術前化学療法後の病理検査結果が芳しく
なかったために、
術前に効いたと体感したFECの2回追加
を希望し、
聖路加、
のセカンドオピニオンを受けたことは、
既に書きました。
FECの追加に諦めがつき(諦めをつけ)、
術前・術後の補助化学療法では、
バージェタの追加、カドサイラへの変更は
できないこともはっきりしました。
(残念ですが、諦めざるを得ず、、、)
がんセンターのセカンドオピニオンを
受けて教えていただいた後で調べた、
臨床試験の内容も、
当時、調べたメモが残っていますので、
書いておきます。
■APHINITY試験
Roche社が、検証的試験としてFDAに
提案したもの。
・HER2陽性早期乳癌患者 約4800人
・パージェタ+ハーセプチン+ドセ
(パージェタ群)
vs
プラセボ+ハーセプチン+ドセ
(プラセボ群)
※プラセボとは薬の振りした偽の薬もどき。
第3相ランダム化比較臨床試験は、
本物かプラセボか、
一方を患者に投与する、くじ引き試験。
・主要評価項目
浸潤性乳癌がない生存期間(IDFS)
(無再発期間)
・データは2016年に得られる見込み。
中外製薬のロードマップ(ネット検索)
によると、
2017年に申請予定。
この記事だけお読みになる方が
誤解をするといけないので
念のため補記します。
私がまだ使えなくて悔しい思いをした
▼術前化学療法のパージェタは
欧米から約5年のドラッグラグを経て
術後補助化学療法(こちらはドラッグラグは
約1年、劇的に短縮した)とともに、
昨年(2018年)、認可されました。
トリネガ向けアテゾリズマブ(テセントリク)
は、手術不能な局所進行(ステージ3B、3C)
も臨床試験対象に含まれ、認可されました。
私の5年前の残念だった思いは
昇華しました。
(私が今から再発転移リスク軽減のために
使えるわけじゃないですが、
同病、同ステージの後輩患者さんたちの
ために、そして医療の進歩が喜ばしく
嬉しく感じています。)
因みに
▼私が初期治療(術前化学療法)をした
2014年当時でも、
転移性乳癌(ステージ4)には
パージェタは認可されていました。
▼ステージ4でも寛解(根治かもしれない)例
が出始めていることは、
その後発信した記事で、
折に触れて挟んできました。
▼2019/9月のESMOでは、国内での
同様試験COMACHでも有効性が再確認
されたことが発表されました。
全員(ないし、ほとんどの)乳癌患者を
治せる治療は、
残念ながら、まだありません。
だから、医学界、医薬界が研究を進めて
下さっていて、
臨床試験の結果が出ると、
それを反映して
標準ガイドラインも進化するし、
新薬は保険診療として認可されていきます。
CLEOPATRA、COMACH、APHINITY
などの臨床試験結果から
HER2陽性では、
ステージ3(まで)
・術前化学療法
アンスラサイクリンおよび
ドセタキセル+ハーセプチン+パージェタ
⇒術後補助療法
ハーセプチン+パージェタ
ステージ4
・1stライン
ドセタキセル(6回まで)
+ハーセプチン+パージェタ
が現在のゴールドスタンダード
となっています。
※私は中外製薬の回し者ではありませんが
HER2タイプ
(トリネガ再発転移の可能性あり)
乳癌罹患者としてハーセプチンの
恩恵にあずかり、
パージェタ、アテゾリズマブを
次々開発し、治療を受けられるよう
認可申請、認可にこぎつけて下さった
ロシュ/中外製薬さんに感謝し、
今後の研究開発にも期待しています。
DS-8201の第一三共さんにも
期待しています。
(2019/11/2 紫字追記)