術後抗がん剤追加の是非 セカンドオピニオン1(よいお話が聞けました) | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

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HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

この記事を書いている2017年7月2日(日)、
これから、娘が所属してるボランティアオケ
の方の出演する、別のオケのコンサートを
聴きにお出かけ。
(娘は、選抜オケでお世話になった先生が
  指揮する、そちらのオケにも入団したい
  模様。居場所は色々あった方がいいね。)

ーーーーー
2年半前に、戻ります。

2015年2月20日(金) 
がん研有明のセカンドオピニオン

・友人Nも10年前に受けてよかったという、

・がん研有明のがん友ちゃんたちからも、
   「実は偉い先生なんだって後で知ったけど、
    腰が低くて、いい感じの先生だよ。」

・M病院の看護士さんたちも、「××先生なら
    安心ですね。本当にいい先生で、私も、
    尊敬している先生ですよ。」

急いでいたので、先生の指定をしたわけでは
なかったのですが、評判の良い、大先生の
セカンドオピニオンを入れていただけました。
(日時はピンポイント指定でしたが、
 無理無理、入れていただけたようです。
 感謝いたします。)

特に、
患者を何とかしてあげたい
という先生(医師)の想い
伝わってきて、
また、
諭された「大切なこと」が
医療への不信に陥りかけていた
私の心に響きました


術後、FEC2回追加の是非

    がん研有明でFEC2回追加できますか?

・最近、
  「FEC6回とAC4回で
   効果が変わらない、
   副作用(心毒性)は
  FEC6回の方が多かった
    という臨床試験結果が出て、
    がん研有明でも、AC4回に統一
    していこうという動きになっている。

FECとECで効果が変わらない
    という臨床試験結果もあり、
    5-FUも効果がないのではないか
    という動きになっている。

アンスラサイクリン系の
   心毒性は、蓄積されていく。
    抗がん剤をやめたからといって、
    戻るわけではない。

・システムが電子カルテになっているため、
    あらかじめ登録された治療しか出来ない、
    ということもある。
    過去に投与量を間違えて投与したミスが
    あり、病院として、システムで厳格に
    管理して、間違いが起きないような
    仕組みになっている。

・エビデンスの解釈は、T先生と私がいくら
    話をしても、平行線のままだろう。

個別のことは、言われる通り、あと2回
    やれば、癌が更に縮小したかもしれないし、
    それを否定するデータもないが、

    全体としてメリットがない人、
    デメリットがある人が出てくるかも
    しれないので、
    エビデンスに基づいて決められたものに、
    追加でするようなことは、通常しない。

医者は、みんな、
  効果がありそうなら、
  やってあげたいと思うんだよ。
    しかし、
    全体として、デメリット(副作用)のある
    人がいることも考えなくちゃいけない
    医師個人の裁量で出来ない仕組みに
    なっている。

・特に、
 術前・術後の補助化学療法
 標準化されており、
 決められた範囲の治療しか
 行わない。

 再発転移治療で、
 もう少し先に心毒性が出る
 どうかよりも、
 今、すぐ目の前の腫瘍を
 何とかしてあげなきゃいけない、
  それに対して他に手段がなく、
  効果が少しでも見込める、
  ということであれば、
  制限量を超えて使うこともある。

・主治医T先生も、転移後治療だったら、
   FECが効いたから使ってみよう、
   ということもあるんじゃないかな。


■代替策の有無
    
    ハーセプチンがそれほど効いたとも思え
    ないので、ハーセプチンに加えて、
    何かできるものはないですか?

Q:2012年版の「患者さんのための標準
    ガイドライン」に、
    「術前化学療法を行った後に、
     浸潤癌が消失しなかった方に対して、
     術後に化学療法を追加した方がよいか
     どうかを明らかにする臨床研究
     行われています。」
    とありますが、
    2014年版から削除されています。
    どういう臨床研究だったのでしょうか?
    削除されている、といつことは、
    結果が芳しくなかった、ということで
    しょうか?

