水穂の小説置き場とひとりごと -8ページ目

水穂の小説置き場とひとりごと

ファンタジー小説を執筆中……のはずw

いろんなものから逃げ出したい今日この頃な水穂です(何)

あー。だってピグったり、ブログ更新したり、そんな暇はないのですよー。


今日はパパの誕生日。ちょっと前が両親の結婚記念日。そして間もなく母の日。

中の人の財布直撃ですよー毎年5月わ!w

去年は確か、全部ひっくるめて夫婦茶碗と夫婦箸をプレゼントしたのー。

今年はね、分けたw

パパには今話題のシルキードライあげて、ママには黄色いキッチングッツ(トングとかヘラとか)あげた。

母の日まだだけど、めんどかったからパパのあげるついでにあげてしまったw


そんなこんなで中の人は。

モニタとにらめっこして、なんかDVD再生して巻き戻してはワードを打つって作業を繰り返している様子。

2~3日前からその作業やってるみたいですが、すぐに飽きてピグったりしてるから全然進んでないっていうw

ダメダメですね。もう水穂やってる場合じゃないんですが。

そうそう、DVD再生してるもんだから、大好きKAITO兄さんの曲も流せないっていうジレンマw

兄さんの絵見て2828したいよー、曲聞いてデレたいよー、誰かとおしゃべりしたいよーw

そして、小説の構想(妄想)練りたいよー。

あー。助けてーw(何)


負けるな。あたしw

現実逃避してる時間はないのよー。

GW終わるのよー。


よし。思いのたけを叫んだ。

しばらく集中して作業に励みたいと思います。

水穂は、ある意味GWに入りますwww


パソコンで作業ってのが……ネット依存症には辛いねw

(ρω; )頑張る…

水穂の小説置き場とひとりごと-Image050.jpg
暑いです!
誘惑に負けて、買ってしまいました(*ノωノ)ラブラブ
KAITO兄さ…じゃなくて、ダッツドキドキドキドキドキドキ
フレーバーは「はにーみるく」
ネーミングがなんかもう…っ!w
グッときちゃいました(*ノωノ)
しかもほんのり優しく甘い感じで…っ!w

この誘惑ゎ勝てないぉ!

ぺろりと食べちゃいました(何)

アイスの季節だねー゚.+:。(´ω`*)゚.+:。ポッ

北欧神話、少しずつ読み進めています。

現実逃避。気が付いたら夜更かしw

寝なきゃいけないときって、何故か読みふけってしまうのよね~(;´Д`A ```


ミクロフィラに反映させたい部分もあるのですが。

表向きの世界観はほぼ水穂の妄想で固まっていたので、

おかげで、裏設定が固まりつつあります。


ここら辺で水穂の妄想力とやる気を書きたてるために。

かるーくミクロフィラのお話でも。


やっぱりファンタジーなお話ですよ。

主人公は13歳の女の子。法術師を目指す、学生さんです。

法術師っていわゆる魔術師の事ね。

とある街の精霊魔術総合学院3学年。

学園ファンタジー的な感じ。

事件が起こって、それに巻き込まれて解決していくっていう感じ。

詳しくは書けません、まだw

だいぶプロットは出来上がっているのですが、まだ曖昧なとこもあって。

その起きる事件とか、精霊魔術とかが、世界観と関係してくるのですよ。

北欧神話を参考に、どんどん詰めていこうかなって。


しかし、水穂の中の人が本業やら別件やらで忙しいらしい。

今日なんて、10時間近くパソコンとにらめっこしてたみたいで、

ある意味、ずっと水穂でいたような気がしますw

早く寝ればいいのに、深夜に記事UPしてるとこみると、

眠れないみたいですよ?w


仕方ないので、暖かいスープでも入れてあげるとします。

身体、壊さないようにしなきゃ(;´Д`A ```

水穂の小説置き場とひとりごと-未設定

今日も今日とて、ひとりごとな水穂です。

ローソンがオープンしたと聞いて、さっそくPontaのとこで記念写真。

行列が出来ていました。

なんか、いろんな意味で大人気の場所になってました。


(-ω-;)ウーン


オンラインは水穂の居場所であり、癒しであり、現実逃避であり、なのですが。

その、いろんな意味の、を見てしまうと……なんか、悲しくなります。

オンラインだからこそ、見える部分。

それは決していいとは限らない。


でも、やっぱり。

オンラインが好きw

だって。

そうやって触れ合って、仲良くなった人は、絶対に素敵な人だもの。


世の中いろんな人がいる。

それは、オンでもオフでも。

オンラインは露骨に現れやすくなるかもしれないけど、

気にしない。

それはオフでも一緒。

気にしない。

触れない。

関わらない。


そんな愉快犯がたくさんいたよって話です。


マナーって大切だなあ。

言葉って、難しい。そして怖いなぁ。


水穂はいつも、出身在住の千葉ルームにいます。
最近、夜はものすごい人数で、この椅子が埋まるほどですが。
今日はたまたまお休みだったので、昼間来てみるとこんな状態w
祝日だから、人いるかなーって思ったのにw
やっぱりゴールデンウィークで、みんなおでかけかな?
天気もいいし、ピグじゃなく、水穂もおでかけしようかな?
家でるの億劫だなw
やることもあるしなぁ~w

