ぷすぷすと音がしている。
ちなみにこれは、俺の頭がショートした音だ。
何なら煙も出ている気がする。頭から。
何度かぼふんって爆発した気もする。頭が。
それは何故か?
それは雅紀とキスをしたからだ。
したと言うか、されたと言うか。
先ほども申したように、俺が参っていたこの10日ほどの間にもしているのだ。ちゃんと。キスは。
だがしかし。
駄菓子菓子。
たかはしたかしは何者だ?
ここ10日ほどのキスは、どうやら雅紀的にご不満で、欲求不満だったらしい。
『キスって言ったらこうじゃなきゃ』
散々。散っ々、キスしてキスしてキスしてキスして、っていうかされて、しっかり応えさせて頂いて、雅紀は多少満足したようだった。
俺に乗り上げたままそう言って、濡れた唇でキレイな弧を描いてみせたその雅紀が‼︎
何とも非常にものすごくエロかっこよくてだ‼︎
うっかり魅せられ、離れた唇をうっかりまた重ねてしまったため、ヒートアップヒートアップヒートアップでぷすぷすぷすんのぼふぼふぼふんだ。
いまだかつてこんなにもキスに酔いしれたことはない。雅紀だけだ。
全身が脈々している。ズンズン。ハードなリズム。
これはもういつか。
いつの日か、日にか、俺と雅紀はキスだけの関係をこえてしまうような気がする。
やばいのだ。
色んな意味で、我々はやばいのだ。
「そうだ、しょーちゃん」
「ん?」
雅紀がグラスに水をいれて持って来てくれて、テーブルにかつんって置いた。
そしてちょっとずり落ちたGパンを直してから、どさって俺の横に座った。
Gパン。
………Gパンな。
Gパンが少しずり落ちていた理由は簡単だ。
それは雅紀がベルトをゆるめ、ボタンを外して、何ならファスナーも半分ぐらいおろしているからだ。
え?何故そんなことしているのかって?
それ聞く?聞きたい?
それは。
それは雅紀のマグナムがパオンだからに決まっている‼︎
いや、逆か?
雅紀のパオンがマグナム?
いや、それはどっちでもいいのだが。
つまりキスでパオンしちゃっているのだよ‼︎キスでパオン‼︎俺たちは今お恥ずかしながらパオンがパオンパオンしているのだ‼︎
だから本当に、近いいつかに、俺たちはキスをこえてしまうかもしれないと、俺は思うのだ。
「またああいう手紙が来たり、何かあったときにどうしたらいいか教えてあげる」
身体の中の熱を冷ますように、雅紀が持って来てくれた冷たい水を半分ほど喉に身体に流し込んでから、俺もまた色々外してあるズボンがずり落ちないよう持ちながらよいしょって座り直す。
「今度また何か困ったことが起きたら………?」
「うん」
真剣な面持ちと、真剣な声音。
俺もちゃんと聞くために、背筋を伸ばした。
「ちゃんと覚えてね」
「うん」
「いくよ?」
「うん」
「雅紀〜、助けて〜、きみちゃーん、助けて〜、風間ぽーん、助けて〜」
「………え?」
「それでオッケー。そしたらすーぐ解決するから」
「………ええ?えっと………」
「ほら、練習しよ。オレの後に続けて言って。雅紀〜助けて〜。きみちゃーん、助けて〜。風間ぽーん、助けて〜」
「え?え?ちょ、ちょっと待って。あのっ………」
色々突っ込みたい。
色々突っ込みたいのだが。
どこから突っ込んでいいのか分からないがとりあえず。
「ま、松本さんは?」
「あ、忘れてた」
「忘れてた⁉︎」
「じゃあもう一回。Take2いくよー?雅紀〜、助けて〜。きみちゃーん、助けて〜。風間ぽーん、助けて〜。松じゅーん、お腹すいた〜」
「え、もう一回待って⁉︎そこお腹すいたなの⁉︎」
「うん、そう。松潤にはお腹すいた」
くっ………。
聞いた??
ねぇ、ちょっと今の一連聞いてた?見てた?
ちょっとまじで。
まじで何なのこのお天使は‼︎
ものすごく真面目に、ものすごくふざけたこと言って、でもこれものすごくまじだよ⁉︎絶対‼︎
今度また困ったことが起きたら。
雅紀、助けて。
横山さん、助けて。
風間さん、助けて。
松本さん、お腹すいた。
それを言えって??
俺が、ここのみなさんに??
それでオッケー?それですぐ解決?
ダメだ。
ダメだよ。ダメだろ。爆笑。
堪えきれず爆笑。
ひたすら爆笑。
ただただ爆笑。
「ちょっとしょーちゃん、笑いすぎ」
雅紀はそんな俺に大変不服そうではあるが、俺は笑いながら。
嬉しさに込み上げる涙を隠すのに、めちゃくちゃ必死だった。
マグナムがパオン。パオンがマグナム。パオンパオン。
今日は名(迷)言がいっぱいね‼︎って思った方は米ください🌾
今日も今日とてコメディーだわーって思った方も米ください🌾