見よう見まねのブログ

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CameraやPCなど、見よう見まねの悪戦苦闘

■はじめに

2021-05-26付ブログの改訂版です。

Pax Ruby(1958)はPax M3(1957)の後継機種ですが、Mシリーズでは無くRubyと命名。

Pax M3の廉価版としての位置づけで、当時の価格競争を反映したもの。

価格はPax M3 12,500円に対し、RubyはF2.8付き9,000円、F2.8付き8,000円です。

Pax M3が販売不振だったので、低価格路線に転換したのですね。

でも翌年、Pax M4(1959)で高級路線に軌道修正。

 

■仕様

Luminor 45/2.8付き

Luminor 45/3.5付き

(1)連動距離計窓がPax M3に比べ、Pax Rubyは小さくなりました。

(2)レンズがLuminor 45/2.8からLuna 45/2.8と45/3.5に変更。

(3)Ruby以降Body#が無くなり、Lens#のみになった。

Olympus 35-SとPax Rubyの大きさ比較。Pax Seriesはボディが共通でOlympus PenやRollei 35並の大きさです。

 

■調査結果のまとめ

Ruby F2.8付き35台、F3.5付き13台と、OEM機26台の製造番号調査結果は下表のとおり。

OEMの後期は生産効率向上目的で、型名(Logo)を刻印(Stamp=ST)からラベルを張り替える方式(BK)に変更。

 

■Pax Rubyレンズ番号の事例

Luna 45/2.8。L#17535、L#81666、L#81722はいずれもマニュアル掲載分。

12〜13万台が今回未確認。

 

Luna 45/3.5。L#80279〜112478。9万台が今回未確認。

 

■OEM機の事例

Pax M3に続き、Rubyも米国OEM拡販を志向。いずれも大和光機工業の"y"マークあり。

★Konair Ruby

 

★Pal

 

★Pax Sunscope

 

★Rex

 

★Rex Kaysons

 

★Ricsor

 

★Rippa

 

■外箱、マニュアル

Pax Ruby                                                                            Rippa

 

■広告

1958年、F2.8付き9,000円、F3.5付き8,000円。

 

■最後に

Pax Ruby(1958)は起死回生策として、低価格のモデルチャンジですが、販売が思わしく無かったのか、

翌年(1959)Pax M4でブライトフレーム付き高級機と、距離計の無いPax Jr(1959)を併売し、両面作戦を展開しました。

しかし、技術力に勝る大手メーカとの競争に太刀打ちできず、EE機のPalmat Automatic(1962)を最後に姿を消します。

 

安物にルビーと名付け高級感

 

■はじめに

今回のPax M3(1957)は、前回2021-05-22付ブログの改定版です。

 

■仕様

Pax M2(1956)からの主な変更点は、

(1)ファインダーの大型化

(2)ノブ式からレバー巻上げに

(3)レンズがLuminor 45/3.5から45/2.8に少し明るくなった

(4)巻上げレバーのASA感度表示が変更

Pax M2                    Pax M3

 

■製造番号調査結果

173台の番号を確認結果、上記表のとおり。前半はPax M2と番号が被っています。

Pax 35〜Pax M3で約90,000台製造。

Pax M3まではEPマークあり。以降、Ruby(1958), M4(1959)は無し。

 

 

Pax M3とOEM機のLens #。

 

■Pax M3の製造番号の事例

B#23699はマニュアル掲載分でPrototype。B#57444以降が量産品。#61024もマニュアル掲載分。

 

■EPマーク(駐留米軍向け免税品)の事例

 

■原産地表示の有無

 

■Lunimor 45/2.8の事例

L#53075〜99356

 

■外箱

 

■保証書

 

■マニュアル

 

■広告

1957年、Pax M3は12,500円。

Pax 35(1952) 12,000円、Pax GV(1956)13,000円、Pax M2(1956)12,000円でした。

 

米国ではUS$63。

 

■Pax M3のOEM機、いずれも大和光機工業のロゴ(y)あり。

(1)Alpina M35

Luminor Anastigmat 45/28
 

(2)Atlas 35 Deluxe

Colour Luna 45/2.8

(3)Lycon M3

Lycon Anastigmat 45/2.8
 

(5)Skymaster

Luminor Anastigmat 45/2.8。

外箱とマニュアル

 