も少し、のんびりしよw
なんかもう、中の人が勝手に忙しくなってるみたいです(何)

北欧神話も読み進めてないし、ミクロフィラの構成とか妄想も出てこなくなってきつつあります。

昔は忙しければ忙しいほど、妄想は膨らみ、現実逃避に小説を書けましたが。
今はダメダメだあー><
気力が出ません…

短編書き終えて、休息期なのかも。

時間見つけて、北欧神話読んだり、プロット見直したりして、今後のやる気を掻き立ててみようかと思います。
中の人のスケジュールにもよりますけどねw

まあ、波があるってことで(;´Д`A
ミクロフィラを書くにあたって。

数年前から、水穂の脳内を駆け巡っている妄想ですが。
妄想だけなら、どんな矛盾も自己解決。
しかし、きちんと形にしたい。
ずーっと、そう思ってて。
なんとなくワードに走り書き。
あやふやな部分を明確にするため、プロット、主要キャラ設定、世界観を箇条書に起こし、書き直し。
自分の妄想力に限界。
プロの脚本家さんの話しを聞き、資料の大切さを知る。

そんな流れで。
ファンタジーを書くならば。
有名なファンタジーは世の中数あれど。
どれも神話の道は外していない。
基礎から勉強しなければと思い、北欧神話の本を買いました。

ギリシャ神話でもよかったのですが、どうも聖〇士☆〇矢を彷彿とさせられるのでw

しかし、難しい。
世界観もそうですが、なじみのない言葉と、登場人(神)物の多さと複雑な関係に、何度も同じところを読み返しては戻り、を繰り返しています。
でも、面白い!
参考に、書きたくなってきましたよ、小説w

今の本を読み終えたら、もう1冊、北欧神話の本(違う人の翻訳または考察)を読むつもりです。
いつ読み終えるかは不明w
水穂の脳機能次第ですねw

本格的にミクロフィラに取り掛かるまで、まだまだ先になりそうですが、ちょこちょこ、ひとりごとでブログ更新していきますんでー(^v^*)ニコッ

後は中の人次第ですね…(;´Д`A

この記事は、短編小説「OUT of HARMONY」のあとがきです。

ネタバレ等含む場合があります。ご注意ください。

あとがきなんで、読んで下さったことを前提に書きます。

ご了承ください。(*- -)(*_ _)ペコリ





まずはじめに。

OUT of HARMONYを最後までお読みいただきありがとうございました。

お楽しみいただけましたでしょうか?

短編小説と銘打っておきながら、だいぶ長くなってしまいました。

ブログに上げる際、12話(記事?)にわたってお届けしましたが、本にしたら前篇・後篇に分ければ短編と言える……かな?(汗)

この作品は、プロットを立てずに、水穂の思いつきで走り書きした適当なものです。

起承転結とか、基本的なところからダメな気がしますが……

正直、まとめきれたとは思っておりませんし、納得いってない部分はたくさんありますが、一つの作品として無事に書きあげられたことに、まずはホッとしております。

書き始めたはいいけど、最後まで書ききった作品は、実はあまりなかったりします。

それにしても、当初考えていたラストとは全く違う展開に、書いた本人が驚いております。

執筆中、いろんな設定が思いついてしまい、ぶっちゃけ続編が書けそうなくらいです。

いや、書きませんけど……よほど気が向かない限り。

多分ですね、いろいろツッコミどころがあると思います。誤字脱字とかじゃなく。

とりあえず、解説も含め、フォローしてけるとことはしたいなーと思います。


書きたかったテーマ。

タイトルが示している通り、アウトオブハーモニーつまり「相容れぬ者」です。

書きあげるまでスペル間違いに気付かなかったことは内緒w(全て直しましたw)

決して交わることのない二人。そこに生まれる報われない望みと悲しみ。

本当に思いやる心と現実。そんなものを描きたかったのです。

磁石のS極とN極を例に出しましたが、この物語にはもう1種類の磁力があります。

精霊族とアンドロイド(機械的な意味に捉えられがちなので、作品内でこの表現は使いませんでした)と一般人。

実は「相容れぬ者」とは、二人対村民としての意味もありました。

最後は受け入れられてハッピーエンドになりましたが、執筆当初考えていたのは、バットエンドでした。

以下、バットエンドあらすじ。


暴走したベティを止められるのはミンティしかいない。人々を消してしまう力を持った人間でないベティを殺せとあちこちから声が掛かる。ベティは自分が死ぬしか方法がないことをしってそれを望むが、ミンティを想う気持ちが涙となって現れる。大好きだよ、おねーちゃん――その覚悟を受け、ミンティは仕方なくベティに手をかける。ベティは消え、村は救われ、ミンティは英雄として称えられるが、悲しみに涙したベティを殺せと言った人々こそ人間なのかと、怒りをあらわにし、その力を全て解き放った。一瞬にして村を廃墟にし、ミンティ自身もまたベティを追うようかのように消えた。その村があった場所には草木一つ生えることなく、数年経った後も荒野として広がっていた。ベティとミンティの力が今でも存在し、そこに二人一緒にいるかのように。


