◆大谷翔平 伝説と代償そして新たな章ヘ | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

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いつしか食べ歩きがライフワークになってしまった今日この頃。
美味しかった店はもちろん、雰囲気の良かった店を紹介していきます。
2023年12月に外食記事 4000号を達成しました。
ちょこちょこ地域別索引も更新中。
現在、「いいね」返しが出来ません。



NHKスペシャルより。
アジア出身選手初のホームラン王となり、2回目の満票でのMVP。
しかし、その代償を払うことになった2023シーズン。

「肘の怪我もあって最後の1ヶ月ちょっとは悔しいシーズン。やはりフルシーズン戦いたかった。やらないことには、勝った負けたも出て来ない。

ドジャースはじめ、他の球団とミーティングさせてもらって話を聞かせてもらいました。どこかに決めたらどこかは断らなきゃいけない。どこも素晴らしい球団でした。熱意のあるお誘いをいただいていた。個人的には一番迷いました」

6年間在籍していたエンゼルスを離れることになった。
肘の手術をしてから愛犬を飼い始めた。

2023年12月14日、ドジャーススタジアムでの入団会見。
300人の報道陣、50台を超すテレビカメラ。
その模様は全世界に配信されて7000万人が視聴した。
ドジャースは11年連続プレーオフ進出の常勝軍団。
1015億の契約を引っ提げ大谷が加わることになる。
大谷の勝ちたいと思う気持ちの現れは、契約から見えて来た。
97%後払いで受け取ると言う条件をつけ、球団の総年棒に余裕をもたせ、他の選手の契約に当てることが出来た。

ドジャースは、140年に及ぶ歴史の中で、多様性とフロンティア精神に彩られていた。
メジャーリーグ初の黒人選手のジャッキーロビンソン獲得、野茂英雄投手を獲得し、アジア選手が活躍できる土壌を作り上げた。
このチームが二刀流の大谷翔平を迎えることになった。
8回目のワールドシリーズ制覇を目指して、ドジャースファンの大きな期待と厳しい視線が待っている。
「人数的にも多い熱量も感じる。ドジャース戦はどこに行っても人が入っている。まずはポストシーズンに出ること」

異例ずくめの2023年の幕開けはWBCから始まった。
全勝で迎えたアメリカ戦。
9回のマウンドを託された大谷翔平。
「抑えの経験もなく、点差も点差だったので緊張しました」
ツーアウトでバッターは盟友マイクトラウト。
「三振がホームランかのつもりで投げていました。
それくらいの思い切りの良さでいいのかなと思って。本当に面白い勝負でした」
世界一の勲章をたぐり寄せたこの一球は、スイーパーと呼ばれる変化球。
「変な緊張で、レギュラーシーズンとは違うものを感じましたね」
9回のマウンドに送り出した栗山英樹監督「この先まがり球が変化していくのが楽しみになった一球でした。170キロとかバンバン投げちゃうくらいの体の強さも感じたと同時に、壊れる怖さと言うのも感じたと言う」

WBC決勝から9日。
スイーパーが威力を発揮した。
開幕から5試合で3勝し、防御率も0.64。
打者の手元で大きく変化する。
スイーパーの全球種に占める割合は50%に達していた。
なぜ大谷のスイーパーは打たれないのか?
開幕5試合の登板で、2022年に比べボール1個差分・9センチまがり幅が大きくなっていた。
打者が真芯で捉えるのが難しくなっていた。
魔球のようなこのスイーパーを、大谷は一体どのように磨いてきたのだろうか。
Microsoft出身のエンジニアが立ち上げた民間のトレーニング施設・ドライブライン。
大谷は3年前から極秘トレーニングを積んできたという。
球速や回転数や軌道など、すべて数値化されている。
大谷は1球ごとにセンサーを確認しながら、ボールの精度を突き詰めていた。
打者の打ちにくさを浮力との関係だと知った。
ピッチングはデザインみたいなものだと考えられている。
デザインというキーワードが注目されるようになった。
最先端の理論・デザイン革命が起こっているのだ。
ジャーナリストのトラビス・ソーチック氏
「大谷から好奇心と向上心が欲望の表れを感じた。
デザインは、極めて魅力的な可能性を秘めている。原因が結果に直接つながっている感覚が面白かったようだ」大谷はデザインをバッティングにも取り込んだ。
バットに装置をつけることにより、スイングを詳細に可視化することができた。
最新のAIマシンにより、850人のメジャーの投手を再現できる。
このマシンは縫い目にまでこだわった。
「打席に入らずに、ちょっと離れて見た。ピッチング練習を見ている感じ」

