Yashica Sequelle(エクセル)の調査 | 見よう見まねのブログ

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前回2024-01-06付ブログ「Yashica Rapide(ラピード)」の後継機種、「Yashica Sequell(エクセル)」の調査結果です。
Rapideから1年後の1962年発売です。

■仕様


ハーフサイズ。レンズはYASHINON 28mm F2.8(3群4枚)。折りたたみ式透視型スポーツファインダー。
Seikosha-L(B,30〜250) LV式プログラム式シャッター、M & Xシンクロ接点。
露出はセレン式露出計(ASA 10~800)のLV指標を読み取り、レンズ側のLV値をセットする。

単3電池3本による電動式モーター巻き上げ。
但し、当時はアルカリ電池は無く、マンガン電池なので寿命が短く、巻き上げスピードも遅い(5秒で10枚)。

枚数計は逆算式で0になるとモーターがストップするので、解除ダイヤルがある(英日取説)。
価格は、本体15,800円+ケース1,000円+グリップ1,000円

Rapideとの類似点は、
(1)縦型ハーフサイズカメラ。但し、8ミリ撮影機のようにグリップを持って撮影する形態。
(2)スプロケットギアを使わない巻き上げ方式なので、コマ間隔が徐々に広がり36枚撮りで65枚しか撮影ができない。

■当時の広告、パンフ




■製造番号調査結果

Body#10,029〜14,356は製造番号の下に「MADE IN JAPAN」

Body#14,863〜21,265は製造番号の横に「JAPAN」
合計約12,000台(#10,001〜21,xxx)。


Lens#110,001〜121,815で合計約12,000本。Body#からの製造台数と一致。

但し、飛び番の#20,xxxもあり。理由不明。警察用もLens#が異なる(下記)。

■警察用Sequelleは45mm望遠レンズ付き

45mm F4.0付き。Body#19,xxx。Lens#630,xxx。SL付き。裏面にLV対応露出表があり。


45mm F4.5付き。Body#19,xxx。Lens#3xx,xxx。SL付き。裏面にLV対応露出表があり。

市販のSequelleには裏面にLV対応露出表が無い。

■Shutter Lock(SL)付きの製造番号
うっかりシャッターに触れてフィルムを無駄遣いする事故が多発し、後期はシャッターロック(Shutter Lock = SL)機構を追加した。

左:前期SL無し、右:後期SL付き

前期取説(SL無し)

後期取説(SL付き)

Body #の前期と後期でSL無し、SL付きに分かれると思っていましたが、100台余りの調査結果予想に反する結果に。
そこで、Lens#によるSL有無を確認結果、ほぼ前期はSL無し、後期はSL付きと判明しました。
どうやら、Body#とLens#は順番に組み立てられたのでは無さそうです。

 

Yashicaの製造番号は通常、年+月+連番ですが、Sequelleは連番なので製造年月が不明です。
カメラ雑誌の広告は1962年03月、紹介記事は1961年10月と1962年01月〜04月なので、1962年初頭の発売でしょう。
次機種Yashica 72Eが1962年12月に発売されていますので、Sequelleの製造期間は1年未満です。
生産台数が約12,000台なので、月産1,000台程度と販売が低迷したことを裏付けます。

■外箱(前期、後期)、取説(前期、後期)、グリップ

外箱(前期=SL無し)

外箱(後期=SL付き)

取説(前期=SL無し、後期=SL付き)

■JCII(The Japan Camera & Optical Instruments Inspection & Testing Institute)検査合格証



■最後に
ヤシカは1983年10月に京セラに吸収合併されました。
電動モーター式のハーフサイズカメラは、京セラが「Samurai」シリーズとして1987年に復活しているのも奇縁です。
しかしSamuraiも長続きせず、1989年を最後に市場から姿を消しました。

復活もラストサムライ討ち死にで