図書館で平台に乗っかってたので借りてきました。
捨てないパン屋さん、ってどーいう意味??
一読してみて、なるほどなあ。。。ってすごく納得。
捨てないパン屋さんを目指して、世界中を旅して考えた老舗パン屋さんの3代目が
行きついた答えは「100年続くパン」を作ること。
早朝から深夜まで働いて、多くの従業員を雇って
何十種類ものパンを焼いても、
売れ残ったら廃棄処分しなくてはならない。
生まれ育った実家は「捨てるパン屋さん」だった。
こんなパン屋は、絶対に継ぎたくない!と強く思った。
もともと、我が国の主食はお米。
パンの文化が伝わり、普及し始めたのはせいぜい戦後からなのだから
ヨーロッパ諸国と較べて、その文化は浅くて当たり前。
甘くしたり、調理パンにしたり、色んなバリエーションは豊富な日本のパン、
本来の「主食としてのパン」とは、捉え方が大きく違っている。
酵母や乳酸菌発酵させた元来のパンは、焼きたてを食べるのではなく
何日も保存が可能だし、熟成させることでうまみ成分も加わってくる。
つまり、そのように作られたパンは売れ残っても
捨てる理由がないのですね。
高品質の小麦粉と、天然のルヴァン種を使い、選び抜かれた材料で
シンプルに作って焼きあげる。
たった4種類だけのハードパンしか作らないから
職人一人でも十分、仕事がまわっていく。
パンの「原価」って、材料費以上に人件費や光熱費などなどの諸経費割合が
多いのだわ~。
たぶん、こういうパンって
好みがはっきり分かれるのね。
苦手な人も多いんだろうれど、ここのパン屋さんはきっちりと
「このパンが好きで、いつも買いにきてくれるファンの方が
喜んで下さればいい!」と
割り切っていらっしゃる。
重くて具が入ってないパンを愛するお客さんは、きっとあまりたくさんじゃない。
だけど、そんな方だけに集中して応えるパン屋さん。
ヨーロッパで、長い年月の間育まれてきたパンの文化は
古い手法をずっと踏襲している。
クラシック音楽や古典、日本古来の伝統建築などと同じく、決して新しくはないけれど
どの時代にも受け入れられる普遍性を備えている。
古いものであっても、前に進んでいればいい。
新しさばかりを求めて続けていると、せっかく作った新しいモノも
あっという間に古くなる。
きりがないし、疲れてしまうよね。
売れ残ったら、すべて捨ててしまう。
世間一般で当たり前のように、毎日廃棄処分されている膨大な量の食べ物の
そのほとんどが、海外から輸入した「食糧」だと思うと
これからの将来、食料自給率が圧倒的に低い我が国は
トンデモナイことになってしまうんじゃないだろうか・・・
自分ちで、じっくり手を掛けてパンを焼く。
イースト菌で発酵させたパンは、天然酵母パンよりはふわっとして食べやすいです。
でも、実を言うと、がっつり重いハード系のカンパーニュとかすっごく好き
家で作ったパンだから、捨てることなく最後まで味わえる。
余分なものは極力足さずに、自分の身体が欲するものを
程よく食べたいなーーと、この年になってきて切に思うようになりました。
「捨てないパン屋」の本。
パンのお話だけでなく、暮らし方や仕事に対する姿勢なども
考えさせられることがたくさん書いてあります。
広島にお店があるそうな。お取り寄せも出来るのね。
行ってみたいわあー
http://derien.jp/ ブーランジェりー・ドリアン