……救いようがないっすよね……

このエンディングを目指して書いていたはずが……なんか、二人無事に生きて終われば、続きとか書けそうだな~なんて変な考えや設定が浮かんだ結果、こうなりました。


ブラッディ・ルビーの役割とかさ、ギリギリになって変更したし。人の血で造られた宝石って設定は前からあったんですが、本当は今でも人の血を吸収して成長する宝石にしてて、ベティの意志に関係なく人を消してはその血を求める続ける……みたいな?

でもそうすると、その宝石無くなったら、ベティは普通の人になっちゃうってことで、まるっと設定変えました。実はブライムさんが出てきた時点ではまだ、ちゃんと決めてなかったんですよ。

で、途中で「あ、対象になるヤツ作ればいいんじゃね? うーん、じゃあ赤なら青で。青なら涙かな」ってな感じですよ。割と強引だな~って思ったり。


で、突っ込まれる前にフォローしておきたいのが、そのペンダントの紐。

着ている服すらボロボロにしてしまうベティの力。なんでペンダントの紐は無事なのか。

そして、壊れたものを元通りにできないはずのミンティの力で、なぜ紐は元に戻ったのか。

矛盾してるじゃん! と思ったあなた。ふふふ、ちゃんと理由はあるんですよ。

実はブラッディ・ルビーを吊るしてるペンダントの紐は、精霊族の髪の毛を結って造られたモノなのです。

だからベティの力の影響を受けなかったし、精霊族であるミンティの力に反応して復元できた、というわけなのです。

……強引ですか? 気のせいですよ!w


予定してなかったのも含め、裏設定は以外にもいろいろ出来ていまして。作品内での説明不足は反省しております。

本当に、自分は文才がないんだと痛感いたしました。

分かりやすく説明しよう→ボキャブラリーがないため同じ言葉ばかり並ぶ→違う言葉を使ってみる→分かりづらい→分かりやすく(ry

そんなループを繰り返して、頭痛が起きたりしました。

あ、わざと同じ文節を繰り返し使っている部分はありますよ、もちろん。

それと、一人称なのか、二人称なのか、三人称なのか、分かりづらいと思いますが。

このごちゃまぜ感はわざとです。読みづらいかと思いますが、それは表現として意図的にやっております、はい。

これでもがんばって、ない頭使ってるんです、一応……はあ、悲しい。


裏設定も上記の紐の件も含め。

続編を書くならば、今後明らかになっていくんだろう的な伏線? みたいなのも残しつつ終わらせてみました。

センターシティの戦争目論み計画の件とかねw

……いや、だから書きませんって、続編はw

二人の今後や事件などは、あたしの妄想と読者の想像にお任せで終わらせておきます。


アメブロを始めて、形にした水穂の妄想。

今後はもっと長い話を書くつもりではいますが。

次に取りかかるまで、少し時間が空きそうです。

それでもお付き合いくだされば、幸いでございます。


作品の感想・ダメ出し・ツッコミ等あれば、お待ちしております。

長々と書きましたが、最後まで一読いただきありがとうございました。

今後ともよろしく願いたします。


 そこはすでに、何もなくなっていた。

 あるのは、大地と、吹きすさぶ風と、一人の少女。

 髪は風に抵抗することなく暴れ、包んでいた服すら跡形もない。

 発せられる不可思議な力は空間をも歪めているようだった。

 本来ならば、何者も存在出来ない場所――しかし、ミンティはそこに足を踏み入れる。

(ベティ……)

 強い決意を携えて。ミンティは少女を見つめる。

 一歩ずつ。近づく。

(ベティ……目を覚まして)

 しかし、強風に何度もあおられ、なかなか進めない。

 まるで彼女を拒むかのように、濃密な力が包み込み、風が強まる。

 ゴウーッ!

「――っ!」

 息が詰まる程の衝撃が、突然襲ってきた。

 反射的に目をつむり、一瞬にして闇に包まれる。

「……?」

 急に、風が止んだ。ゆっくり目を開けてみるが、辺りは闇のまま。

 いや、遠くに何か見える。それは、光のようなもやだった。

(……来ちゃ、ダメ……)

 光が明滅し、しゃべる。

「……ベティ?」

 その声は、確かにベティのものだった。

(みんなと逃げて……)

 とても弱々しい声。

「ベティを置いていけないわ」

(……無理……わたしは、もう死ぬから……)

「死なせない。絶対に助けるわ!」

 光が、小さくなった。

(……もう、いいの……わたしは元々死んでた者……存在してはいけない者……)

「何言ってるの! ベティは、わたしの大事な妹よ!」

 必死に叫び、光に近づこうとするミンティ。

(ダメ……力が抑えられない……)

 ビュルル!

