■はじめに
今回はLeotax倒産(1959-10)前の最後の機種、TV2(Merite)、T2L(Elite)と、倒産後発売のElite S2(1960)です。
前々機種(TV, T2)から型名を受け継ぎ(TV2, T2L)ましたが、改名し(Merite, Elite, Elite S2)更に値下げしました。
Leica型の旧式カメラでは一眼レフに太刀打ちできず、敢え無く敗滅しました。
■カメラ雑誌の広告(広告にみる国産カメラの歴史、P416)
1958-12 TV2
(未記載) T2L(製造番号調査結果から、恐らくTV2と同時発売)
1959-06 TV2をMeriteに、T2LをEliteに改名
1960-02 Elite S2, Merite, Elite。(倒産後の在庫販売)
wikiでは1958-11 TV2発売、1959-04 Merite, Eliteへの改名、となっていますが根拠(証拠)が不明確です。
広告から、1958-12 TV2/T2L発売、1959-06 Merite/Eliteへの改名が正しいのでは?
■諸元
(0)TV2試作機(Prototype)



B#000002。



Topcor-S 50/2では無く、Leonon 50/2付き。



シャッター、枚数計、ASA感度表示窓、等は製品と同じ。
(1)TV2, Merite








T(1/500)、V(Vorlaufwerk)でセルフタイマー付き。前機種、FV(1958)のシャッターを1/500に下げた機種。
シンクロ1/30で1/1000の精度は困難で、1/500が妥当です。
レンズもFVと同じ東京光学製Topcor-S 50/2を継続。
ファインダーはFV同様、近距離補正枠付きアルバダ式ブライトフレーム。
Leotaxは最後まで二眼式ファインダーで、一眼式になったのは悲運のLeotax Gだけです。
Leotax Gについては、2026-02-12付ブログ参照。
(2)T2L, Elite




TV2/Meriteからセルフタイマーを省き、レンズをLeotax 50/2にして値段を下げた。
(3)Elite S2


名前はEliteですが、ボディはTV2/Meriteで、レンズがLeotax-S 50/2。
■製造番号調査結果

444台の製造番号を確認結果、総数約16,000台製造。
Self Timer付き(TV2, Merite, Elite S2)とSelf Timer無し(T2L, Elite)はほぼ同数。
1959-06のMerite, Eliteへの改名はB#308,000以降。一部、TV2の在庫販売で外箱がMeriteの例あり。
1960年発売のElite S2は後期製造では無く、TV2/Meriteの在庫品にLeonon-Sをつけて発売したもの。
前機種FVが1958年製造開始なので、製造番号の頭が"8"でした。
番号重複を避ける為、S33(1958)年製造開始なので、頭が"3"になっています。
型名表示が無いので、以下で判別しました。
(1)外箱記載の型名
(2)保証書記載の型名、製造番号
(3)セルルタイマーの有無
(4)セルフタイマー付きで、レンズがLeonon-SならElite S2。



T2LはB#300151〜、TV2はB#300215〜で、同時期生産開始。B#315848が今回確認の最大番号。


B#300643、TV2。


B#301014、TV2。


B#302221、TV2。


B#302526、Elite S2(Leonon-S)。




B#302867、ボディと保証書はT2L、外箱はTV2と異なる。



B#302920、TV2の在庫販売で、外箱型名がMerite。



B#303112、TV2。



B#303933、TV2の在庫販売でMerite銘。


B#304424、Elite S2(Leonon-S)。


B#304778、TV2の在庫販売で外箱がMerite。


B#305422、T2L。


B#305723、TV2。


B#305899、Elite S2(Leonon-S)


B#306284、Elite S2(Leonon-S)


B#306498、TV2。





B#306677、Elite S2(Leonon-S)。


B#306895、T2L。


B#307186、Elite S2(Leonon-S)



B#307399、Elite。


B#307545、Elite S2(Leonon-S)。



B#308053、Elite。型名がアルファベットなので輸出機。


B#309054、Merite。型名がカタカナなので国内向け。


B#309377、Elite。



B#309504、Merite。


B#310649、Elite S2(Leonon-S)



B#311080、Merite。


B#311131、Elite S2(Leonon-S)


B#311575、Elite。


B#311645、Elite S2(Leonon-S)。



B#311766、Merite。


B311872、Elite S2(Leonon-S)


B#311923、Elite S2(Leonon-S)


B#312275、Elite S2(Leonon-S)


B#312316、Elite S2(Leonon-S)


B#312473、Elite。



B#312741、Merite。


B#312785、Elite S2(Leonon-S)



B#312841、Elite。



B#313216、Elite。製造番号記載漏れ。



B#314154、Elite。


B#314992、Elite。
■外箱

デザインは共通で、型名印刷あり。底部にボディ#、レンズ#を記載。


TV2


T2L




Merite



Elite


Elite S2
■保証書


2種類の保証書(日、英)が箱に入っている。




日本語板




英文板
■取説


各機種共通。
■広告、パンフ


1959年03月。TV2 42,500円。



1959年07月。価格表示無し。Merite, Eliteに改名済み。



1959年12月。Merite 価格無し。Elite 24,800円(ケース込)。




1960年02月。Merite 33,000円。Elite 24,800円。Elite S2 27,400円。いずれもケース込。


TV2パンフ。42,500円。




Meriteパンフ。42,500円(ケース込)



Eliteパンフ。28,000円(T2Lと同じ)。その後、24,800円に値下げ。




Elite S2パンフ。26,000円を27,400円(ケース込)に印刷ミス訂正。
Eliteも併売で、24,800円(ケース込)。
■Leotaxの価格推移

50/2付き価格は、F(1954)からElite(1960)で半値になっており、Leotaxの苦境が窺えます。
■最後に
レオタックッスカメラ社は1959年10月に倒産しますが、暫くは在庫販売を続けていたようです。
1959年にはNikon Fなども発売され、完全に一眼レフの時代になりました。
かかる市場環境下、旧式Leica型カメラのLeotaxの滅亡も必然でした。
値段下げ最後の足掻き虚しけれ