【がんばろう東北!宮城!】
「食材王国みやぎ」復活を願いながら、
仙台で「災害ボランティア」と「農家の勉強」を続けます。
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2011年8月~11月、イタリアの農家さんのところに出向き
ファームステイ・アグリツーリズモを経験する予定です。
現地に行くまでに、イタリアの文化、食、農、言葉について
できるだけたくさん学んでおこうと思っており、
日々勉強中です。
このコーナーでは「イタリア料理」をテーマに
その起源やイタリアの食の考え方について勉強していきます。
第三回のテーマは
ココア(cioccolata)
cibo degli d`ei
(神様の召し上がりもの)
です。
(ネタ元→NHKラジオのイタリア語講座)
前回、「悪魔の飲み物」のコーヒーをご紹介しましたが、
一転、今回は「神様の召し上がりもの」。
なぜ、そう言われるのでしょうか?
ココアは南アメリカ原産で古代から栽培用植物として
利用されてきました。
マヤ、アステカなどの民族は、カカオを「神様の召し上がりもの」として
あがめていました。
ヨーロッパにもたらしたのはコロンブスだと言われています。
伝来の際、
この「神様の召し上がりもの」という呼び名をそのままギリシャ語に訳して
「テブロマ(theobroma)」という名称が学名に用いられることになりました。
the`os=神様
broma=食物
この考え方がそのままイタリアにも伝わったというわけです。
その高貴な名にふさわしく、
原産地のアメリカ大陸でも、伝来当初のヨーロッパでも
主に身分の高い人や富裕な人によって消費されました。
また飲み物としてだけでなく、料理にも使われることも多かったそうです。
ただし、ココアにも紆余曲折がありました。
おいしいものだっただけに敬遠された時代もありました。
1661年頃のフランス。
ルイ14世の妻がココアをフランスに紹介しようとしたところ、
フランスの貴族の中には激しく反対する人たちがいました。
ルイ15世の時代になると、その愛妄であるポンパドゥール夫人に
その愛欲をかきたてるため、ココアを基本とする食餌療法を実施しました。
しかし、結果は体重増加を引き起こしただけで、
結局彼女は「私的相談役」に格下げされてしまいました…
1823年のイタリア・ローマ。
サーラ枢機卿は、ローマ教皇選出会議の断食期間中に
たった一杯のココアを我慢することができなかったために
教皇の座を取り逃してしまいました…
ココアは、温かく人の心を癒してくれる飲み物。
ですが、甘い誘惑もつきまとう飲み物でもありますね。