安倍晋三元総理 逝去 | 宮沢たかひと Powered by Ameba

本日、安倍晋三元総理が撃たれ、亡くなられました。同じ年齢。ショックです。力が抜け、喪失感を感じています。

 

私の国会質問デビューは予算委員会で、安倍総理以下閣僚が相手でした。以下の長文は2013年3月12日に行われた予算委員会での安倍総理と私の初質疑の内容ですが、この質疑は私の人生の中で良い思い出であり、誇りです。野党の身でありながらなぜか安倍総理には敵対的になれず、後で先輩議員に「友好的過ぎる!」と怒られ、メディアには「ヨイショばかり。野党としての威信は無いの?」と新聞で皮肉られました。今思うと、尊敬していたからだと思います。予算委員会終了後、議員会館の自室で「もう思い残すことはない!死んでもいい!」と呟いたら、秘書達に笑われました。

 

心よりご冥福をお祈り致します。長い政治家人生、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました❗


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·    055 宮沢隆仁

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○宮沢(隆)委員 初めまして。日本維新の会、宮沢隆仁であります。  まずは、東日本大震災の犠牲者の皆様に哀悼の意を表明したいと思います。  まず、簡単に自己紹介をさせていただきます。  私は、三十年間、脳神経外科医として大学病院を中心に勤務しておりました。実は、私は高杉晋作の大ファンであります。安倍総理と同年齢の新人議員ではありますが、最も国民の意識に近い国会議員の一人として質問をさせていただきます。  まず、私が政治の世界に入って一番感じたのは、政治家の先生方は全体に元気で、非常に若く見えます。実は、長寿社会を自立しながら有意義に過ごす秘訣を、政治家の皆様が自然に身につけているように思います。  では、最初の質問です。  資料一にありますように、長野県は男女ともに長寿日本一であるという結果が報道されました。  安倍総理に伺います。これは、なぜだと思われますでしょうか。頭に浮かんだお答えで結構です。


  • 056 安倍晋三

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○安倍内閣総理大臣 今、国会議員は割と実年齢よりも若いという御指摘がありましたが、私もよく、直接会うと、若いですねと言われることが多いわけでございます。  そこで、長野県の方は、平均寿命もそうなんですが、一人当たりの医療費の支出においても、日本では最も少ない県であるということを承知しております。例えば、県民一人当たりの保健師さんの数は結構多いんだというふうに伺っておりまして、健康指導を随分入念にやっておられる。特に、高齢者に対して、訪問して、食生活あるいは行動においてのさまざまな指導をしておられることが、結果として、予防にもつながり、加齢によるさまざまな障害を防ぐことにつながっているのではないか。  同時に、長野県の方は、大変真面目に物事を論理立てて考えられる中において、入院をするよりも、できるだけ家で療養した方がいいという考え方も多いというふうに伺っております。  そうした県民のさまざまな対応の結果として健康寿命が長くなっているのではないか、このように推察をしております。


  • 057 宮沢隆仁

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○宮沢(隆)委員 ありがとうございました。ほぼ完璧なお答えでした。  すなわち、脳外科医の立場で申しますと、常に物事を深く考えて脳を使っていますと、心身ともに健康と若々しさを保つことができるのだと思います。これは、私が患者さんから得た教訓であります。つまり、一生仕事あるいは勉強しながら脳を使い続けていればいいのだと思います。これこそが、安倍総理、そして我が党代表橋下徹大阪市長が、自立の秘訣であり、政治家として、医師として、私が国民に最も訴えたいことであります。  ここで、私が、昨年十二月の衆議院選挙におきまして、長野県民の方々と接しながら頭に浮かんだ言葉を披露いたします。考動志民という言葉であります。これは、私の造語です。孔子とか、そういう偉い方々の言葉ではありません。すなわち、深く考えた上で決断し、素早く的確に行動し、志を持って前向きに生きる民ということです。  県民の自立を促すために、この言葉を地元において普及させていきたいと私は考えておりますが、僣越ながら、ぜひ全国の皆様にもこの言葉を伝えたいとも考えております。  安倍総理、この考動志民という言葉、どのような感想をお持ちでしょうか。


