■はじめに
今回は1957年発売の最高級機、Tanack SDです。
50/1.5レンズを標準装備した田中光学渾身の機種ですが、残念ながら営業的には大失敗でした。
生産台数は僅か500台に留まりました。
■仕様
外観はNikon S2に似ています。IVSまでの裏蓋左右開閉式から、Nikon S2と同じ裏蓋着脱式に変更。
巻き上げはレバー式、等々、前機種のTanack IVSから多くの変更点があります。
裏蓋開閉のデザインが変更。巻き上げ軸の頭に枚数計。
巻き戻しは背面の切り替えレバー(A or R)で、クランク式。フィルム種別表示板付き。
ファインダーは等倍でパララックス自動補正。但し、50mm枠のみ。シンクロ接点は左側面にあり。
シャッターは等倍系列で最高1/1000。但し、一軸不回転式では無く、旧式の高速低速の2ダイヤル式。
膜速が遅く、Xシンクロ1/30では1/1000の精度確保に疑問。IVSはX(1/25)ですが、最高速度は1/500。
クローム(8台)と黒(13台))の2種類あり。国内広告(下記参照)は全てクローム。国内と海外向けで区別?
■調査結果のまとめ(Body 21台、Lens 32本)
B#, L#から僅か約500台製造に留まる。高級機Tanack SDは営業的に完全に空振りですね。
■製造番号の事例
B#85732〜85875。B#85732(広告掲載)には田中光学(Tanaka Opt. Co., Ltd)の表示あり。
B#85924〜85987
B#86003〜86221。B#85732〜86221で約500台製造。
製造番号の開始がキリ番で無いのは以下の理由による。
(1)前機種IVSにの最終番号が、#78710だったので、SDの頭は"8"スタート。
(2)次の57は1957年製造を意味。
(3)広告掲載の#85732は、1957年製造の32番目。1〜32は試作機と推定。
■50mm F1.5レンズ
3群7枚のSonnar型。
レンズ製造番号の事例。F1.5レンズなので、製造番号の頭が”15”。
L#15002〜15430で約500本。Body台数と一致。
■日本語パンフ
表紙は英文ですが、中身は日本語。田中光学(Tanaka Optical Co., Ltd.)銘。
パララックス自動補正の写真あり。シャッターダイヤルはクローム。
裏表紙には、田中光学(川崎市登戸)とタナックカメラ(東京都中央区銀座)が併記。
広告の社名を時系列的に確認すると、
1954-12広告、田中光学(株)の本社は銀座、工場が川崎市。
1955-02広告、特約店3社(日東写真用品、竹本商会、中外写真商事)。
1955-10広告で、発売元が特約店から、"タナックカメラ(株)"に変更。この時点で販売会社の社名変更。
1956-11広告、"タナックカメラ(株)"。
以上から、製造が田中光学(川崎市)、販売がタナックカメラ(銀座)という使い分けでしょう。
■広告
1957年06月〜10月。50/1.5付き47,000円。
1958年06月。価格は同じ、47,000円。
結構多くの広告掲載にも拘らず、販売が低迷したのは何故でしょう?
価格に見合う仕様や品質では無かった?安いIVSの方が売れた?
■最後に
Tanack SDは前機種のIVSから大幅に改良され、より近代的になっていますが、市場には受け入れられず短命でした。
SDはSuper Deluxeの略でしょうか?結果的にSoon Deathになってしまいました。
渾身の高級志向空振りに












































































































































































































































































































































































































































































































































































































