■最後に

Pax M3(1957)以降、大和光機工業は積極的に米国でのOEM販売を広げます。

大手に対抗し、中小メーカーが存続する為の販売戦略だったのでしょう。

しかし技術革新に遅れを取り、Canonet(1961)ショック以降、多くのカメラメーカが淘汰されます。

 

名前だけ同じで中身大違い

 

 

■はじめに

Pax M2については、2021-05-16付ブログで紹介済みですが、

今回追加調査結果を踏まえ、改定しました。

 

■調査結果のまとめ

179台の製造番号確認結果、以下のとおり。

Pax M2の前半はPax 35 & Golden View(GV)と、後半はPax M3と番号が被っています。

共通ボディで、ファインダー部が違うだけなので、並行生産が容易。

Pax 35, Pax GVが好評だったので、Pax M2発売後も継続生産されたのでしょう。

 

■外観

連動距離計が一眼式になり便利になりました。

でも、Barnack Leica風のデザインから普通のレンジファインダー機になり、魅力が薄れたと思います。

レンズはPax GVと同じLuminor 45/3.5で、シャッターも同じ(B,10-300)。巻上げノブにASA感度表示。

 

■製造番号の事例

B#27722はマニュアル掲載。番号が若いので、M2 Prototypeと思われる。

B#31548〜79461

 

■レンズ番号の事例

L#24806〜70413

 

■EPマークの事例(在日米軍向け免税品)

 

■Tele & Wide Converter

Tele & Wide共、距離の換算表がConverterについています。距離計連動できないのは不便ですね。

 

■外箱 & マニュアル

 

■広告

1956年、GVとM2が同時掲載。M2はPax 35と同じ12,000円。

米国広告。B#36015を掲載。US$42.95。

 

■最後に

Pax M2(1956)の後継機種Pax M3(1957)の登場で、僅か1年の命でした。

Pax 35(1952)は頻繁に構成部品を変更しましたが、Pax M2は仕様変更が無く生産が安定した証拠です。

 

型番もライカを真似て新発売

■はじめに

前回、2021-05-08付ブログで、Pax 35とGolden Viewを取り上げました。

今回、追加調査結果を踏まえ、アップデートしました。

 

■調査結果のまとめ

Pax 35 244台、Pax Golden View(GV) 61台の製造番号調査結果のまとめです。

GVはPax 35の後期に同じ番号帯域で製造。従って、総数は不明です。

また、後継機種のPax M2(下記)とPax 35の番号が被っています。その為、Pax 35の製造台数も不明。

同じボディを使い、ファイダー部だけを変えて、M2、M3、M4とモデルチェンジします。

 

■外観比較

裏蓋開閉方式は初期(レバー)とその後(円形ノブ)で異なります。

 

■レンズ

Majino 40/3.5                   Luminor 45/3.5

 

■シャッター

Silver-C(B,25-200)

YKK-C(B,25-200), YKK-C(B,25-150)

YKK-D(B,10-200), YKK-D(B,10-300)

 

■製造番号の事例

初期は2026-03-21付ブログも参照。

 

Pax 35

(1)Majino 40/3.5、Silver-C

B#3299〜3310

 

(2)Luminor 45/3.5、NKK-C(B,25-200)

B#3420〜3987

 

(3)Luminor 45/3.5、NKK-C(B,25-150)

B#5346〜14735

 

(4)Luminor 45/3.5、NKK-D(B,10-200)

B#14796〜21023

 

(5)Luminor 45/3.5、NKK-D(B,10-300)

B#21237〜51824

 

Pax GV

(6)Luminor 45/3.5、NKK-D(B,10-300)


B#27014〜28173

B#33032〜33727

B#58223〜58626、B#59962

 

■Luminor 45/3.5の製造番号

L#2711〜53106

 

■EPマークの事例

駐留米軍向け免税品にEPマークあり。

 

■外箱

 

■マニュアル

 

■広告

1952年、Pax 35、12,000円

1956年、Pax Golden View(GV) & M2。GV 13,000円。【注】写真はGVでは無くM2。

M2は12,000円でPax 35と同じ値段。

 

