天空で昼食を -2ページ目

今年の備忘録(前半)

大変ご無沙汰です。4年ぶり?位。

老体にムチ打って、あい変わらず東京赤坂で仕事しております。

今年もいろんな所へ出かけました。

文章書くより今年行った色々な所を画像貼った方が早いかと。

★今年2023年スタートは明治神宮へ

★初春ー2月末は東伊豆~下田へ

桜と菜の花のマリアージュはやっぱり「河津」がベストと思った。

川奈のゴルフコース向こうに見える伊豆大島・・・郷愁キラキラ

★東伊豆から足伸ばして下田へ。了仙寺

★3月下旬は息子の誕生日。

T大大学院工学研究科で目下、修士論文とっくみ中?

母とお喋りタイムを無理矢理作らせましたウインク

 

★春らんまんの4月初旬、富士御室浅間神社は桜満開でした

★GWは九州へ。初・高千穂は神話の世界に入ってきた

★鹿児島の桜島。山が生きている。すごいパワーを感じます。

★初夏は上高地へ。雄大な穂高連峰。

★松本城にも。

★ご先祖様かしらん(ワタシの旧姓)

・・・秋以降の画像は次回にしますねパー

 

★「死を生きた人びと」で生を考えた

今年のマイベスト。小堀鷗一郎氏の「死を生きた人びと」(みすず書房)。著者は大学病院・国立医療機関に40年間外科医として勤務、定年後訪問診療医になりこれまでに355人の看取りを。

 

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 データや政令を引用し第三者として冷静沈着な語り口とともに患者と家族への情愛もよくわかるノンフィクション。2019年エッセイストクラブ受賞。

以下、一部紹介↓

【(P.95) この病院で回診を行って最も印象的だったのは、患者が「通常の会話」に飢えているということであった。彼らが病院内で病院関係者と交わす会話は、ほとんどすべてが彼らの病状に関する事項に限られているのである。】

【(P.97) 私がこの6年間で学んだことの一つは、その日の別れの握手をするときは、患者の手の甲を握ることであった。通常の握手では手を放してもらえず無理に振り放そうとすると噛みついて歯の力で引き留めようとする患者がいるからである】

 

読了して、色々考えました。

●『終わり良ければすべて良し』という諺があるけど、終末期医療は在宅か病院か。良しも悪しも正解もない。多くが人生最期は自宅で迎えたいと望む。では一方で、高齢の家族や大切な人が倒れた時に救急車を呼ばない選択が出来るか?の質問には黙り込みます。

 

●正解がないのなら「これが最善だった」と、「やるだけやった」と、せめて自分で思えることがあるべき医療「ケア」なのではないか。人の数だけ方法論はあるので、≪それできっといいんですよ≫と寄り添ってくれるかかりつけ医の重要性に気づきました。

 

●楽しいクリスマス&お正月も近いのに「死」に関する本など縁起でもない?いえいえ逆です。

この本を読んでつくづく「生」を考えました。生まれ方は選べないけど死に方は選べる。【あるべき死に方】とはつまり、【毎日の生き方】ということじゃないか。

家族や大切な人ひとりひとり、彼ららしく、彼ら以外にはありえなかった人生に応じた老年期を過ごすことが、彼らだけが迎える彼らのあるべき【死に方】になるんじゃないか、そう思いました。
 

●あと5年後、2025年には日本人の三分の一が65歳以上の高齢者になると。今こそ読みたい名著と思います。年末年始リストにぜひ加えては。

 

★森見登美彦「熱帯」を読んだ夜

いつか読もうと、ずっと本棚に入れっぱなしにしてた「熱帯」(森見登美彦著・文芸春秋)。昨日、朝9時から読み始め、途中外出などで中断しつつも夜11時50分に読了しました。全523頁。

 

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アマゾンの内容紹介↓

 

