術後病理検査結果 抗がん剤の敗北? 主治医との論争 | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

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HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

2015年1月30日(金)

術後の初診療。

患部に溜まった
廃液を注射器で抜く
という、
針・注射が超苦手な私にとっては、
ハードルが高い処置の日。

実は、患部(乳房切除跡)には
感覚がなかったので、
痛くなかったです。
(それでも怖い、私)

処置が終わったら、ホッとして、
帰ろうとしてしまいました。

T先生:
   座って。
   まだ、術後の病理検査結果を
   お話していない。

私:
   そうでした。
   すごく大切で気になっていたことなのに、
   注射針の恐怖、緊張で、
   すっかり頭から飛んでいました。


■術後病理検査結果

▼原発腫瘍遺残   
・化学療法効果判定:Grade 1b 
          (やや有効、中等度の効果)
・浸潤径:1.2cm
・乳管内進展:2.1cm
・脈管侵襲:高度  Ly(リンパ管)2、v(静脈)1
・HER2:2+
    (Fish法で陽性判定  シグナル比:2.3)
・ホルモン:非反応 ERゼロ、PgRゼロ
・悪性度: 高   (核異型度3、核分裂像2)

▼腋窩リンパ節転移   なし
・  転移数0/郭清数

私:
  皮膚浸潤はなかったですか?

T先生:
  なかった。

私:
  郭清したリンパ節の個数が
 異常に少ないですか? 
  通常、15~20個って書いてありましたが。

T先生:
  個人差があるから。
   しっかり取ってますよ。

      (この時点では、それ以上聞けず)

私:
   壊死はしてなくて、癌が残った
   脈管侵襲も高度ということは、
   リンパや血管に癌は垂れ流しだった
   ということで、遠隔転移の可能性が
   とっても高いですよね。
   術後に、FECを2回追加
  できませんか

T先生:
  できません。(キッパリ)
   術前化学療法で
   pCRしなかった場合に、術後に抗がん剤
  を追加して効果があった、という
 エビデンスはない

私:
  エビデンスがないことは構わないです。
  FECは、6回まで標準治療の範囲内
  ですよね。
  術前に言えばよかったですかね。
  壊死していることに期待などせず。

T先生:
   量を増やせばいいんじゃないかってのは、
   医者だって、まず考えることで、
   昔、大量の抗がん剤が投与された
   時代もあったけど、
   生存率が改善しなかった
   だから、今は、やらない。

   臨床試験結果に基づいたエビデンス
   で、 標準量が決まっている。
    
私:
   そもそも、臨床試験の母集団って、
   ステージや種類(サブタイプ)
  が混在しているので、

   ※ステージ3までの術後補助療法の
      集団は一括り

   その結果だけでは、
   参考にはなっても、
   それ以外はダメです、というほどの
   納得性はないですよね。
   人間の臨床試験では、救命措置
    (クロスオーバー、他の治療)もする
   現代医学が癌を克服できていない以上
   長期で見た時の生存率が変わらないのは
   当たり前のような気がするですが。

T先生:
   臨床試験結果のメタアナリシス
   標準治療が決まっている。

私:
   自分のステージやタイプと関係ないもの
   を含む結果を、メタアナリシスされたら、
   さらに、自分に当てはまるか懐疑的
   ですよね。

私:
   FECの間、腫瘤は縮小し続け、
   ドセ+ハーセプチンで縮小しなくなった
    のだから、結果論ではありますが
   FECを6回やっていれば
   pCRが得られたんじゃなか、
   と。
    投与量が足りなかった
    んじゃないかって思うんですが。

  HER2タイプに
  アンスラサイクリンが
  よく効くという説もありますよね?

T先生:
   投与量が足りなかった可能性も
   否定はしませんが、
   僕は、
  抗がん剤が効かないか、
  耐性を持った細胞が
  生き残った可能性の方が
  高いと思う。

    最近では、pCRしたら予後がよい、
    という説と異なる説も出ているし、
    pCRしても、転移する人もいる。

    癌細胞が1つでも残って、それが
    成長したら、転移するわけだから。

    がん幹細胞説もあるでしょ?

