横になりたい | ✴自殺したい気もちや生きにくさを、「生きる喜び」に変えていくために✴

✴自殺したい気もちや生きにくさを、「生きる喜び」に変えていくために✴

うつ病、統合失調症、起立性調節障害、対人恐怖症、等の体験の克服の過程で見つけた幸せと喜びをシェアします

 


私は、中学生の頃から、座っていることが困難になってしまいました。
いろいろな場所で横になりました。
学校の休み時間の教室のわきやろうか、大学の講義室の椅子を並べた上、飲食店の畳の部屋、病院の待合室。
家での勉強も、ベッドに横たわってやりました。ベッドのすぐわきの壁に裏紙をはってそこに書き物をしてやりました。


私は、どこでも横になりたがる、この体が嫌でした。


ただ、私は必死でした。
私自身、横になることを嫌っていたし、元気でシャキシャキしたい。
何よりとても目立ってしまうし、いくら横になりたいと言っても、恥ずかしい。
どうにか縦に保とうと頑張って、横になるのを我慢に我慢をして、でもどうしてもだめなのです。

周りの人は、とても不思議な目つきでいました
「怠けている」と怒ってくる人もいました。

悔しいことでした。
また、ばかにされていないだろうかという不安でいっぱいでした。

一体、この体のせいで、私はどれだけマイナスに思われて、嫌な思いをしてきたんだろ。

私だって好きで、横になっているんじゃない!!



   
   体はかしこいんですよ。

 体を信頼していいんだよ。


繰り返し言われるけれども、
いつまでたっても元気になれない、フニャフニャな
こんな体をどうやって信頼するというんだろ。

えーい、 わけがわからない!!



    ✴✴



ある日、私はただ、ぼんやりと横になっていました。

不思議とぼんやりしたいなぁ、と自然に思えました。

アレクサンダー教室に行くようになってから、
笑う量が増えました。
風に吹かれて、とても気もちよくすごせるようになりました。
今度は、ぼんやりすることもできるようになってきました。


しばらくしてから、

おなかのわきから、

「ねえ。ねえ、遊ぼう。」と声が聞こえてきました。

私でした。

はあ?と思いました。

なんでそんな言葉を言ったのか自分でもよくわかりません。

自分の体に向かって言っていたのです。

しかし、そのことを深く考えている暇は、一切ありませんでした。

瞬時のできごとでした。

体が「嬉しい!」と、
はっきり聞こえる声で言って、自動的に動いたのです。

ひざが動き出しました。

さらには足をバタバタさせることができました。

手首も手のひらも自由に動きました。

腕も回すことができました。




??何てことかしら!!
体はこんなに動けるんだ!!

私が声をかけたなら、体はあまりに身軽で、自由でした。


胴体は相変わらず、ベッドにへばりついたままでした。

でも、私は気づきました。


私が誰よりも一番、自分の体を見くだして、
怠け者で、使えない奴だと決めつけていたんだって。

もう、ずっとずっと「横になりたい」という声があったのに、私は全く聞こうともせず、それを許さないでいたんだってこと。





次の日も、またぼんやりして、体を横たえていました。

今度は

「休んでいいんだよ。」

とおなかのわきから声が出てきました。

また、なんでそんなこと言ったんだろう?と不思議に思いました。

しかし、言ったとたんすぐにまた、体は、迷うことなく一気に変わりました。

これまでにない深い深い、大きな呼吸を始めたのです。

意識しているつもりもないのに、大きな呼吸を勝手にしているのです。

自分で呼吸しているのに、自分でやっている呼吸とは思えませんでした。

私は、中学生の時から、夜、眠りたいのに、寝つけずに、困って薬を飲んでいました。

しかし、もう、この時ばかりは深い呼吸とともに、自然に眠くなり、ぐっすり寝ていたのでした。

次の日も、その次の日も、ずっとずっと、眠れるようになりました。

勝手に眠っていました。



「自分のできることからでいいんですよ」と先生が教えてくれました。

私のできること。

「横になりたい」という声を聞くこと。

それだけで、体は大喜びで応えてくれるようになりました。


私が、私の体と一緒にいれば、とてもとても平和でいられたんだ。
どうして、どうして、長い年月、これだけのことができないでいたんだろう。


休んでいいの。
もう、休んでいいの。


横になりたい体。

これまでは周りの目が一番気になっていることでした。
しかし、それは二の次でいいことでした。


そりゃ、誰でもがおかしいって思うでしょう。


でも私だけは私の体のそばにいられる。

もう、いいの。
もう、いいの。
いいの・・・。


繰り返し言っていた。


私はとても優しい気もちになりました。



私は「横になること」が

できるようになりました。