[ 汝にかかわりなきことを語るなかれ――。そんな謎めいた警句から始まる一冊の本『熱帯』。
この本に惹かれ、探し求める作家の森見登美彦氏はある日、奇妙な催し「沈黙読書会」でこの本の秘密を知る女性と出会う。そこで彼女が口にしたセリフ「この本を最後まで読んだ人間はいないんです」、この言葉の真意とは?
秘密を解き明かすべく集結した「学団」メンバーに神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」、鍵を握る飴色のカードボックスと「部屋の中の部屋」……。
幻の本をめぐる冒険はいつしか妄想の大海原を駆けめぐり、謎の源流へ!  ]

 

 この作品は今年1月に発表された第160回直木賞の最終候補です(受賞作品は真藤順丈の『宝島』:→右矢印こちらでレビュー書いた)。

 

 まず、昨夜の私にもの凄く響いたくだりがありました。

 

ようやく私は気づいたのである。(中略)そのとき湧き上がってきた感情は哀しみとも安堵ともつかないものだった。

失われた世界への哀惜と、新しく切り開かれていく世界への期待。

ただひとつ分かっていたことは、この世界も私自身も、二度と以前の姿に返ることはなく、ここから私の新しい生が始まるということだけであった』(p.521)

 

( ↑の文章が響いた理由は、とても個人的なことですがこのブログの最後に書きます。)

 

 著者の森見さんの作品は初めてでしたが、最初はまったくもう、私には読みにくくて作品中で語られる【この本を最後まで読んだ人はいないんです】に、私もその一人になるなと思いながら爆  笑。途中何度も放り投げそうになり。

 

 しかし読了できました!それは第四章「不可視の郡島」(p.260~)からの読ませるエネルギーが凄かったから。

物語を読む行為は【創造そのもの】なのだと、最後の頁を読んだ時に感じました。

 

 読後知ったのですが、著者の森見登美彦氏は、この『熱帯』を連載中、2011年に途中で中断したのだそうですね。第三章までで止まってしまった。

連載を抱えすぎて心身症になって書けなくなったと。

『熱帯』の中で語られる通りの【最後まで読めない幻の本】になりそうだったのです。

 

しかし彼は復活し書くことを再開した。復活が第四章からと知り、私が「作品のエネルギーが途中から変わったな」と感じたのも、私の気のせいでもないようです。

 

 アラビアン・ナイト「千一夜物語」を通奏低音に、京都や奈良や丸の内のビルや神保町の古本屋等で登場人物たちが語るマトリョーシカのような入れ子の物語。さらに海賊船や魔術の島、虎に変身する作家など、読んでいて量子力学的世界のような多次元宇宙に入り込んだようでした。

 沢山のレビューがこの作品についていますが【森見ワールド】を味わった読書時間でした。

 

★さて、個人的な話になりますが、

 昨日は赤坂ランチと紅葉写真を「お気楽」に投稿しましたが、私の親しい友人・身内には「それどころじゃないだろ!」とイラッとさせる記事かもしれません。

 エエ。私、ブログ記事は≪盛って≫ました。

 ほんとは、ずーっと、苦しくって辛くって、でも言葉に出すともっと重くなるから心に抱えて、表に出すのはキラキラ写真・文章だけにしてた。

 

★その結果、リア充ぱちぱち~キラキラで、私の身内には特に、テンション下げさせた投稿がいっぱいあったでしょうね。

 

★これからは、等身大の自分でいこうと。好きな事(読書レビューやアートレビュー、ワインとか)を、読んでる方にも参考になるように、他人の楽しみを増やせるような文章を書きたいなと思っています。

 ということで、アメブロからブログ移ることにしました。XサーバーというレンタルサーバーをインストールしたのでWord Pressにしてみようかなと。(テーマ等、これから決めます)

 

★昨夜読んだ「熱帯」から、ベストなタイミングで受け取ったことば。

 

失われた世界への哀惜と、新しく切り開かれていく世界への期待

 

この言葉、いつかこの記事を読むかもしれないあなたに、私からのメッセージです。

 

自分のことばかりだった私でごめんね。パラレルワールドで、あなたの力になれるよう頑張るよ。

 皆様読んで頂き、心からお礼です。有難うございました完了