Canon DATEMATICのレンズ改造は、予想に反して最後の段階で難航しましたが、何とか完成に漕ぎ着けました。
Eマウントを直接接合する方法が楽ですが、それではメンテナンス性に欠け、接合部の段差が見苦しいです。
そこで、常套手段のフィルター枠経由リバースリングに取り付ける方法を取りました。
でも、フランジバックが結構短く、フィルター枠を半分程削り薄くし、しかも内径も削らないとレンズ鏡胴に嵌め込めません。
何とか作業を終え、Φ58mmフィルター枠をEマウント用リバースリングにねじ込み、無限遠を確認。
でも、レンズがガタガタです。何かに当たっています。
絞り操作レバー取り付け用ネジの頭が干渉していました。
ネジ穴を卓上ボール盤で座ぐり、ワッシャーも除去し、ネジ頭部が出ないように加工しました。
ところが、フィルター枠をレンズ後部と接合し無限遠を確認結果、焦点が合いません。
水平になるよう注意したのですが、フィルター枠の接合位置を間違えました。
そこで、フィルター枠を削り、無限遠を出そうとしたのですが、5m程度が限界でした。
折角ここまで来たのに、最後の詰めで失敗しました。
頭を冷やして打開策を検討結果、逆の発想で、レンズのねじ込み量を増やせば無限遠が調整できる筈です。
レンズ中央のフランジをヤスリで削り、少し奥までねじ込めるよう加工しました。これで、やっと無限遠が合いました。
ついでに、ヘリコイドグリスを交換。滑らかにレンズ操作ができるようになりました。
遮光対策として、穴の開いているレンズボードの赤丸2ケ所にプラ片を削ってはめ込み、接着剤で固定します。
リバースリングをねじ込み、完成です。
接合部とフィルター枠は黒で塗装しました。
最後の詰めで躓きましたが、何とか完成です。距離計は上部が絵文字、下部が数字なので、逆取り付けの方が良かったかな?
100円のジャンクカメラより、材料費(リバースリング、フィルター)の方がずっと高く、アンバランスな改造でした。
でも、またひとつ勉強しました。レンズ改造の奥は深いですね。。。
試写結果、Canon DATEMATIC 40mm F2.8(4群5枚)は明るさを欲張っていないので、絞り開放から鮮鋭な描写です。
絞ると更にコントラストが増します。44年も前(1974年発売)のレンズとしては優秀ですね。
合わぬなら削って嵌める無限遠