■最後に

Pax 35, Golden Viewは仕様や性能的には平凡ですが、Barnack Leica風のデザインと小型化で好評を博しました。

金メッキ版も登場し、その後もM2, M3, M4とシリーズ化されました。

でも、最後までマニュアル仕様で、露出計内蔵やAE(EE)化がされず、姿を消します。

Paxは小型化の弊害で、露出計やAE(EE)機構を組み込むスペースが無かったのが仇となりました。

大和光機工業の最後の活動は、1963年のフォトォナでの"ARTRONIC F ZOOM"試作機展示です。

何と、絞り優先AE、ズーム式一眼レフです。製品化されることなく、大和光機工業は姿を消します。

 

ライカ真似小型化過ぎて進化せず

■はじめに

Dan 35については、2021-05-04付ブログで紹介済ですが、

今回、Super Dan 35(ダン写真用品)からPax 35(大和光機工業=YKK)への変遷について調べてみました。

 

■外形比較(左がSuper Dan 35、右がPax 35初期)

Eria 40/3.5, Silver-C(B,25-200)、Majino 40/3.5, Silver-C(B,25-200)

【注】Eria 40/3.5はBolta版Minon 35と同じ。

型名とレンズ銘が異なるだけで、全く同じです。

Super Dan 35の製造元は大和光機工業(YKK)で間違い無いですね。

 

■製造番号の事例

(1)Super Dan 35

3000番台。"Dan Camera Works(ダンカメラ製作所)"となっていますが、大和光機工業(YKK)製です。

3100番台

3200〜3300番台

3400番台

3500番台。B#4983(何故か、これだけ番号が飛んでいる)

B#3057〜3507で約500台。(B#4983を除く)

Eria 40/3.5の番号は、L#3018〜3611で約600本。Body 500台より多い。

 

(2)Pax 35(初期)、B#3000番台の事例

B#3299、L#6557

B#3310、L#8733。Pax 35の極く初期はMajino 40/3.5を搭載。Silver-C(B,25-200)

B#3420、L#2711。B#3400番台以降は、Luminor 45/3.5、YKK-C(B,25-200)に変更。

焦点距離が40->45mmに5mm長くなったのは、イージサイクル確保の為?

B#3773、L#2862。

B#3299〜3987。Super Dan 35と3000番台の番号が被っている。どちらも3000番台スタートです。

発売時期がSuper Dan 35(1950)、Pax 35(1952)と2年違うのに、両者の製造番号が近似。

 

■最後に

Super Dan 35は儚くも消滅しましたが、Pax 35は大好評でした。

外観がLeica IIF風で、当時としては小型(Olympus PenやRollei 35並)で米国でも良く売れたようです。

後継機種は、Pax Gloden View、Pax M2、Pax M3、Pax M4等、Leicaを意識した型名です。

 

スーパーと名付けた割に薄命で

■はじめに

今回はLeotax倒産(1959-10)前の最後の機種、TV2(Merite)、T2L(Elite)と、倒産後発売のElite S2(1960)です。

前々機種(TV, T2)から型名を受け継ぎ(TV2, T2L)ましたが、改名し(Merite, Elite, Elite S2)更に値下げしました。

Leica型の旧式カメラでは一眼レフに太刀打ちできず、敢え無く敗滅しました。

 

■カメラ雑誌の広告(広告にみる国産カメラの歴史、P416)

1958-12  TV2

(未記載) T2L(製造番号調査結果から、恐らくTV2と同時発売)

1959-06  TV2をMeriteに、T2LをEliteに改名

1960-02  Elite S2, Merite, Elite。(倒産後の在庫販売)

wikiでは1958-11 TV2発売、1959-04 Merite, Eliteへの改名、となっていますが根拠(証拠)が不明確です。

広告から、1958-12 TV2/T2L発売、1959-06 Merite/Eliteへの改名が正しいのでは?

