■はじめに
前回はNicca III-Lでしたが、今回は後継機種のYashica YF(Fair-Way)です。
マイナーチェンジ版ですが、その違いや製造時期、台数等について調べてみました。
■経緯
1959-03 米国フィラデルフィア展示会(Philadelphia Photo Show)で披露
1959-07〜09 量産(製造番号より判断)
1959-12 発売と言われますが、その根拠は今回確認できず。
1960-02〜 国内カメラ雑誌に新製品記事や広告掲載
1959年はNikon Fなど各社一眼レフが発売され、Yashicaも1960年にPentamaticを発売。
既に、レンジファインダー機の時代では無くなっています。
1960年のヤシカの広告にも、PantamaticとYFが同時掲載されています。(下記参照)
Yashica YFが短命に終わったのも、こうした市場環境の変化を反映したものです。
■仕様(Nicca III-Lとの相違)



トップカバーのデザインが変更。裏蓋は、Nicca III-L、Leica M3同様、上下開閉式でフィルム装着が容易。



Nicca III-LにあったASA感度表示板が、YFでは省略。


Nicca(前面)とYashica(上面)のダブルネーム。


ファインダーはIII-Lの等倍、ブライトフレームは50mm枠のみから、



YFは0.7倍になり、有効基線長が約46mmから約32mmに減少。
ブライトフレームは50 & 100mm用のパララックス自動補正。全視野35mmで、35mm広角レンズ使用に好都合。


一方、Leica M3の有効基線長は62.3mmで、YFは約半分。望遠レンズの測距精度が不足。


Nicca III-L(1958)とYashica YF(1959)を並べてみると、同じボディを流用しているのが明白です。




シャッターは相変わらず、高速(60-1000)と低速(1-30)の2ダイヤル式。最後までLeica M3の一軸不回転式を搭載できず。
XシンクロはNicca III-Lと同じ1/30。普及機、Nicca 33(1958)の1/60から後退。
■本体製造番号
約300台の製造番号調査結果、以下。約6,000台製造。

製造番号体系は、昭和年末尾+月+連番(Showa-Y+MM+xxxx)で、月産台数と総計台数が分かる。
1959-07〜09の僅か3ケ月間の製造。

取説掲載の#450003(S34 = 1959-05製造)は試作機と思われる。



1959(S34)-07製造は、#470037〜470961。1,000台製造。



1959(S34)-08製造は、#481004〜483000。2,000台製造。



1959(S34)-09製造は、#493007〜496256。2,500台製造。
■レンズ製造番号
約160本のレンズ製造番号調査結果、以下。約7,000本製造。本体より1,000本も多い。
本体と同じく、製造番号は西暦年+月+連番(YY+MM+xxxx)

製造期間は1959-05〜11。但し、8月と9月が無い。

取説には試作品と思われる、Yashinon 50/1.8 #910005が掲載。1959-01製造。


1959-05製造は、#5950017〜5952385。2,500本製造。


1959-06製造は、#5960228〜5960629。500本製造。


1959-07製造は、#5971235〜5973061。2,000本製造。


1959-10製造は、#59104714〜59106718。2,000本製造。


1959-11製造は、#59116788〜59116796。100本製造。


前期は、Yashinon 50/1.8。#5950017〜5972301。約4,000本。#59724xx前後で切り替え、
後期は、Super-Yashinon 50/1.8。#5972565〜59116796。約3,000本。
Yashikor 50/2も200本余りの少数あり。


#111005〜111216を確認。1961年1月 or 11月製造?
■外箱





型名表示は"YASHICA 35 YF NICCA"とダブルネーム。
■取説



日本語版(Yashica 35F)



英語版(Yashica 35YF)。印刷コードの"IF-K-5006"の意味不明なるも、"5”はS35(1960)年を意味?
■広告






1960年。YFは34,800円(ケース込)

左はYF(Fair-Way)とYE(35 E)、右はPentantamaticが同時掲載。





その後、YFは29,500円(ケース込)に値下げ。普及機YEの23,800円と僅か5,700円の差。




一方、Pantamatic(1960)は36,800円(ケース込)。
当初、FYはPentamaticとほぼ同価格だったが、販売低迷で在庫一掃の値下げ?




1960年米国Searsの広告。Nikon SPとYashica YFが同時掲載ですが、YF($159.95)はSP($375)に比べ半値以下。



他の広告では、YFは$149.95。
■最後に
Yashica YFはNiccaから続く、35mmレンジファインダー機の最終機種となりました。
既に一眼レフが主流の時代になり、旧型機種では生き残りが難しかったようです。
名前変え再起図るも叩き売り