校でも24時間英語だけの生活でしたので、久しぶりに英語ではなく、普通に日本語を話せる環境で仕事が出来るのかと思うと、何だかそれだけで嬉しくなってしまいました。(外国で外国語だけで生活していると、やっぱり日本人には日本語が一番だということが良くわかります。(笑))

 

その上、これからは多くの同胞(日本人)と、8時間という長い時間を一緒に過ごすことが出来るのですから、もう前日からワクワクして、まるで明日の遠足を待ち望んで興奮している小学生のようになってしまいました。(笑)

 

正直言って、自分でも気がつかないうちに「日本人恋しさ症候群」にかかっていたようです。(笑)

 

それでは本題に入りましょう、、、

 

最初に「豆腐工場」の概要について説明いたしましょう。

 

この「豆腐工場」は、中国人夫婦がオーナーで(オーナー夫婦との会話は英語でした)、従業員は全部で10名で、10名のうち日本人が8名で中国人が2名となっていました。(この2名の中国人との会話も英語でした)

 

中国系の「豆腐工場」なのに、何故か日本人が多いのが面白いなぁ、と思いました。(笑)

 

後から日本人が多い理由を聞いたところ、日本人は勤勉で働き者だから、どうしても日本人を優先して採用してしまうとのことでした。(笑)

 

確かに、僕が知る限りでも、ロンドンでは多くの人が、日本人のことを高評価していました。(加えて日本人は他の民族に比べ、正直と言う評価もついていました、、、)

 

日本人は、ほぼ全員DNAの中に、そのような良質な資質を自然に持っているので、何もしなくても、ただ日本人だというだけで、海外では他人種に比べ、はるかに信用されやすく、親近感を持たれやすかったのでした。

 

なので日本人は自信を持ってだいじょうです!(笑)

 

それではまず勤務第一日目の様子をお話しましょう、、、

 

最初に、〇山君からオーナー夫婦を紹介されました。

 

ご主人も奥さんも優しい良い人柄の印象の人たちでした。少なくともオーナー夫婦は、〇山君に優しかったそうです。

 

オーナー夫婦の次は仕事仲間を紹介されました。

 

日本人8名のうち、5名とは顔見知りで、他の3名と中国人2名の人たちとは初対面でした。

 

一人ひとり紹介されて感じたことは、「みんなけっこう暗いなぁ」ということでした。

 

無理もありません。みんなで毎日〇山君をイジメているのですから、みんな暗いエネルギーになって当然です。

 

特にリーダー格の〇田と言う人とは、僕はその時に初めて会ったのですが、〇山君の話しでは、いつもこのリーダーが積極的に〇山君をいじめて、みんなを煽っていたそうで、ネガティブエネルギーが、とても強いオーラとなって体中から溢れていました。(もちろん本人はそのことに全く気がついていないようでしたが、、、)

 

しかし、たとえどんなにみんなが暗くても、久しぶりに懐かしい日本人の顔を眺めることが出来、日本語を話せただけで、僕は幸せ気分でした、、、(笑)

 

一通り紹介が終ってから、次はいよいよ豆腐の作り方を教えてもらいました。

 

大豆が豆腐になるまでの全ての工程を、実際に見せてもらいながら、要点、要点を詳しく説明してもらいました。

 

実際に豆腐が作られていくところを見せてもらいながら、説明を聞いてみると、豆腐の作り方が想像していたよりもはるかに簡単だったので驚きました。

 

僕が持っていたイメージでは、クレープを焼くよりも、豆腐を作る方が難しそうなイメージがあったので、ちょっと拍子抜けしてしまいました。(笑)

 

クレープ焼きは、一生懸命練習したにもかかわらず、プロと言えるレベル(100枚焼いたらほぼ100枚とも上手に焼けるレベル)に達するまで、100回ぐらい失敗を重ねなければなりませんでしたが、豆腐作りは、技術的には何ら高度な技術は必要ないので、作業の工程さえしっかり頭に叩き込んで、後は実地の時に気持ちを集中させて、心を込めて丁寧に作業することさえ心掛ければ、5回も実践をくり返せば、あとはいつでも普通に自信を持って、店で売れるぐらいの豆腐を作ることが出来ました。

 