 

■諸元

(0)TV2試作機(Prototype)

B#000002。

Topcor-S 50/2では無く、Leonon 50/2付き。

シャッター、枚数計、ASA感度表示窓、等は製品と同じ。

 

(1)TV2, Merite

T(1/500)、V(Vorlaufwerk)でセルフタイマー付き。前機種、FV(1958)のシャッターを1/500に下げた機種。

シンクロ1/30で1/1000の精度は困難で、1/500が妥当です。

レンズもFVと同じ東京光学製Topcor-S 50/2を継続。

ファインダーはFV同様、近距離補正枠付きアルバダ式ブライトフレーム。

Leotaxは最後まで二眼式ファインダーで、一眼式になったのは悲運のLeotax Gだけです。

Leotax Gについては、2026-02-12付ブログ参照。

 

(2)T2L, Elite

TV2/Meriteからセルフタイマーを省き、レンズをLeotax 50/2にして値段を下げた。

 

(3)Elite S2

名前はEliteですが、ボディはTV2/Meriteで、レンズがLeotax-S 50/2。

 

■製造番号調査結果

444台の製造番号を確認結果、総数約16,000台製造。

Self Timer付き(TV2, Merite, Elite S2)とSelf Timer無し(T2L, Elite)はほぼ同数。

1959-06のMerite, Eliteへの改名はB#308,000以降。一部、TV2の在庫販売で外箱がMeriteの例あり。

1960年発売のElite S2は後期製造では無く、TV2/Meriteの在庫品にLeonon-Sをつけて発売したもの。

前機種FVが1958年製造開始なので、製造番号の頭が"8"でした。

番号重複を避ける為、S33(1958)年製造開始なので、頭が"3"になっています。

 

型名表示が無いので、以下で判別しました。

(1)外箱記載の型名

(2)保証書記載の型名、製造番号

(3)セルルタイマーの有無

(4)セルフタイマー付きで、レンズがLeonon-SならElite S2。

 

T2LはB#300151〜、TV2はB#300215〜で、同時期生産開始。B#315848が今回確認の最大番号。

B#300643、TV2。

B#301014、TV2。

B#302221、TV2。

B#302526、Elite S2(Leonon-S)。

B#302867、ボディと保証書はT2L、外箱はTV2と異なる。

B#302920、TV2の在庫販売で、外箱型名がMerite。

B#303112、TV2。

B#303933、TV2の在庫販売でMerite銘。

B#304424、Elite S2(Leonon-S)。

B#304778、TV2の在庫販売で外箱がMerite。

B#305422、T2L。

B#305723、TV2。

B#305899、Elite S2(Leonon-S)

B#306284、Elite S2(Leonon-S)

B#306498、TV2。

B#306677、Elite S2(Leonon-S)。

B#306895、T2L。

B#307186、Elite S2(Leonon-S)

B#307399、Elite。

B#307545、Elite S2(Leonon-S)。

B#308053、Elite。型名がアルファベットなので輸出機。

B#309054、Merite。型名がカタカナなので国内向け。

B#309377、Elite。

B#309504、Merite。

B#310649、Elite S2(Leonon-S)

B#311080、Merite。

B#311131、Elite S2(Leonon-S)

B#311575、Elite。

B#311645、Elite S2(Leonon-S)。

B#311766、Merite。

B311872、Elite S2(Leonon-S)

B#311923、Elite S2(Leonon-S)

B#312275、Elite S2(Leonon-S)

B#312316、Elite S2(Leonon-S)

B#312473、Elite。

B#312741、Merite。

B#312785、Elite S2(Leonon-S)

B#312841、Elite。

B#313216、Elite。製造番号記載漏れ。

B#314154、Elite。

B#314992、Elite。

 

■外箱

デザインは共通で、型名印刷あり。底部にボディ#、レンズ#を記載。

TV2

T2L

Merite

Elite

Elite S2

 

■保証書

2種類の保証書(日、英)が箱に入っている。

 

日本語板

英文板

 

■取説

各機種共通。

 

■広告、パンフ

1959年03月。TV2 42,500円。

1959年07月。価格表示無し。Merite, Eliteに改名済み。

1959年12月。Merite 価格無し。Elite 24,800円(ケース込)。

1960年02月。Merite 33,000円。Elite 24,800円。Elite S2 27,400円。いずれもケース込。

TV2パンフ。42,500円。

Meriteパンフ。42,500円(ケース込)