「な、何……?」

 突如闇の中から、黒い触手が現れ、ミンティの手足に絡みつく。

 光はさらに小さくなり、今にも消え入りそうだった。

(ごめん……そろそろ……行くね……)

「待って! 行っちゃダメ!」

 触手を振りほどこうと、必死にもがき、光に手を伸ばす。

(……今まで、ありがとう……大好きだよ……おねーちゃん……)

 声が、途切れる。

「――べ……」

 ゆっくりと、光が消え――

「ベティーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 ミンティが叫んだ瞬間、

 パァァンッ!

 闇が、触手が、一気にはじけ飛ぶ!

 次に視界に飛び込んできたのは、気を失った少女の姿。

 しっかりと、少女の身体をその腕に抱いた。温もりはなく、冷たい。

 少女の足元に落ちているブラッディ・ルビーを拾い上げた。

「wu touei he aoerw di soe wu quoet xiuw……」

 目を閉じ、おもむろに呪文をつぶやく。ペンダントの紐が修復され、少女の胸元に戻る。

 ミンティの身体が青白く輝き、光の衣を纏う。流れる髪は銀髪に染まっていく。

 同時に、広がっていたベティの力が収縮し始めた。

 力の流れが逆流し、彼女の身体に吸収されていく。

 キィィィィィィン……

 左腕をまっすぐ伸ばすと、集められた力はミンティの力と混ざり合い、その手のひらに集中した。

「jtew gve rexw!」

 掛け声とともに、青白い炎が上がる。

 そして、そこに現れたのは蒼く輝く宝石――ティアーズ・サファイア。

 村まで迫っていた消去の力は全て、ミンティとティアーズ・サファイアに吸収されていった。

 ブラッディ・ルビーが赤く輝き、少女の身体をほのかに照らす。

 そして――

「……うぅ……」

 ベティの意識が戻った。おもむろに瞼が開かれていく。

 少女の瞳に映ったのは、黒髪の似合う、美しいミンティの姿。

 ミンティは、いつもの笑顔でベティを見つめ、優しく声をかける。

「お帰り、ベティ。もう、遠くに行っちゃダメだからね」

「……っ!」

 目が覚めると、いつも一人。いつもの映像。何度も繰り返された虚無。

 少女は死して終わらせるつもりだった。

 しかしそれは、生という違う形で終わりを告げたのだ。ミンティという女性の手によって。

「……っ、っ、っ、っ!」

 ベティは力いっぱい、ミンティを抱きしめ、力いっぱい、涙を流した。

 雲間から、一筋の光。まるで鍵を開けたかのように入り込む。

 星が輝き、月は柔らかい光をもって、抱き合う二人を照らしだしていた。

 それはまるで、天からの祝福を受けているかのようだった。


 数日後。

 センターシティ領主の命令で、村近辺が立ち入り禁止となり、村民は隣町に移り住むことになった。

 正式な公表はされていないが、村はほぼ壊滅状態らしい。

 幸い、イルザの活躍と第一騎士団の協力により、村民に一人としてけがはなく、全員無事に避難することができた。

 ミンティはベティを連れて隣町に来たが、すぐに高熱で倒れ、病院に入院している。

 トントンッ

「ミンティねーちゃん、入るよ~」

 軽く扉をたたき、イルザは病室の扉を開けた。

 清潔な病室に、ベットが一つ。その脇にはサイドテーブル。備え付けの椅子にベティが座っている。

 ミンティお手製のピンクのワンピースを身にまとい、その胸元には紅い宝石。

「イルザくん! いらっしゃい」

 明るい笑顔で、白いパジャマ姿のミンティがベットの中から出迎える。右手には蒼い宝石のついた指輪。

 その表情を見る限り、だいぶ良くなったようだった。

「はい、お見舞い。調子はどう?」

 近くの市場で買ってきたミカンを渡し、訊ねる。

「ありがとう。もう大丈夫」

 ニコっと笑い、ミンティ。

「そっか。よかったよかった……いやー、いきなり倒れるから、びっくりしたぜ~」

 あははっと笑いながらイルザは言う。

 あの後、イルザは隣町に向かわなかった。

 徐々に迫りくる力との距離を保ちつつ、近くでミンティを待っていたのだ。

「心配掛けて、ごめんね。あそこにイルザくんがいなかったら、行き倒れてたかもね」

 笑顔で言う。

「笑えないよ……本当に無茶するんだから。でも、なんで熱出たのかな? あ、ありがと」

 ベティが差し出したお茶を受け取るイルザ。相変わらず、ベティの表情は乏しい。

「多分……慣れてない力を、最大出力で一気に使ったからだと思う。準備運動しないでいきなり走って、足挫いたような感じかな?」

 ミカンの皮をむきながら、ミンティ。

「あー……あのさ、聞いてもいい?」

 イルザは遠慮がちに、口を開く。

「どうやって、ベティを助けたの?」

 実はミンティが倒れてから今まで、まともに話をすることができていなかった。

 だいぶ時間がたってしまっていたので、聞きづらかったのだ。

 ミンティはちょっと困った顔をして、

「うーんっとね、ちょっと説明しづらいんだけど……」

 ミカンを半分に割り、ベティに渡す。

「ベティの生命力が無くなりかけた時に……なんていうか、視えたというか、理解したというか……頭の中にね、精霊族の力の本質が溢れてきたの」

 ベティがミカンを一つ取って、うす皮ごと口にする。

「それで分かったのが、わたしの力は再生をもたらす力だってこと。ベティの消去する力を相殺するってことは、つまり逆なの。だからって、壊れた花瓶を元通りにしたり、死んだ人を生き返らせたりはできないけどね」

 精霊族は元々、自然のバランスを保つための存在。自然に反することは出来ないのだ。

 ミンティの再生をもたらす力とは、存在しようとする力、生きようとする力、新しく生まれる力を増幅させ、成長や回復を早める力のことである。

「でもその力をそのまま使えば、ベティの力を相殺してしまう……生命力そのものを相殺してしまうことになる。そうしたらベティは助からない。だから、わたしの力とベティの力を掛け合わせて、ティアーズ・サファイアを造ったの。それで、放出されたベティの力を一旦私の中に吸収して、二つの宝石をバイパスにしてベティに力を戻したったてわけ」

 右手のティアーズ・サファイアを見るミンティ。イルザもまじまじと見つめる。

「でもさ、ブライムが持ってたやつは壊れたんだろ? それは、なんで平気だったの?」

「多分……わたしの力が直接結晶になったから、じゃないかな? あの人が持ってたのは、精霊族から無理に引き出した涙を結晶化させたって言ってたから、精霊族の力を秘めていたけど弱かったのかもしれない」

