Yashica Rapideの調査 | 見よう見まねのブログ

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Yashica Rapide(ラピード)はOlympus Pen(1959)に遅れること2年、1961年02月発売のYashica初のハーフサイズカメラです。

通常、フィルム送りは横型が大半なのに、縦送りの珍しい縦型カメラです。

Yashica Rapide(1961)同様、Taron Chic(シーク、1961)、Yashica Sequellle(エクセル、1962)も縦型のハーフサイズカメラです。

■仕様
レンズはYASHICA Lens 28mm F2.8(3群4枚)。シャッターはCopal-SV(B, 1〜500)。シンクロ M & X。
非連動セレン式露出計内蔵。ASA 10〜800。ファインダーは逆ガリレイ透視式ブライトフレーム0.65倍。
寸法は50x131×68mm、535g。定価11,800円+ケース1,000円。

底部のレバーの革ストラップを引き、フィルム巻き上げとシャッターチャージも同時に行なう。
但し、スプロケットギア方式では無く、巻取りドラム方式なのでコマ間隔が徐々に広くなり、36枚撮りで72枚の撮影ができない。
この方式は次機種Sequelle(1962)にも受け継がれますが、それ以降は通常のスプロケットギア方式に変更されます。

■本体製造番号調査結果
Yashicaの製造番号は一部例外を除き、「年+月+連番」となっており、累計製造台数が把握困難です。
そこで、製造年月別(1961年01月=H101,xxxから、1962年02月=H202,xxx)の最大と最小番号を調査し、その結果が下記です。
但し、異なる製造番号体系もあり、それらを加え、累計37,000台の生産と推定されます。
ベストセラーのOlumpus PenやRicoh Auto Halfに比べ、一桁少なく、余り売れなかったようです。
1962年に次機種Sequlleが発売されており、1962年02月頃に製造終了した模様です。僅か1年で退場しました。

上記に加え、No.246,090,034〜No.246,100,033で約10,000台。H 6120240で約1,000台。
合計26,000+10,000+1,000=37,000台。


H1010196〜H2020825。1961年01月〜1962年02月製造造分。

以下は、製造番号体系が上記と異なるもの。理由は不明です。

No.246,090,034〜No.246,100,033で約10,000台。1960年09月製造?
H6120240は1961年12月製造?

■レンズの製造番号調査結果
5桁、6桁、7桁の3種類あり、いずれも頭は「6」なので1960年製造を示す?


5桁。61,064(取説)〜63,158。約2,000本

6桁。610,078〜634,774。約25,000本。

 

7桁Lens#は、飛び番となっています。

6,130,014〜6,136,056。約6,000本。

6,154,620〜6,156,421。約3,000本。

6,250,089〜6,250,942。約1,000本。
合計2,000+25,000+6,000+3,000+1,000=37,000本。Body#からの推定37,000台とほぼ一致。

■取説

日本語版表紙と裏表紙。

英語版表紙と裏表紙。

■最後に
Yashica Rapideはハーフサイズカメラの中でも特殊なデザイン(縦型、スプロケットギアを使わない巻き上げ方式)で、どう見てもOlympus PenやRicoh Auto Halfに比べ使い勝手が良くありません。

そのあたりが販売が低迷した要因でしょうか?
製造番号体系も一律では無く、製造管理上の混乱もあったようです。

最速で勝負かけるも露と消え