シアトル弾丸出張〜新しいレーザー機器を見学〜 | 美容外科開業医の独り言

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美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

先週は金曜日を休診とさせて頂き、木曜夕方から日曜まで米国シアトルへ3日半の弾丸出張をしてきました。

かなり過酷なスケジュールでしたが、まあいつもの事ですので何とかなるかなと機器オタクの心をワクワクさせての旅でした。

目的は全く新しい医療用ファイバーレーザーの見学です。本当に良い機器なのか見極める事が任務。

到着初日は夕方からミーティング。それまで数時間あるので街を散策して時差ボケ解消。



ミーティングでは本社の担当者Benから事前に頂いた資料をもとに新しいレーザー機器の概説から、理論的に分からないことを2時間かけて質問攻め。それでもやっぱり分からない。最後はI don’t knowと笑顔で言われてしまいました。
見せてもらった臨床写真はどれも素晴らしく、ダウンタイムは殆どない設定も可能。光老化した皮膚を改善できるのみでなく、たるみも解消できるという優れもの。傷跡の治療も従来のフラクショナルレーザーを上回る効果。本当に素晴らしいのですが、既存の赤外線波長レーザーと大きく異なるわけではなく、それでどうしてここまでの効果があるのだろうと不思議になります。ただファイバーレーザーという医療では新しい技術を用いて特殊なパルス発振や照射形状を可能としたことは画期的ではあります。
私の疑問は深達度と効果、光熱作用だけで説明できない現象についてであり、これを質問したのですが、答えが出ない現状。
こんなに理論が不明な機器は初めてで、でも結果は良いし。。。。

ディナーはシアトル郊外のレストランにて。ここに翌日見学に行くクリニックのDr. Linnellが合流。楽しく盛り上がりました。
ここでも質問攻め。やはりなぜかは分からない、けれども効果は素晴らしいと。



翌日、早朝に旅RUN。Space needleやLake Unionなどを訪れました。





さて、クリニック訪問。メディカルビルの一室にLinnell dermatology aesthetics があります。



実際の施術を見学。同行業者さんが被験者。もちろん私も自らの顔の一部などに照射。

あれっ、大して痛くない。蒸散ゾーンは浅く、引き続き起こる炎症で真皮まで変化が起こると論文には書かれてますが、論文上でもそのあたりはまだ解明が必要とされています。まさにその通り。炎症は軽く、つまりダウンタイムは軽微で、かつ効果が大きいとなると理想的ですが、臨床で受けた感じは本当に軽い感じ。しかし特に色素沈着しやすいアジア人にとっては面白い治療になるかもしれません。

ちょうど、ユーザーである知り合いの米国の女医さんへこの機器の事をメールで聞いたら、やはり結果は素晴らしいとのこと。

さあ、導入するかどうか、検討に入ります。ただ非常に高価みたいなので、大阪商人根性で色々考えます。

という事で昼14時過ぎに任務終了。

やっと半日遊びです!

地ビール飲んで、牡蠣食べて、夜はステーキ。

メーカーの方には大変お世話になりました。











本社のBenは私の事を前から知ってて会いたかったそうです。たまたま以前にいた会社で、機器改良に際してミヤタモードという開発コードがあったとのこと。

機器オタクゆえ、メーカーには改良を執拗に求めて、幾つかの機器では私の意見が取り入れられて製品化しているのです。表には出ないし、何の報酬も頂いてませんが、お世辞でもこういう言葉は嬉しいものです。


さて、翌朝には空港へ。日曜昼過ぎに帰国して、平常通り診療です。歳とともに体力は落ちていきますが、日々鍛えてまだまだ踏ん張ります。


美容医療は仕事ではありますが、私の知的好奇心を満たしてくれる素晴らしい世界だと勝手に思っており、このような依頼は喜んで引き受けますので、業界の皆様宜しくお願い申し上げます。