 ミンティは、ミカンを一つ、口に運んだ。

「ふーん。ミンティねーちゃんって、すげーんだ」

「すごくないよ。あの時は無我夢中で……もう一度同じことしろって言われても、もうできないよ」

 苦笑して言うミンティ。

 実際、とっさに口走った呪文すら、もう記憶にない。力の流れる感覚は覚えているが、ベティを助ける方法を自ら計算したというより、本能で動いたに近い感覚だった。

「イルザくんは……怖くないの? わたしとベティのこと」

 急に問われ、イルザは以前ベティに対し、悪魔だと言ったことを思い出した。思わずベティを見る。

 ベティは無表情にイルザを見つめ返した。

「怖くない。前は、ベティのこと怖かったけど……今は、怖くない」

 少女が持つ力自体は、確かに恐ろしいものかもしれない。でも、今は少女自身がそれを制御でき、またミンティが側にいる限り、悪いことに使われる恐れはないのだ。

「精霊族だろうが、元人間だろうが、関係ない。二人とも、村の一員だよ! ……あの時、石投げたりしてごめんよ。もう、悪魔だって言わねーから」

 ちょっと照れたが、素直に謝る。

 ベティは立ち上がり、イルザに手を差し出した。

「……あり、がと」

 たどたどしく、言葉を紡ぐ。少し、微笑んでいるようにも見える。

 イルザははじめて、少女の感情を垣間見た気がした。

「よろしくな」

 しっかりと手を握り返し、笑顔を見せた。

 それを微笑ましく見守るミンティ。その表情はとてもうれしそうだった。

「二人は、これからどうするの?」

「村が復興するまでは、この町に住むつもり。ルドさんが、新しくお店を出すって言ってたから、そこでまた働かせてもらうわ」

「村……今、立ち入り禁止になってるけど、復興できるのかな……」

 寂しそうにイルザが言う。

「大丈夫。ベティの力を吸収する時に、わたしの力が村まで行き届いてるはずだから、戻れる日はそう遠くないわ。きっと今頃あの森も、大地に新しい芽が出来てるはず」

 自信満々に、ウィンクして見せる。

「みんなが復興を願えば願うほど、生きる力があればあるほど、わたしの力がそれを後押しして、活力が増幅されていくの。だから、大丈夫」

「そっか。そーだよね! 俺も、協力するよ!」

 パッとイルザの表情が明るくなる。

「あ、そうだ。ミンティねーちゃん、手、出して」

「え? なあに?」

 ポケットの中から、何かを取り出すイルザ。ミンティはミカンをサイドテーブルに置いて、素直に手を出す。

「俺からのプレゼント!」

 手を取って、パンッと大きな音を立ててミンティの手を両手で挟む。何かがつぶれる感覚と同時に赤い液体が溢れた。

「!」

「特製ケチャップ玉だよ」

 へへっと笑うと、ケチャップがついた手で素早くミンティの口をふさぐ。

「やっぱりイタズラはやめられないよな」

 満面の笑みを見せて、イルザは走って病室を出た。

「大変だ~! ミンティねーちゃんが血を吐いた~!」

「こ、こら!」

 すっかり油断していたミンティは、まんまとイタズラにはまってしまった。

 ベティは冷静に、ミンティのケチャップをふき取る。

 イルザの声を聞きつけた看護師が病室にやってきて、一瞬慌ただしくなった。

 イタズラ好きの彼を知らない町の人たちは、きっとこれから手を焼くことになるだろう。

 新しい町での生活の、幕が開いた瞬間であった。

 ベティとミンティ――消去と再生――

 磁石のS極とN極のように、相容れぬ者たち――

 しかし磁石は、二つの磁力が一つに存在している。それと同じように、二人も一緒にいられればいい。

 どちらかがいなくなる必要は決してなく、むしろ、どちらかが欠けてしまってはいけないのだ。

 二人がこれから奏でる不協和音は、新しい幸せの形として紡がれていくことだろう。




OUT of HARMONY  ――完――



OUT of HARMONY あとがき