  • 058 安倍晋三

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○安倍内閣総理大臣 きょう初めてこの言葉を私も知ることとなったわけでありますが、考えて動く、そして志を持った市民、国民という意味なんだろうと思いますが、これはお世辞ではなくて、本当にいい言葉だな、こんなように思いました。こういう考え方でもって国民みんなが行動していくことはとても大切なんだなと。  改めて、きょうはこういう言葉を教えていただきまして、私も、これは機会があるごとに拳々服膺していきたい、このように思っております。


  • 059 宮沢隆仁

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○宮沢(隆)委員 過分なお言葉をいただき、ありがとうございます。非常にうれしいです。  こんな哲学的議論を吹っかけてしまって申しわけないんですが、ちょっと前まで国民であった議員の一人として思うのは、今の日本人に足りないのは、人生観とか死生観を含めた哲学的議論なのではないかと思っておりました。ぜひ、政治家の皆さん一人一人の哲学を国民に語っていただいて、日本を正しい方向に導いていただきたいと思います。  では、いよいよ医療関係の質問をさせていただきます。  質問の前に、私の医系議員としての基本スタンスを明確にしておきたいと思います。  私は、医師生活のほとんどを大学病院で過ごしてきましたので、外科系臨床医と研究者、両方の側面を持っております。正式に医師会会員になったことはありません。また、このたびの選挙で、医師会から政治献金は一切受けておりません。  したがって、これからの議員生活の間に、特定の医療系団体及び厚生労働省にも偏った肩入れをしないよう、公平にバランスよく配慮し、真に国民のために働く政治家でありたいと思っております。同時に、医師や看護師が疲弊し、医療界を去っていくようではやはり医療崩壊が進みますので、一生懸命働く医療従事者の味方でありたいと思っております。  次の質問です。  現在、医師不足が深刻と言われておりますが、原因としてさまざまな要素が含まれています。どのような要素が含まれているとお考えでしょうか。厚生労働大臣、お願いいたします。


  • 060 田村憲久

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○田村国務大臣 まず、絶対数が足らないという議論があります。よく、OECD諸国と比べて、加重平均で大体一千名当たり二・七人、日本は二・二人という話ですから、絶対数が足りないという話もあるんですが、それだけではなくて、例えば地域の偏在、日本の国でかなり地域の偏在がございます。ちょっと見てみますと、京都府が十万人当たり二百八十六・二人に対して、一番少ない埼玉が百四十二・六人、これは倍ぐらい離れている。  さらに申し上げれば、診療科の偏在、これも大問題。小児科でありますとか産婦人科、救急、こういうものに対してなかなかお医者様がうまく配置できていないという問題があります。  さらに言いますと、やはり女性医師が、昨今は、試験に受かってこられる、国家資格を取られる方が大変多いんですけれども、どうしても、出産やいろいろな問題で医療現場からリタイアされて、なかなか帰ってきていただけないという問題。  さまざまな問題がありますので、これに関して、地域の医師不足に対して対策を今文部科学省と立てておりまして、例えば、地域医療再生基金を使ったりでありますとか、それから、地域医療支援センター、こういうものを利用していただいて適正配分をしていく。さらには、そもそも、大学の医学部の定員枠に地域枠というものを設けて、地域枠というものを設けた中で地元に残ってもらう、こういうこともしていく必要があるのではないかということでありまして、総合的な対策が必要であろうというふうに思っております。


  • 061 宮沢隆仁

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○宮沢(隆)委員 ありがとうございました。これもほぼ完璧なお答えだったと思います。  御返答の中で地域医療支援センターという話が出てきましたが、これは二〇一一年にスタートして、運営費として平成二十四年度に七億三千万円がつき、平成二十五年度は九億六千万円が予算案として提出されています。  この組織は本当に機能して成果が上がっているのでしょうか。厚生労働大臣、よろしくお願いします。


