その156.ロンドン仕事編23 | 水谷孝のブログ「つれづれなるままに」

おはようございます!

 

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ありがとうございます。

 

それでは前回からの続きです!

 

〇ラに「夜遅く帰る仕事じゃなくて、たとえ朝早くても昼頃には帰って来られる仕事を探そうと思う」と言ってから、1週間ほど経った頃でした、、、

 

友人や知人たちに「朝早い仕事があったら早急にやりたいので知らせて欲しい」と頼んでいたのですが、そのうちの一人から嬉しい知らせがありました。

 

嬉しい知らせをもたらしてくれた友人は、○山君と言って、僕より2才年下のとても気があった友人だったのですが、実はちょうどその頃彼は日本人仲間たちからいじめの対象になっていたのでした。(ロンドンの小さな日本人社会にも陰湿ないじめがあるのですから、いじめを根絶することがいかに難しいことか、、)

 

話しが本題から少しそれることになりますが、何故一番若い20才の〇山君が日本人仲間の間でいじめの対象になっていたのか、そのことに少し触れておきたいと思います。(いじめ問題は他人事ではなく、みんなで真剣に考えなくてはいけない問題だと思うので、、、)

 

さかのぼること1年ほど前のことでした。(〇山君が19才の時)

 

ある日彼が、日本大使館に勤める3才年上の女の子とつき合い始めたことがいじめの始まりでした。

 

当時〇山君の周囲の日本人仲間の男たちの多くは「日本大使館に勤める日本人の女の子はエリートだから、自分たちのような、普通の男は相手にしてくれない」と勝手に決めつけていました。(これは男女間によくある典型的な思い込みに過ぎないのですが、、、)

 

なので、みんな鼻っから日本大使館に勤める女の子は敷居が高い(口説き落とすことが難しい)と諦めていたのです。(挑戦しなければ成功もないのですが、、、)

 

そんな時でした、日本人男たちの中で一番若く、しかもごく普通のタイプの19才の○山君が、日本大使館に勤める3才年上の女の子とつき合い始めたのは、、、

 

そのニュースは、極めて重大なニュースとして日本人仲間たちの間にあっという間に広まりました。(海外の日本人社会というのは本当に狭いですから、、、)

 

そのニュースを聞いたモテない年上連中たちから、「あいつはまだ19才なのに、俺たちがつき合えない大使館の女の子と、しかも年上の女の子とつき合うなんて生意気なヤツだ!」とか「〇山はどうやって日本大使館に勤める年上の女の子を口説いたんだ?」などと、それまでほとんど誰にも気にもされていなかった一番年下の〇山君が、一夜明けると、全員から嫉妬や羨望や興味の中心になってしまったのです。

 

僕は、街中で日本人と顔を合わせれば、挨拶をして和気あいあいと、いろいろな話しをしましたが、元々アルコールが一滴も飲めないので、酒の席にあまり興味がなかったことと、当時僕の仕事場では彼らとは接点が全くなかったので、日本人同士での飲み会に出席したことは一度もなかったので、○山君がみんなの酒の肴にされて、職場でもいじめられていたことは全く知りませんでした。

 

僕がそのことを知ったのは、一度街中で〇山君とバッタリ会って、立ち話をしていた時に、彼の口から直接「仕事場のみんなから酒の肴にされている」ことと「特に一緒に働いている〇田という28才になる先輩は、柔道3段でみんなのボス格で、この人がいつもみんなを煽って、嫌なことばかり言うのです」と言うことを聞かされて、〇山君の辛い立場を知ったのでした。

 

僕は、〇山君が好きでした。

 

彼はひいき目に見ても好青年で、何よりも人柄がとても誠実でした。(彼なら真面目な性格の女の子に好かれるだろうなと思いました、、、)

 

そんな彼が、日本大使館に勤める年上の女の子とつき合っているだけで、みんなからいじめられている、と聞いた時は、みんなの了見の狭さに呆れましたが、彼に対するいじめが、その後さらにエスカレートした、と聞いた時は「なぜ?」と思ってしまいました。

 

いじめがエスカレートした理由は、後から知ったのですが、彼が20才の誕生日を迎えてすぐに、1年前からつき合っていた、その日本大使館に勤める年上の女の子と結婚したことが原因だったようです。

 

きっと、多くの男たちが、彼女すらいない状況なのに、〇山君だけが19才という若さで、みんなにとって高嶺の花だった日本大使館に勤める年上の女の子とつき合い始めたかと思ったら、翌年には20才の若さで結婚にゴールインしたことが許せなかったのでしょう。

 

ちょうどそんな時でした、彼と再び街でバッタリ会ったのは、、、(この時は僕もちょうど朝の仕事を探していたので、〇山君に会ったのは「ラッキー!」と思いました。(笑))


僕「オー、〇山君しばらく!元気!」

 

〇山君「水谷さんお久しぶりです。お元気ですか?」

 

僕「ちょうどいいところで会った。これも神様のお引き合わせだな。(笑)実は朝早い仕事を探しているんだけど、君のところなんて理想的なんだけど、人を募集中ってことはないかなぁ?」

 

〇山君「イヤー、もし水谷さんがうちに来てくれたら最高ですよ。誰も僕の味方になってくれませんからね。(苦笑) 早速オーナーに聞いてみます」

 

僕「まだ嫌がらせが続いているんだ。でも君も一人で良く頑張ってるよ。偉いよ!普通ならいたたまれなくなって仕事をやめちゃうだろうな。もし俺が君のところに行くようなことがあったら、俺が味方になるから安心しろよ。ところで新婚生活は上手くいってるかい?」

 

〇山君「エエ、おかげさまで。ありがとうございます」

 

僕「そうか良かったな。俺も22才で結婚して、自分で「若いなぁ」って思ってたけど、君は20才で結婚しっちゃったんだもんなぁ。すごいもんだよ。(笑) 奥さんのためにもいじめになんか負けないで頑張れよ!」

 

と言って、彼と別れたのですが、どうして彼の仕事は僕にとって理想的だったのか、そちらの方のお話をしましょう、、、

 

実は〇山君が勤めていたのは、何と「豆腐工場」だったのです!(笑)

 

ロンドンで「豆腐工場」というのも可笑しな話ですが、勤務時間が朝の5時から昼の1時まで、というのが僕の希望にピッタリ100%ハマっていたのです!(笑)

 

〇山君からもたらされた嬉しい知らせとは、、、

 

〇山君「水谷さん、オーナーに聞いてみました。喜んでください。一人近々辞めるそうで、近いうちに一人補充しようと思っていたそうです。僕は水谷さんに来て欲しいので、オーナーに、水谷さんがどれだけ責任感が強くて働き者かを話したところ、それならぜひ来て欲しい、とのことでした」

 

僕「そうかァ、OKかァ。ありがとう!感謝するよ。女房も喜ぶよ。それじゃあ、早速いま働いているクレープ店のオーナーに俺の代わりを探してくれるよう頼むよ。そっちに行ける日が決まり次第すぐに連絡するよ」

 

〇山君「水谷さんと一緒に仕事が出来るのを楽しみにしています!」

 

ということで、〇山君と別れてすぐにアパートに帰って、〇ラに「朝5時から昼1時までの、豆腐工場の仕事がほぼ100%決まった」と報告した時は、とても喜んでくれて、ホッと安どの顔を浮かべたのを、今も昨日のように思い出します。(笑)

 

それでは続きは次回のお楽しみに!

 

来週の金曜日に又お会いしましょう!

 

みなさんお元気で!

 

スペインのイルンより心を込めて、、、水谷孝