 ワタシハ、ナニモノカ――。

 今まで抱いたことのない疑問。

 温かい風に、温かい手。

 優しい笑顔、優しい言葉。

 今まで感じたことのない想い。

 一緒にいたい。ただ、それだけ。

 ワタシハ、ナニモノカ――。

 ――人間じゃない――

 人間じゃ、ない?

 ――レイス、死んだ、娘――

 レイス……死んだ? じゃあなぜ生きているのだろう?

 いつもの光景。目が覚めると誰もいない。

 いや、今は誰かいる。でも、それはミンティではない。

 誰? 誰なの?

 急に、体中が熱くなった。

 頭の中を何かが這いずりまわるような、奇妙な感覚。

「――ア、ア……アアア――」

 魂ごと意識が引きずり出されるような違和感に、思わず呻く。

 首から下げたペンダントが赤い光を放ち、体内に渦巻く“力”が自分の意志に関係なく体外へ放出される。

 ぶうぅぅぅぅん!!!!!!!

「う、ぐ、うああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 音ともに聞こえたのは、一つの悲鳴。

 あぁ、そうだ。これはいつも通りだ。何度も見たことがある、いつもの映像。

 逃げようとしたり、殺そうとしたり、様々だったが、最終的にはいつもこうだった。

 そして、いつも、一人――。

「ふ、ふふふ……はははははは! すごい! これはすごいぞ!」

 飛び込んできた映像は、哄笑するブライムの姿。拘束されているミンティ。

 ……違う。

 いつもと、違う。

 ミンティと出会ったときとはまた別の違和感に、恐怖と怒りと戸惑いと悲しみとが一気に混ざり合う。

 ブライムの手首に、蒼い光。ティアーズ・サファイア。

 あれが、元凶……

(あの時よりも、威力が増している! 世界を確実に私のものにできるぞ!)

 禍々しい欲望が、脳裏に響いてくる。

 そして堤防が決壊するかのごとく、彼が知る全ての事象、事情、事件が一気に流れ込んだ。

 まるで、どす黒い濃密な毒に侵されていくように。

(あとは、あの女を始末するだけだな)

 それは、それは……だめ!

 まとわりつく網を払いのけるがごとく。

 必死に抵抗し、もがき、精一杯手を伸ばす!

 ひとしきり哄笑を終えると、ブライムはおもむろに背を向けた。

(精霊族など、滅んでしまえばいい)

 …だめ…

 届かない。でも、手を伸ばし続けた。

 剣を、構え――振りかぶる!

 …だめ……だめええええええええええええええええええええ!!!!!!!!

「――~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!」

「なっ……」

 声にならない声で、少女の叫びが轟く。

 強風が巻き起こり、立ち上がった少女の体がわずかに浮いた。見開いたその眼光はブライムを捕え、涙がまっすぐほほに線を描いている。

 突然の少女の変貌に、ブライムは動揺したが、すぐに平静を取り戻す。

「そんなに、この女が大事か。しかし、お前の力は私が握っているのだぞ?」

 蒼く輝く宝石を、少女に見せつける。

「――――っ!」

 がくんっと、少女の体制が崩れる。風もやや弱まった。

「悪あがきはよせ、レイス。大人しく、この女が殺されるのを見ていろ」

「――イ……ヤ……」

 蚊の鳴くような声で、少女。

 しかし、体中にブライムの意志が混ざりこんでくる。

「……イ……ヤ……」

 もう一度つぶやき、少女は、首のペンダントに手をかけた。

「まさか!」

 それを見たブライムは、今までになく慌てる。

「やめろ! やめるんだ!」

 少女に近づきつつ、宝石の力を強める。

「それを外したら……力が暴走するぞ!?」

 ティアーズ・サファイアを介し、それを阻止しようと試みるが、

「……イ!……ヤ!」

 彼の意志を拒むかのように、少女は手に力を込めた。

 ぶちぃっ!