  • 062 田村憲久

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○田村国務大臣 二十四年度で、今お話しいただきましたとおり七・三億円という話でございまして、全国二十県に設置をいただきました。七百二十三名が、二十四年の十一月末まで、このセンターを利用してあっせんや派遣を行っておるということでございます。  ちなみに、二十五年度はさらにこれをふやしていって、全体で三十カ所にしていきたいというふうに思っておりますが、最終的には四十七都道府県全てこれを設置いただく中におきまして、あっせんや派遣という形で、必要なところに医師が行き渡るようにということで応援をしてまいりたいというふうに思っております。


  • 063 宮沢隆仁

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○宮沢(隆)委員 今のセンターを含めて、厚生労働省は医師不足問題を解決するためにさまざまな施策を練っていると思いますが、今後、それぞれの施策の成果をきちんと検証し、公表していただきたいと思います。  それから、きょうは時間の関係で省きましたが、自民党内には今、東北地方の被災地に医学部を新設しようという動きがあるようですが、医学部新設を考える前にまずしなければいけない施策が山ほどあります。医学部新設については慎重に検討していただきたいと思います。  次に、七十から七十四歳高齢者の医療費窓口負担一割据え置きについてお尋ねします。資料三に詳しくあります。  詳細は省きますが、結論として、毎年約二千億円の公費を投入し、今年度までの累計は一兆円に上っております。現役世代の保険料負担がどんどんふえております。  この問題は決して小さな問題ではありません。税・社会保障一体改革の中にある、社会保障のあり方を高齢者偏重から若い世代の方を見て全世代対応型に変えていくという方針に反していると思います。  では、質問です。  過去の予算委員会において御党の小泉進次郎議員が、七十から七十四歳医療費窓口負担を即刻一割から二割に戻すよう強く提言しておりました。厚生労働大臣としては、この事実をどのようにお考えでしょうか。よろしくお願いします。


  • 064 田村憲久

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○田村国務大臣 この場で私と小泉委員とのやりとりであったわけでありますけれども、与党内にも、世代間の公平という意味からして、これは本則は二割負担となっておりますので、本則に早く戻すべきではないかという御意見があるのは十分に承知をいたしております。  一方で、高齢者の負担が、負担がふえるというか、実際は七十になった時点で三割から二割に下がるわけでありますから、それが一割に下がるか二割に下がるかという下がり方の問題なんですけれども、とはいいながら、一割の負担でおさまると予測をしていたものが二割負担になるということ自体に対して、やはり高齢者の生活というものの設計を考えていかなければならない、早急にこれを判断するのはなかなか厳しいのではないかという慎重な御意見があるのも事実。だから、意見としては両方あるのは事実であります。  ただ、やはり本則は二割負担というふうになっておりますので、これは二割に戻すことが原則であるというのが私の認識であります。  ただ、一方で、低所得者に対するきめ細かな対応をしなければならないことも事実でございまして、ここのバランス、これにも財源がかかりますので、それもしっかりと財源のめどをつけながら対応していかなきゃならないということもございます。  たまたま今回は補正予算が非常に緊急な補正予算でございまして、なかなか、これを決定する期間というものとのタイムラグがございましたものでありますから、スタートは一割のままという話でございますが、これはまたこれから議論をさせていただいて、できる限り早い段階で結論を得てまいりたいというふうに思っております。  申し上げれば、なかなかすぐにはというのは、事務的な市町村の対応もございますので、すぐにこれを二割に戻すということはできないわけでございますから、周知期間というのも要るわけでございまして、そこも含めて御理解をいただければというふうに思います。


