新宿中村屋『インドカリー』の思い出 | みやこのこのみ

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ライター&ライフスタイルコーディネーター、前川みやこのブログです。
日々の生活の中で、心にピピッと響いたもの、こと、ひと、ことばなどを
つれづれなるままに書き綴ります。

ここ数年のレトルト食品の進化は素晴らしい。

デミグラスソースやホワイトソースといったソース類
寄せ鍋、キムチ鍋などの出汁土鍋
パスタソースはもちろんのこと
中華料理の素、炒め物の素などなど
もしかしたら、調味料なんかいらないんじゃない?
という勢いである。

日本のレトルト食品の元祖
1968年に発売された大塚食品『ボンカレー』ボンカレーゴールド21中辛だそうだ。
そして、これだけレトルトが普及した今でも、
レトルト食品総売上の1/3カレーが占めているという。
カレーの場合はスパイスがたくさん使われているため
あの独特のレトルト臭さが気にならないからとのことだ。

う~ん、確かにそれもあるが、
日本人がとってもカレー好きだということと、
日本ではスタンダードなメニューの割に、
本格的に作るには、手間と時間がかかるというのも
理由の1つなのではないかと、私は思う。

カレー1

最近のレトルトカレーときたら、
『ボンカレー』だけの頃と比べると、相当進化してますからね。
スパイシーだし、それぞれ個性的だし。
『タイカレー』なんて、店で食べるものとほとんど変わらない

私にとってカレーカレーと言えば、
子供の頃、家族でよく食べに行った
新宿中村屋の『インドカリー』(中村屋はカレーでなくカリー
である。

家で作る母親のカレーとは全く別ものの
言わば、「お出かけした時に食べる特別なご馳走」だった。
ニンジンじゃがいもがゴロゴロ入っているのではなく
野菜はルーの中に溶け込み
骨付きのチキンがゴロゴロ入った本格的な『チキンカレー』である。

当時、父親の同級生が
新宿中村屋レストラン支配人をしていたのが
足繁く通った理由の1つだったのだが、
その辺のレストランで出てくるカレーと違って、
白いクロスのかかったテーブルに
ライスとカレーソースが別々に出てくる感じや、
らっきょうだけじゃなく、
タマネギやマンゴーのチャツネ、キュウリのピクルス
といった豪華な薬味がドンと置かれているのも珍しく
それだけで、大人の仲間入りしたような気分だった。

新宿中村屋は、日本で最初に本格的なインドカリーを提供した店だ。
日本に亡命してきたインド独立運動の有志、ラス・ビハリ・ボース
中村屋の創業者相馬愛蔵が、店の裏のアトリエにかくまったのが
そもそものきっかけだったという。
大正4年(1915年)のこと。

その後、中村屋を出て逃亡生活を続けるボースを
愛蔵は家族ぐるみで助け、娘の俊子がボースと結婚したことで
よりつながりが深くなる。

そして、大正8年第一次世界大戦後のパリ講和会議により
ボース自由の身となり、翌年帰化して
中村屋の役員となった。
そして、昭和2年、もともとパン屋だった中村屋に喫茶部を作り
ボースの提案で、本格的なインド式カリーを発売した

新宿中村屋
新宿中村屋HP『カレーの部屋』より

一般的だった洋食屋のカレーと違って
インディカ米(後に白目米)
ゴロッとした骨付きの鶏肉
スパイスの強烈な香りが漂うインド式カリー
最初はお客も戸惑ったものの、
その香りに惹きつけられてだんだん売り上げが伸び
いつの間にか中村屋の名物料理になった。

当時、洋食屋のカレーが10銭~12銭だったのに対して
中村屋のインドカリーは80銭もしたのに、
飛ぶように売れたというのだから、まさに快挙である。

現在も、新宿中村屋のカリーに対するこだわりは変わらない。

は、発売当初、最もカレーに合う日本の米として採用された
白目米を、期間限定で使用している。

歯ごたえがあり、クセのない鶏肉は、
契約農家で、飼育日数、飼料、環境など、
中村屋指定の方法で飼育しているものを使用

ソースに欠かせないタマネギは、
淡路島・丹後地方で栽培されたものを取り寄せ、
それに自家製のヨーグルトブイヨンを混ぜてとろみを出す。
小麦粉を使わないのがインド式のこだわりだとか。
それに、20種類のスパイスをブレンドしたものを、
具材を炒めるときと、出来上がり直前の2回に分けて入れる

ここまで書いた時点で、
既に新宿まで飛んで行きたい気分なのだが、
現在新宿中村屋本店建て替え中平成26年秋オープン予定)で、
中村屋レストランのみ、お隣の新宿高野の6階で営業しているそうだ。

もちろん、中村屋のカリーもレトルトで発売されていて、
我が家の定番である。
スパイスの香りも、鶏肉のゴロッと感も
レストランにはかなわないが、
やはり他のレトルトカレーより断然美味しいラブラブ

カレー3

今年の秋、新宿中村屋本店が新しくオープンしたら
久し振りに家族カリーを食べに行こうと思う。音譜






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