 引きちぎって、手を離す。まるでスローモーションのように紅い石は落ちていき、音もなく地面に辿り着く。

 瞬間――

 少女を包み込んでいた風が止んだ、かと思うと――

 ド……ウゥゥゥンッッ!!!!!!

 ブラッディ・ルビーの制御から解放された少女の力が、一気に噴出した!

「ぬううっ…………ああああああああぁぁぁぁぁぁぁ……!」

「きゃあっ!」

 ラズルを飲み込んだ時の力とは比べものにならないほどの高圧力が広がり、ミンティのいるところまで及んだ。

 ブライムはティアーズ・サファイアの力でしばらく耐えていたが、その力の限界はあっという間に迎える。蒼い石にひびが入り、乾いた音を立てて粉々に砕け、彼の断末魔と共に、塵と消えた。

 しかしミンティは平気だった。彼女を縛り付けていたロープはボロボロと崩れ、力の風圧に悲鳴を上げたものの、自身に怪我はない。

「べ、ベティ……」

 ふらふらと、風に飛ばされそうになりながらも立ち上がるミンティ。縛られていた手首が痛む。

「ベティ!!」

 叫ぶが、反応はない。少女は白目をむいている。意識がないようだった。

 彼女の力はとどまることを知らず、岩や草木をみるみるうちに飲みこんでいく。

「……! いけない、村が!」

 その範囲は徐々に広がりつつあった。このままでは、村までも飲みこまれてしまう。

(――逃げて!)

「え?」

 突如頭の中に響く声。幻聴だろうか。

 思わず振り向き、ベティを見つめるが、先ほどとなんら変わりはない。

 しかし、ミンティにはそれがベティの声だと、はっきり分かった。

「……ベティ……」

(……、……、……、……――)

 少女の声なき声を聞き、ミンティの目から涙が落ちる。

「っ! ……分かった。待ってて。必ず助けるからね、ベティ」

 涙をぬぐうこともせずにそう言い、力を放出し続ける少女に背を向け、ミンティは村へと走り出した。


 ご……おぉぉぉぉぉん……!

 その音が響いてきた時、イルザは村の中心にいた。

「……! あそこは!」

 ミンティが身を潜めている場所あたりに、暗雲が立ち込め、風が集まり竜巻のようになっている。

 あの後、イルザは仲間の一人に発見され、助け出されていた。

 すぐに事情を説明して、他の仲間たちから村の人々へ非難するように促し、イルザはミンティがいる場所へ向かおうとしていた、まさにその時だった。

「ミンティねーちゃん……無事でいろよ」

 祈るようにつぶやき、イルザは森のへ向う。しかし、

「イルザ!」

 彼の背後から、一人の少年が声をかけてきた。仲間の一人である。

「どーした!」

 焦りが苛立ちに代わって思わず怒鳴ってしまう。

「あ、いや、村長が……お前も逃げろって……」

 まともにうろたえながら、少年が言う。

「……え?」

「イルザの両親も、心配してるって」

「……」

 親の事を言われ、思わず黙ってしまうイルザ。だが、すぐに首を振った。

「出来ねーよ。ミンティねーちゃんを見捨てるなんて……」

「で、でも……」

「村長には、もう逃げたみたいだって、伝えておいてくれ。分かったな」

 少年の言葉をさえぎり、背を向ける。

「お、俺も行くよ!」

「ダメだ。これは、俺とミンティねーちゃんとの約束なんだ。お前は逃げろ」

 言うなり、振り向きもせずイルザは走り出した。

 ――子供には何もできまい――

 ブライムの言葉が脳裏によぎる。

 確かにそうかもしれない。今、行ったところで、何ができるのだろうか。

 ミンティが無事だったとして、助け出せるのだろうか。

 あの風に巻き込まれ、命を落とすかもしれない。村長の言うとおり、逃げた方が正しいのか。

 それに、もしかしたらミンティはもう……。

「んなわけねぇ!」

 最悪の考えを消すかのように叫び、頭を振る。

「ん……?」

 村の外れまで来たところで、イルザは立ち止まった。

 人影が見える。あのシルエットは――

「ミ、ミンティねーちゃん……?」

 スカートは擦り切れ、白かったエプロンは薄汚れてしまっていたが、確かにミンティの姿だった。

「ミンティねーちゃん!!」

 イルザはたまらず駆け寄った。

「イルザくん……」

「よかった! よかったあ! ミンティねーちゃん!」

 ミンティに抱きつき、安堵した瞬間、涙がにじんだ。

「ごめんよ。俺、何にも出来なくて……」

「そんなことないよ。イルザくんも、無事でよかった」

 そっと、抱きしめるミンティ。その温もりを、ずっと感じていたかったが、そうも言ってられない。

 イルザはすぐに離れた。

「ミンティねーちゃん、やつらは?」

「うん、わたしのところに来たよ。でも、詳しく話してる暇はないの。急いで、村の人たちを避難させないと」

 ミンティは振り返り、風の渦を確認する。まだ、村に影響はなさそうだった。

「それなら大丈夫だよ。ブライムはこの村を消すつもりでいたんだ。だから俺、みんなに避難するように連絡しておいた。村長も、他の騎士団の人たちも協力してくれて、今頃隣町に向かってると思う」