  • 065 宮沢隆仁

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○宮沢(隆)委員 どうもありがとうございました。  そのできるだけ早くというタイミングが非常に気になるところですが、私は、小泉議員の主張は全く正しいと思っております。ある意味、小泉議員の世代の、若者世代の悲痛な叫びであると思います。  しかも、今後の消費税引き上げとのタイミングが重なったりしますと、ますます先延ばしということで、引き上げは難しくなるのではないかと思いますので、これは早急に考えていただきたいと思います。  この後は、安倍総理と厚生労働大臣にお尋ねします。  この問題は引き続きなんですが、さらに重要なのは、民主党政権、今回の自公政権で一割負担を二割負担に戻せない理由として、選挙が控えているからという報道が盛んになされています。このようなお考えは自民党の中にあるのでしょうか。よろしくお願いします。


  • 066 田村憲久

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○田村国務大臣 選挙というのは参議院選挙のことでございますかね。ことしの七月ですか、予定されていますが、いずれにいたしましても、今も申し上げましたけれども、事務手続を考えますと、なかなか七月までに引き上げを行うというのは難しいわけであります。これは物理的な問題でございますので、そういう意味からいたしますと、その問題とは一切関係しないというふうに御理解をいただいて結構だと思います。


  • 067 宮沢隆仁

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○宮沢(隆)委員 私が昨年の選挙で高齢者のお話を伺った限りでは、現役世代を苦しめてまで自分たちの負担を軽減したいと考えている高齢者は決して多くはないと思います。選挙での高齢者の票をとれないのではないかというような心配は全く無用と思います。どうか、参議院選挙後といわず、できるだけ早く、窓口負担を一割に据え置く特例措置を廃止していただきたいと思います。  そして、この高齢者医療費の負担増に踏み切るかどうかは、新政権に社会保障の立て直しに本気で取り組む覚悟があるか否かの試金石になると思います。TPPと同様、本気で速やかに決断し、取り組んでいただきたいと思います。そうでないと、まず選挙ありきの古い自民党体質が国民に見透かされ、自民党支持率を一気に落とすことになるのではないかと心配しております。結果として、我々日本維新の会が票をいただくことになるかもしれません。  最後の質問です。  私は医師ですので、大病を患った結果、人生観が変わり、達観し、すぐれた人格者になった患者さんをたくさん見てきました。安倍総理がかつておっしゃった、命をかけて日本を再生する覚悟が本物であることは、これは私、医者から見ると、すぐわかります。  安倍総理、大病を患った後に復活されたリーダーの一人として、このような見方をどのようにお感じになりますでしょうか。


  • 068 安倍晋三

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○安倍内閣総理大臣 ただいま宮沢議員にそういう見立てをしていただいて、大変勇気づけられる思いでございました。  私がまだ中学生ぐらいのころ、私の祖父の岸信介が、人間というのは、一回刑務所に入るか、あるいは一回大病をしなければ、人間が大きくならない、こう言っていたんですね。  幸い、私は刑務所には入ってはいないんですが、しかし、潰瘍性大腸炎という難病によって、長期間入院したことはあったんです。六年前に、結局一年間で総理の職を辞する、しかも突然という形でございましたから、国民の皆様に大きな御迷惑をおかけした。この挫折によって、私は、やはりもう一度、国のために尽くすとはどういうことだということを深く考える時間が与えられたな、このように思います。  今、宮沢議員にまさに勇気づけていただきましたので、さらに一層、自民党に対する信任が下がらないように頑張ってまいりたい、このように思っております。


  • 069 宮沢隆仁

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○宮沢(隆)委員 総理大臣というのは本当に激務だなというのが、ここへ来てよくわかりました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。  以上、野党という立場での質問でしたが、結果として我々は、日本が再生してほしい、それだけですので、私及び日本維新の会は、与党の足を引っ張ることを目的にはしません。松野議員や松浪議員が先週述べましたように、是々非々で対応していく所存です。  ただし、従来の自民党政治のように、支持団体などの意向に沿い過ぎて日本を間違った方向に導きそうな政策に対しては、我々、団体に依存しない日本維新の会としては容赦なく反論していきますので、御承知おきください。  以上、終わらせていただきます。拙い一年生議員の質問に答えていただき、まことにありがとうございました。
 

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