私:
   ? 何ですか?

T先生:
   女王蜂と働き蜂のような。
   活発に転移してくのが、働き蜂みたいな
   細胞で、働き蜂は抗がん剤でやっつけ
   られても、女王蜂は動かないから、
   抗がん剤にやられないで残る。

   根治術で取り除いたわけだから。

私:
   女王蜂から複製されて女王蜂になる細胞
   もありますよね?

T先生:
   そりゃ、あるでしょうね。

私:
   複製された女王蜂が、体内を巡っている
   可能性もありますよね?

T先生:
   あるかもしれないですね。
   HER2タイプには分子標的薬
   があるから。
    残り14回、ハーセプチン
    をやって、再発・転移率を下げる。
     
私:
   そのハーセプチン+ドセの効果が
    (腫瘍縮小という点では)
    出なかったんですが。
    ドセは 脱毛以外の副作用も出なかった
    ので、ドセが効かなかった可能性も
     大きいような気もしますが。
    
    どうしても、
   FEC2回追加する
   ことはできないですか?

T先生:
   気持ちは分かるけど、
   医師として、根拠のない
  治療はできない。
   (キッパリ)

私:
   患者が、自己責任で、
   どうしてもやりたい
   って言っても?

T先生:
  僕は、医師として、
  勧められない。
   セカンドオピニオンに
  行ってきたら?
   他院でやるという意見があれば、
   上に上げやすい。
   患者がやりたいって言ってるからって
   上に上げたら、馬鹿かって言われるだけ。
   僕は、医師として勧められないものを
   上げられない。

私:
   では、
  セカンドオピニオンに
  行ってきます。
   お勧めの病院はありますか?

T先生:
   がん研、がんセンター、聖路加、
   順天、女子医大、虎ノ門、都立駒込、、、
   中村先生の昭和大とか。

私:
   がん研有明、がんセンター、聖路加
   中村先生のところに行ってきます。

  (中村先生のセカンドオピニオンは、
    3か月待ちと分かったので断念)

T先生:
   放射線治療はどうしますか?

私:
   放射線は一回しかできないですよね?
   今すると転移後にできなくなりますか?
   今、やらない方がいいですか?

T:
   一回しかできないけれど、
   やるなら、今、やった方がいい。
   放射線は、○○さん(私)判断で、
   どちらでもいいですよ。

私:
   皮膚、腋窩リンパ節レベル3、
   胸骨傍リンパ節は手術で取ったわけじゃ
   ないので、勿論、やります。
   局所再発防止のために。

  (やらないという選択を、私がするとは
   思っていなかったでしょう>T先生口笛)

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この記事だけお読みになる方が
誤解をするといけないので
念のため補記します。

直後の記事を読み進めていただければ
お分かりになっていただけると思いますが

▼私の手術直前のサンアントニオで
  FEC6回がAC4回に優位性を示せず、
 アンスラサイクリンの心毒性の怖さを
 分かっているから、
 FEC6回をする医師はいないはず。
 術後のFEC追加は医師の選択として
 あり得ないはず。

▼pCRしたら予後がよいかどうかは
   やはりサブタイプによって異なり
   HER2陽性やトリネガでは
   pCRすれば予後がよい、
   とのメタ解析結果が
   2018年12月のサンアントニオで発表され
   ています。

    (私はサブタイプ別に臨床試験結果や
     論文を見ていたから、
     やっぱり、そっちの方が当たっていた)


▼さらに、2019年3月のザンクトガレンで
    HER2、トリネガは術前化学療法が
    より推奨され、
    pCRしなかった場合、
    HER2陽性の場合はカドサイラ、
   トリネガの場合はゼローダの追加が
    (患者集団では)予後を改善する
    臨床試験結果に基づき、推奨される流れ
    になっています。


(2019/11/2 紫字追記)