 それを聞いて、ミンティは安堵した。少しだけ、肩の力が抜ける。

「よかった……。今、ベティの力が広がってて……イルザくんも、ここにいちゃ危ないよ。説明は後でするから、とりあえずここを離れよう」

「うん、分かった」

 素直に頷き、イルザはミンティの手を取って走り出した。


 造られた生のベティ。精霊族であったミンティ。

 ブラッディ・ルビーとティアーズ・サファイア。

 ブライムとラズルの死。

 暴走した力。

 ミンティは、あの場所で起こったことを、全てイルザに説明した。

 二人は見通しの良い、隣町につながる街道沿いの村の入り口付近にいた。

「隊長……死んじまったのか……」

 ブライムと手を組んでいたとはいえ、付き合いのあった人間が亡くなった事は、やはりショックであった。しかも、ミンティを助けようとしていた事は、驚きだった。

「俺……、ホント、役立たずだな……」

 あっさりブライムに伸されたことが、悔しいのだろう。まともに落ち込むイルザ。

「そんなことないって。あの騎士団の人に立ち向かうなんて、そうとう勇気がなきゃ出来ないことだよ。それに、村のみんなを助けてくれた。イルザくんがいなかったら、もっと大きな被害が出ていたかもしれないし。だから、そう思わないで、ね」

 優しいミンティの言葉。それだけで、イルザは癒されていくのを感じた。

「ありがと。……それで、ミンティねーちゃん、これから……どうするの?」

「……」

 問われて、ミンティは風の渦、ベティがいる方向を見つめる。少しずつ確実にその力は広がり、村に迫ってきていた。

「……あの時、ベティの声を聞いたの」

 見つめたまま、ゆっくりとミンティは語る。

「“逃げて”、“みんなと逃げて”って。そして、見えたの。ベティの生命力が、みるみる失われていくビジョンが……」

「え……」

 見ると、ミンティの瞳には涙。

「全部、分かったの。あの子は元々死んでいた。今生きているのは、あの力がその原動力になっているから。ブラッディ・ルビーは、力をコントロールしながら発動させる働きと共に、それが流れ出すぎないように蓋をする役割があったの」

 涙が流れ、ポタ、ポタ、とエプロンにシミを作る。

「ベティは、ブラッディ・ルビーを通じて、騎士団の人に操られるのを拒んで、自分で外した……力が暴走して、死んでしまうかもしれないと、分かっていて……私を助けるために……」

「じゃ、じゃあ、このままじゃ、ベティは……」

 イルザも、風の渦を見つめた。ここままでは、村は消えて、ベティは死んでしまう。

「もしそうなったら、あの風……力は、どうなるの? 消えるの? それとも……」

 消えずに拡大していったとしたら、被害はこの村だけでは済まない。

「……それは、分からないわ。でも、これ以上広がらないようにしなきゃ」

「どうやって……?」

 訪ねるイルザの目を見て、涙を携えたままミンティは微笑んだ。

「わたしの、精霊族の力を使って、ベティを助ける」

「あそこに戻るの?……危ないよ。ミンティねーちゃんも、死んじゃうかもしれないよ?」

 イルザは、ミンティの服をぎゅっと掴む。

「大丈夫。わたしはベティの力の影響を受けないの。だから、どんなにベティの力が増しても平気」

 嘘だった。ベティの力がどこまで強力なものかは計り知れないが、また同じように自分の力も把握していない。

 精霊族の力を秘めたティアーズ・サファイアは、ベティの力の前に砕け散ったのだ。もしかしたら、ミンティの力を超える可能性だってなくはない。

「だから、イルザくんはみんなの後を追って、逃げて。わたしは、ベティのところに行く」

 そっと、イルザの拳に手をかぶせて、服から離させる。

「……必ず、ベティを助けられる? 必ず、生きて帰ってくる?」

 泣きそうな目で、すがるようにイルザは訊ねた。

「……うん。ちゃんとベティを連れて、みんなの後を追うから。先に行って、待ってて。ね?」

 ぽんぽんっと、イルザの頭をなでた。そして、森だった場所を見すえ、歩き出す。

「信じてるからな! ミンティねーちゃんは、村の一員なんだから、必ず帰ってこいよ!」

 イルザの言葉に、再び涙腺が緩む。そう、この村の人たちはみんなそうだ。

 生きて戻って、ミンティが精霊族だと知られても、気にせず今まで通り受け入れてくれるだろう。

 よそ者で、出身も不明なミンティを温かく村に迎えてくれた、あの時のように。

「うん! 行ってきます!」

 いつもの笑顔で。いつも朝、出掛けるように。

 ミンティは村を後にし、ベティの元へ向かった――。



――続く――



OUT of HARMONY (12)