Eliteパンフ。28,000円(T2Lと同じ)。その後、24,800円に値下げ。

Elite S2パンフ。26,000円を27,400円(ケース込)に印刷ミス訂正。

Eliteも併売で、24,800円(ケース込)。

 

■Leotaxの価格推移

50/2付き価格は、F(1954)からElite(1960)で半値になっており、Leotaxの苦境が窺えます。

 

■最後に

レオタックッスカメラ社は1959年10月に倒産しますが、暫くは在庫販売を続けていたようです。

1959年にはNikon Fなども発売され、完全に一眼レフの時代になりました。

かかる市場環境下、旧式Leica型カメラのLeotaxの滅亡も必然でした。

 

値段下げ最後の足掻き虚しけれ

 

■はじめに

今回はLeotax TVの上位機、Leotax FV(1958年)です。珍しく、型名表示があります。

Fなので1/1000、V(Vorlaufwerk)なのでセルフタイマー搭載。

Leotax初のレバー式巻上げ。Leica M3(1954年)に遅れること4年ですが、相変わらず高低速2ダイヤル式。

しかも、ファインダーと距離計が別々のままで、採光式の一眼ブライトフレーム化されていません。

基本性能は、シャッター速度がTV(1/500)からFV(1/1000)なっただけで、他は同じ。

 

■諸元

Leotax初のレバー式巻上げ。ファインダーは近距離補正枠付きアルバダ式ブライトフレーム。

レンズはTopcor-S 50/2でLeotax TVと同じ。

最高速度がTVの1/500からFVは1/1000になった。但し、Xシンクロは1/30のままなので、1/1000の精度は疑問。

裏蓋開閉文字はTV,T2,K3と同じ。ASA感度表示も同じ。

 

■製造番号調査結果

169台の製造番号を確認結果、約4,500台製造。余り売れなかった。

1958年製なので製造番号の頭が"8"。

 

■製造番号の事例

FVパンフには試作機と思われる、B#800001の写真が掲載。

製品版はB#800032〜804409。

 

■外箱

FVの標準レンズはTopcor 50/2。底部にBody#とLens#を記載。

 

■マニュアル

今回、未確認。

 

■広告、パンフ

1958年広告。46,500円。

パンフ。Topcor-S 50/2(4群6枚)付き46,500円。(TVは42,500円だった)

標準レンズはTopcor-S 50/2、Fujinon L 50/2、Topcor 50/2.8、Fujinon L 50/2.8。価格表示無し。

交換レンズは、Topcor 35/2.8 20,000円、Topcor 90/3.5 16,000円。いずれもファインダー付き。

 

■最後に

Leotax DIV以降型名表示が無くなり、唯一FVだけが型名表示した珍しい機種です。

Leotax FVはTVの上位機種ですが、シャッター速度1/1000の違いだけで価格は1割アップ(42,500-->46,500円)。

これでは余り売れませんね。そもそもXシンクロ1/30で1/1000の精度を出すのは困難だったのでは?

FV以降、Leotaxは低価格化の機種を次々投入しますが、旧式Leica型カメラの最後のあがきです。

 

少しだけ早いだけで値上げして

■はじめに

今回は1958年発売の、Leotax TV, T2, K3です。

共通ボディで型名表示が無いので、セルフターマー有無、シャッター速度、標準レンズの違いでなど見分けます。

前シリーズのF, T, Kのマイナーチャンジ版ですが、シャッター速度が倍数系列になりました。

 

■諸元

Leotax TV。Tは1/500。Vは(Vorlaufwerk)はセルフタイマー付き。

シンクロ(FP/X)自動切り替え。視野率90%のブライトフレーム付き。

裏蓋開閉文字はTV,T2,K3共通で、open-lock、Japan。巻上げノブも共通で、ASA感度表示。

Topcor-S 50/2(4群6枚)付き42,500円。(下記参照)

Leotax T2。TVからセルフタイマーを省いた。シャッター他はTVと同じ。

Fujinon L 50/2付き39,500円、Fujinon L 50/2.8付き34,500円。

Leitax K3。簡易版で、シャッターが、B,8〜500。セルフタイマー無し。

Fujinon L 50/2.8付き29,500円。

 