A:ゼローダのことだと思う。
     結果は聞いていないので、知らない。
     カドサイラも試験中。

予防で使うか、再発転移後に使うか

Q:微小転移、小さいうちに、また、
      身体が元気なうちに使う方が、
      内臓に転移して身体が弱ってから使う
      より、いいと思うのですが。

A:癌そのもので弱るのは、
    本当の終末期だけ。
    それまでは、抗がん剤で弱っていく。
    なので、医師は、どこかで
    抗がん剤を止める。

■大切なこと
・忘れちゃいけない重要なことは、
   腫瘍縮小に、
  抗がん剤は手助けしただけ
  治したのは、
  あなた自身の身体、免疫力
   だということ。

・私(先生)のところにも、
   癌のことなど、全く知識もなく、
   抗がん剤も放射線も嫌だからやらない、
   来る度に、病気のことじゃなく、
   隣の家の人がどうの、という話しかしない
   再発転移患者さんがいるが、
   なぜだか分からないが、
   予想を超えて長期に生存している。
   正直、びっくりしている。

   何も治療しなくても、
  長期生存している
  再発転移患者さんが、
  なぜだか分からないが、
  何人もいる。


■私の転移リスクの見立て
リンパ節転移は、局所とも言えるが、
   遠隔転移の1つとも言える。
   そのリンパ節転移がpCR
  しているのは評価でき、
  遠隔転移にも効いている
  のではないか
   との見立てもできるのではないか。

・そんなに悲観的にならず、
   FEC(抗がん剤)の追加に拘らなくても、
   「しっかり治療したのだ」と
  自信を持って、
  おおらかに構えた方がよい
   のではないか。

Q:郭清したリンパ節の個数が4個と
   非常に少ないが、転移していたリンパ節を
   抗がん剤でやっつけた場合、
   元のリンパ節の組織もなくなるという
   ことでしょうか?

A:リンパ節というのは、このくらいの
   (指で大きさを示す)、豆粒みたいなもので
  転移していると、さらに硬いから、
  触れば絶対に分かる。
  取り漏れはないだろう。
  個人差はあるが、レベル1、2を取って
  4個ということはないだろう。
  (病理検査レポートを見ながら)
  抗がん剤で判別不可能な状態になった
  ということだろう。

Q:抗がん剤にやられて、4個しか
     残っていなかった、ということは、
    レベル3や胸骨傍まで転移が進行していた
    ことを考え合わせると、
    元々の転移数は10個以上あったと
    考えるのが妥当で、
    がん研有明のHPの「乳がんの治療を
    これから受ける方のために」掲載の
    チャートによれば、
    CAF6コース(FEC6コースと同等)
    とタキサンの治療になるケースですよね?

A:リンパ節の個数閾値で
   コースを分けるのも
   やめよう、という動き
     になっている。

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この記事だけお読みになる方が
誤解をするといけないので
念のため補記します。

全員(ないし、ほとんどの)乳癌患者を
治せる治療は、残念ながら、まだありません。
だから、医学界、医薬界が研究を進めて
下さっていて、
臨床試験の結果が出ると、それを反映して
標準ガイドラインも進化します。

▼pCRしたら予後がよいかどうかは
   やはりサブタイプによって異なり
   HER2陽性やトリネガでは
   pCRすれば予後がよい、
   とのメタ解析結果が
   2018年12月のサンアントニオで発表され
   ています。

    (私はサブタイプ別に臨床試験結果や
     論文を見ていたから、
     やっぱり、そっちの方が当たっていた)


▼さらに、2019年3月のザンクトガレンで
    HER2、トリネガは術前化学療法が
    より推奨され、
    pCRしなかった場合、
    HER2陽性の場合はカドサイラ
   トリネガの場合はゼローダの追加が
    (患者集団では)予後を改善する
    臨床試験結果に基づき、推奨される流れ
    になっています。


(2019/11/2 紫字追記)