来年の展望 | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

年末ということで、今年を振り返りつつ、来年のビジョンを考えていこうと思います。

1. 機器・治療法

昨年、機器としては痩身ブームが来るかどうかがポイントと書きました。トレンドにはなるが、効果がどうか、それで今後が決まるという風に。実際今年は、部分痩身には様々な機械が登場し、今はその評価を見ている状況です。こちらがまだ決定的にはなっていません。
超音波痩身機器アクセントウルトラの一人勝ちで、他のメーカーがまだまだです。そういう状況では大きなトレンドにはなりません。凍結痩身のゼルティックをはじめ、各社が性能を上げてきて競争するかどうかです。来年に持ち越しです。注入系の痩身も韓国発で面白いものがあるようですし、面白い展開になるでしょう。

さて来年は、スタンダードな機械の見直し、基本性能向上が主流になるのではないでしょうか。それに加えて、新しい発想の機械が幾つか。医師側からすると買い換え需要など。

個人的にはその代表格たるフラクショナル炭酸ガスレーザーCO2REがどこまでその守備範囲を広げるか、炭酸ガスレーザーというジャンルにおける挑戦でしょう。アキュパルスというルミナス社の同様の機械とともに美容医療の分野でどれだけの評価を得ることができるかです。すっかり一般化したフラクショナルレーザーは目新しさはありません。新しい適応拡大、機能拡張によってどう変わるのか。
他にもレーザートーニングの進化形、スタックトーニングを個人的には推し進めようと思います。

レーザーの技術革新はやや閉塞感があります。スキャナシステムの改良、発振Hz高速化などで既存の波長の光をどう使いこなすか、これも幾つか面白い製品開発がされてはいます。


2. 業界全体の流れ

昨年、美容医療業界が単なるブームから本格的に競い合う時代になると予想しました。機械だけで集患出来るのではなく、技術やキャラクター、クリニックの方針など、それぞれの個性で成り立つ時代になるだろうということでした。
そうなってきた気がする、そう思うのは私だけでしょうか。
当たり前であって、美容医療だけが特別ではなく、他の産業と同じということです。黎明期から安定期に入り発展していくためには、通る道です。
技術や特殊性、医師の個性、治療費など、勝負のしどころは様々であり、それに合った患者様つまりはユーザーがいるのだと思います。
機器を販売する会社にとってもそれは同じで、何でも機械を持ってくれば売れる時代ではなく、ニーズに即したものが売れるのです。そのニーズは効果なのか、安心感なのか、価格なのか、先端性、話題性なのか。どれも正解であり、それぞれに合ったユーザーがいます。

医療、業者含め
美容はもっと発展していける余地があります。しかし混沌としているのが現状です。天も地も区別がつきません。様々な業態があって交通整理ができていません。今年はそういった交通整理が少しずつ起こるのではないでしょうか。単に競い合うのではなく、業態を混じり合わせずに住み分けて、自らのポジショニングを確立し、見合うユーザー(患者様)を取り込むことができれば、つまり内部も少し細分化しターゲット毎に最適のものを提供していけば、マーケットが拡大し、かつ業界全体が発展していける、それも正しくです。
一つの業態のみが正しくて、他は間違っているということはありません。潰し合いなんて以ての外です。医師・業者の頭ももう少し柔らかくなる必要があるのかなと感じます。
それこそが本来は産業として正常であり、ある意味で社会貢献できる一産業になるのだと思います。
私自身も自分でできることを考え、私の部分と公の部分、両者を伸ばしていこうと思っています。診療内容の充実と、フィールドの拡大、学会等での活動、そしてメディアの受け入れ、するべきことはまだまだ山積みです。

3. 個人的に
昨年から今年は、家族をかなり犠牲にしました。メリハリをつけて家族サービスしようと思います。そして個人の趣味も殆どしていませんので、来年こそは。
もちろん加齢とともに色々衰えを感じます。食事に気をつけつつ、運動第一。筋肉量を落とさぬようコントロールすることが目標です。