■発売日

Leotax TVの発売日は、Wikiで1957年11月となっていますが、1958年1月の間違いです。

広告にみる国産カメラの歴史(P416)によると以下です。

 

■製造番号調査結果

 

TV, K3 187台調査結果、合9,000台。T2 110台調査結果、合計4,500台。TV,T2,K3総計13,500台。

前シリーズのF,T,K総計台52,000から1/3以下になっています。

TVは1957年製造開始なので、製造番号の頭が"57"。K3も同じ番号体系。

T2は1958(S33)年製造開始なので、製造番号の頭が"33"。

型名を表示せず、製造番号の体系で区別する生産管理方法は疑問ですね。

ユーザが型名判別するのに苦労します。

 

■外箱(型名表示あり)

(1)TV用

 

(2)T2用

 

(3)K3用

 

■マニュアル

TV & T2用      K3用

 

■広告

1958年、TV広告 & パンフ。Topcor-s 50/2付き42,500円。

 

1958年、T2広告 & パンフ。Fujinon L 50/2付き39,500円。Fujinon L 50/2.8付き34,500円。

 

1959年、K3広告。Fujinon L 50/2.8付き29,500円。

 

■最後に

Leotax TV, T2, K3を発売した1958年は、既に一眼レフが台頭してきた時期です。

旧式のLeica型カメラに固執したLeotaxは、低価格機を次々市場投入しますが、次第にジリ貧となって行きます。

 

少しだけ変えただけではジリ貧に

■はじめに

今回はLeotax F(1954)と姉妹機、Leotax T(1955)、Leotax K(1955)です。

共通ボディで、シャッターの違いだけです。

名前の由来は多分、

1/1000搭載でFastなので、"F"

S(1/500)の後継機なので、"T"。

簡易版なので、"K"。

 

■諸元

Leotax Fは初めてダイキャストボディ採用で、精度と信頼性が向上しました。

最高速度もLeotax初の1/1000。但し、幕速が遅い(シンクロ 1/25)ので精度確保が困難。

せめて1/60以上でないと1/1000の精度は保てない。

前面のレバーはセルフタイマーでは無く、シンクロ(F/X)切り替えレバー。接点は背面、ファインダー横。

裏蓋開閉文字はF,T,K共通。

レンズは、(1)Topcor 50/1.5、(2)Hexanon 50/1.9、(3)Topcor 50/2.0、(4)Topcor 50/3.5、(5)Hexar 50/3.5。

Leotax Tは上記を反映し、最高速度が従来通りの1/500。Fのロット落ち品を活用した模様。

レンズは、(1)Hexanon 50/1.9、(2)沈胴Hexar 50/3.5。

Leotax Kは更に低速も省略した廉価版。固定鏡筒Topcor 50/3.5付き。

 

■価格表

1955年にSimlar-->Topcorに型名変更。F1.5付き65,000円。F3.5付き38,500円。

 

1956年の価格は、

F型 65,000円(Topcor F1.5)、52,000円(Hexanon F1.9)、48,500円(Topcor F2)

T型 35,000円(Hexanon F1.9)、K型 26,000円(Topcor F3.5)

 

1956年頃の価格は、Topcor F1.5が無くなった。

F型 52,000円(Topcor F2)、52,000円(Hexanon F1.9)、38,000円(Topcor F3.5)

T型 47,000円(Hexanon F1.9)、35,000円(Hexar F3.5)

K型 26,000円(Topcor F3.5)

交換レンズの価格は、

Topcor 35/2.8 21,000円、Topcor 90/3.5 17,000円、Topcor 135/3.5 37,000円

 

■調査結果のまとめ

Leotax F & T: 374台調査結果、総計29,000台製造。
Leotax K:124台調査結果、総計23,000台製造。F/T/K総計52,000台。
Leotax Fは1954年発売なので、製造番号の頭が"54"。