みなさんも一度、インターネットで「豆腐作り」を検索してみてください。豆腐作りには難しい技術は何も必要ない、ということがお分かりになると思います。

 

誰でもちょっと練習すれば、豆腐屋さんで売っているような豆腐が作れるようになれます。(もちろん心を込めないで、いい加減にやれば失敗の可能性はありますが、、、(笑))

 

「豆腐工場」では豆腐完成まで全て機械がやってくれたのか、と言うと、そうではなくて、大事な作業だけは機械ではなく、人の手でやらなくてはなりませんでした。(どんなにテクノロジーが発達しても、微妙な研ぎ澄まされた職人的な感覚や直感を必要とする作業は、いつの時代も人間の脳と手に頼るしかないのかも知れませんね)

 

では一体どこまで機械がやってくれて、どこから人の手でやらなくてはならなかったのかと言いますと、、、

 

大豆を「豆乳」と「おから」に分けるまでが機械の仕事でした。

 

大豆が「豆乳」と「おから」に分かれた先からが手作業になりました。

 

手作業としては、まず「豆乳」を流し込むための「型」を準備して、「型」の中に布をきちんと敷き詰め、

そこにすでに出来上がっている「豆乳」を流し込み、そのあと準備しておいた「にがり」を、ゆっくり「豆乳」をかき混ぜながら、適量の「にがり」が「豆乳」全体に均等に行きわたるように流し込むのですが、たぶん全行程の中で「にがり」の分量を正しく適量だけまんべんなく上手に流し込む作業が一番神経を使う部分かも知れません。(「にがり」の分量が多すぎたり少なすぎたり、あるいは流し込み方が均等になっていないと良い豆腐は出来ないので、、、)

 

「にがり」をいれたら、布で「豆乳」全体をよく覆って、その上に蓋をして、さらにその上に重しを乗せて「豆乳」が固まるのを待って、「豆乳」が固まって豆腐になったら、布ごと豆腐を「型」から引き出して、そのまま水の中に入れて、布だけ水から取りだして、豆腐はそのまま水の中で冷やして、最後はみなさんがご存じの大きさに切ったら「豆腐一丁あがりッ!」です。(笑)

 

ちなみに、オーナー夫婦は、厚揚げ作りと油揚げ作りを担当していました。

 

と言うことで、たった一日でいろいろなことを学び、無事「豆腐工場」での第一日目の勤務を終了したのでした。(本当に充実した楽しい8時間でした、、、)

 

アパートに帰って、〇ラに「ただいまーッ!」と言った時が、まだ昼の2時前だったのですから、何だかとても変な感覚でした。

 

何しろそんな真っ昼間に帰ったことなど一度もなかったので、まるで「豆腐工場」で8時間仕事をしてきたことは、全て白昼夢で、実はこれからいつも通り、夕方の4時から夜の11時までクレープ店に仕事に行かなくてはいけないような錯覚を覚えました。

 

でも〇ラの喜ぶ顔を見て、自分のほっぺたをツネってみたら、ようやく夢ではなく現実だと思うことが出来ました。(笑)

 

転職を決断して本当に良かった、と思いました。

 

さて次回は、「豆腐工場」第二日目のお話をしたいと思いますが、実は二日目には、早速〇山君をイジメから救うための作戦を考え、即実行したのでした。

 

僕は、リーダー格の○田さん以下、〇山君をイジメていた人たちとの無益な対立を避けて、出来るだけ事を荒立てずに、平和裏に〇山君に対するイジメをなくしたいと思い、いろいろ考えていたのですが、突然予想もしていなかった素晴らしい考えが直感によって頭に閃いたので、即日その日に実行することにしたのでした。(「善は急げ」と言いますから、、、(笑))

 

次回はそのお話しをしたいと思います。

 

とにかく僕は、イジメ問題だけは、一日も早く解決することが、イジメる側にも、イジメられる側にも、みんなにとって良い、という確信を持っていますので、とにかく僕の目の前にイジメ問題があったら、早急に解決しないと気持ちが悪いのです。(笑)

 

それでは次回をどうぞお楽しみに!

 

来週の金曜日に又お会いしましょう!

 

みなさんお元気で!

 

スペインのイルンより心を込めて、、、水谷孝