そこからどうすることになったのか、俺と雅紀は知らない。
あの後松本さんのポトフを食べて、作戦会議をしようって、またしても目があっちの世界にイってしまわれた風間さんによって、横山さんと松本さんが連れ去られてしまったからだ。
部屋借りるよって2階に。
何で俺まで‼︎って松本さんは抵抗したけど、おれときみちゃんだけだと本当に死人が出そうなのでって、風間さんが。
………そう言った時の風間さんの顔の恐ろしさと言ったらもう。
いや、顔は笑っていた。
顔はしっかり笑っていたのだが、何せ目がイっちゃってるもんだから、見せられているこっちは冗談に聞こえなくて恐怖でしかなかった。
果たしてそれは冗談なのか、本気なのか。
いや、本気では困るが。
「風間ぽんがあれじゃあ、今日は完徹コースかな」
「え」
完徹コースって。
『おーれーはーかーえーるー‼︎』
ドアの向こう。階段をのぼっているのだろう。
徐々に小さくなっていく松本さんの叫び声が部屋に入ったらしく。
パタリと消えた。
「………何か、申し訳ないことしたな。俺のせいで」
「誰もそんなこと思ってないから、大丈夫」
「………でも」
「だって逆なら絶対しょーちゃんだって来てくれるでしょ?」
「………逆、なら?」
「そう。逆なら。オレか風間ぽんかきみちゃんか松潤が何か大変なことに巻き込まれてるってもしなったら。誰かがしょーちゃんに電話したら、しょーちゃんは絶対、来てくれる」
「俺の場合、車問題があるから、実際来れるかは分かんないけど………」
でも。
さっき、この先この人たちに何かあったら、絶対駆けつけようって決めた。
でも、そうかも。決める前から、誰かからもし誰かが大変って電話がかかって来たら。来ていたら。
来るか。
来てるか。ここに。
その誰かの元に。
だって、やっぱり、心配だから。
もし俺に何かできることがあるならって、思うから。
「あ、そうだ、しょーちゃん」
「ん?」
「ん」
「………ん?」
「だから、ん」
「え?だから、何の『ん』?」
「もう‼︎しょーちゃんってほんっと鈍いよね‼︎」
「ええ?俺?」
「しょーちゃんだよ。ふたりになって『ん』って言ったらキスでしょ?キスしかないでしょ?」
「は、はい⁉︎」
何のことか全然分からずにいたら、鈍いって言われた上にキスって。
えええええ⁉︎鈍い⁉︎俺が⁉︎
ちょっと雅紀にはあんまり言われたくないけど‼︎
っていうかキス⁉︎今⁉︎ここでこのタイミングで⁉︎何で⁉︎
この子また突然とんでもないこと言い出したよ⁉︎
「はい⁉︎じゃなくて、ん」
「い、いやでもあのっ………」
「はやくー。最近のしょーちゃんのキス、超ダメダメだったよ?オレ毎日すっごい物足りなかったんだからねー」
「え?」
「ずっとしとけばいいや的な適当なキスだったでしょ?」
「い、いえ、そんなことは」
「そんなことあるって。そんなことしかないよ」
「いや、でもあの」
ぐいぐいぐい。
ぐいぐいぐいぐい。
ソファーの、隣に座っている雅紀が、目をキラキラ………いや、ギラギラ?させながらどんどん俺に迫って来る。
ちょ………ちょっと待って‼︎今ここには、ソイ御殿の2階には、あのお3人がいらっしゃってですね‼︎
って、止めようとしている俺に、『しょーちゃん』って、雅紀がかわいいのかキレイなのかかっこいいのかこわいのか。
「満足させてくれるまで退かないからね」
ゴクリ。
思わず喉が鳴るほど、妖艶で。
そして俺は、雅紀によって見事に押し倒され。
あーれーって間に唇を、口内を貪りに貪られたのであった。
やだ、まーくんったら💚って思った方は米ください🌾
一直線にホラーに行けない病を発症中のみやぎ。
かなり重症のようなので、お見舞い米もお願いします………。