Leotax Tは1955年発売ですが、Fと同じ番号体系。

Leotax Kは1955年発売なので、製造番号の頭が"55"。

Leotax S以来、製造番号の頭は年号(西暦 or 昭和)です。

1956(S31)年11月、昭和光学精機(Showa Optical Works Ltd.)からレオタックスカメラ(Leotax Camera)に社名変更。

これに伴い、製造番号の頭が"25"に変更された。

フィルム感度表示(Film Indicator)が混在があるも、初期は"ASA"、中期は"赤黒"、後期は"黒"と変遷。(下記参照)

 

■Leotax F & Tの製造番号事例

(1)前期(B#540001〜)

B#540054〜545088は、Film Indicatorが"ASA"

B#542379〜556403は、Film Indicatorが"赤黒"

 

(2)後期(B#25001〜)

B#250067〜250700は、Film Indicatorが"赤黒"

B#25000〜261680は、Film Indicatorが"黒"

 

■Leotax Kの製造番号事例

(1)前期(B#55001〜)

B#55085〜55209は、Film Indicatorが"ASA"

B#55080〜61654は、Film Indicatorが"赤黒"

(2)後期(B#25001〜)


B#25114〜30789は、Film Indicatorが"黒"

 

■外箱

(1)前期

Leotax F

Leotax T

Leotax K

 

(2)後期

Leotax F

Leotax T

Leotax K

 

■マニュアル

Leotax F(英文)

Leotax F(日本語)

Leotax T(日本語)

Leotax K(日本語)

Leotx F,T,K共通カタログ

 

保証書

Leotax F(英文)

Leotax T(英文)

Leotax T(日本語)

 

■広告事例

1955年(Leotax F)

1956年(Leitax F)

1956年(Leotax F,T,K)

 

■最後に

1954年発売のLeotax F,T,Kシリーズは性能も信頼性も向上し、総計52,00台のベストセラーになりました。

その後、安価なモデルを次々市場投入するも、台頭する一眼レフに押され、次第にジリ貧になって行きます。

 

一眼に押され衰退世の習い

■はじめに

今回はLeotax DIVの後継機、Leotax S(1953年)です。

DVでは無く、シンクロ(Synchronize)接点追加されたので"S"と命名。基本仕様はDIVと同じです。

翌1954年にはLeotax Fが発売され、短命に終わりました。

 

■発売時期について

wikiでは1952年12月発売となっていますが、これは間違いです。その根拠は、

(1)製造番号の頭が"28"で、S28 = 1953年製造開始を意味。

(2)「広告にみる国産カメラの歴史」P373の記述によると、

    1953年3月〜カメラ雑誌の広告掲載開始

    1953年4月〜同上、新製品紹介記事

wikiやAIは便利ですが、間違いもあり、根拠・証拠を確認する必要がありすね。

 

■諸元

外観は前面のシンクロ接点以外、DIVと同じ。

シャッターダイヤルは高低速2ダイヤル式。

標準レンズは、東京光学製Simlar 50/1.5 or 50/3.5。

 

■調査結果のまとめ

90台の製造番号確認結果、約3,000台製造。裏蓋開閉文字の変遷あり。(下記参照)

 

■製造番号の事例

 

■裏蓋開閉文字

B#29731までは全て"open/lock"。

B#29748以降は"Made in Japan"が追加されたのもが混在。多分これらは、輸出品でしょう。

米軍向け”EP"表示の事例。1948〜1955年にかけ米軍PX売店(日本並びに海外)向け製品に表示。

これにより免税品扱いとなる。

以前は"CPO(シーピーオー)"表示だった。2026-02-27付けLeotax DIII Bold、ブログ参照。

 

■外箱、マニュアル

マニュアルはDIVと共用。

 

■広告

1953年。Simlar 50/1.5付き68,250円、 Simlar 50/3.5付き38,500円。

 

1954年。

 

■最後に

Leotax Sはシンクロ(Synchro)付きなので、"S"の型名ですが、短命に終わったShort Reliefの"S"でもあります。

Leotaxは頻繁にモデルチェンジを繰り返し市場投入しますが、Leotax Gを除きLeica III型の改良に留まりました。

世の中が一眼レフの時代になっても、旧式のLeica型カメラに固執したのが、1959年の倒産に繋がります。

 

シンクロをつけて便利にリユーアル