大谷がデザインを完璧にものにした瞬間。
13号ホームランは、高めのストレートを強烈に跳ね返した。
翌日の14号、2打席連続の15号。
その日が一番変わるきっかけとして、印象に残っている。
技術的なコツをつかんだ。
それまでホームランバッターは高めのボールはあまり打てていなかった。
下からボールを掬い上げるアッパースイングの軌道ゆえ、高めの速球は打ちづらいとされていた。
そこで、アッパースイングを微調整し、スイングの修正を繰り返した。
ルーカス・ジオリト投手「大谷の進化を認めるしか無かった。今までは打ち取れるはずのコースだった。彼はどんどん進化しているよ」
これ以降、ホームランを量産した。
アッパースイングの弱点を克服した。
彼はなぜ、自らのぶれをデザインできるのだろうか

ホームラン数歴代4位の球史に残るスラッガー・プーホールズは進化の過程を間近で見守ってきた。
入団1年目のキャンプで大谷はメジャーのボールをまともに打ち勝てせずにいて、プーホールズに相談した。
「大谷はパワーがあるから、スイングの際に右足を上げる必要がない。かえってタイミングが遅れてしまう。そう言ったら、突然2日後に調整してきた」
2018年4月本拠地でのデビュー戦最初の打席でホームラン。
足を上げない新たなホームですぐに結果を出した。
「彼の才能は本当に特別だ」

「トレーニング次第で感覚のスパンは短くできる」
時間をかけてやってきたことを変えるのに躊躇はないのだろうか
「試してみたいと言う気持ちが勝る」

2023年のオールスター戦では、スタジアムからの「カム・トゥー・シアトル」のコール

変化を恐れず新しいことに挑戦する、その姿勢が大谷に新しい勲章をもたらした。
44本でホームラン王を獲得、2回目の満票は史上初の快挙。

インタビューの中盤に意外なことを口にした。
「ピッチャーとしてはもちろん、2度目の手術なので、おそらくもう一度、同じ症状になったら、配置転換。他のどこの野手のポジションか分からないですけど、そういう風になる」現在のような二刀流の継続は厳しいとの胸中を明かした。
2024年は肘のリハビリのため、投手としては出場できない。

7月4日、オールスター前の最後のマウンド。
17試合・1620球、前半戦としては自己最多を更新した。
打者では86試合目の出場。
休んだのは2試合。
WBCからほぼぶっ通しで試合に出ていた。

エンジェルスのネビン監督も大谷に休みを勧めていたが、休まなかった。

「ビッチクロックがあったので、疲労がたまりやすくなると感じていた。ただ、改善できる部分があったのは。それが課題」
ピッチクロックとは、試合時間を短縮するための新しいルールだった。
投手は休む時間が短くなり、投打二刀流の大谷には負担が大きいと改めて感じた。
大谷は行き着く間もなく投げることを強いられた。

もう一つリスクが忍び寄っていたことがわかった。
トミージョン手術の権威であるキース・マイスター医師「重大なリスクが潜んでいる。WBC優勝を決めたあの一球。スイーパーは腱が剥がれる原因となりやすい。肩肘全身にとてつもない負担をかける」
デザインを過度に追い求めることに警鐘を鳴らした。

「僕の感覚としては球速。怪我して初めてわかるが、肘にかかるトルクがかかる。切れてしまう選手もいたりする。僕の感覚では
球速が主な原因かと思います」
大谷のスイーパーが徐々にキレを失っていく。
7月の8センチ以上も曲がり幅が減少していた。
しかし、大谷は伝説を生み出すことになる。
まるで最後の力を振り絞るかのように。
タイガース戦ダブルヘッダー第一試合
スイーパーを狙われた大谷は、ストレート主体で真っ向勝負を挑んだ。
ヒット1本に抑え、最後まで球威が落ちることはなかった。
メジャー初完封勝利。
この日投げたのは111球に達した。
ネビン監督は第二試合を休ませようと考えた。
大谷の意思は堅かった。
わずか45分ごに始まった第二試合。
指名打者として打席に立ち、37号、38号のホームランを放った。
2本のホームランを打った直後大谷の体に異変が生じた。
腰を抑えたのだった。
途中交代を余儀なくされた。
その後もたびたびケイレンをおこし、ベンチに下がる日が続いた。
8月3日の試合後、疲労じゃないかとインタビュー。
すぐにMRI検査を受けた。
結果的に大谷を休ませることができなかった
エンジェルスの首脳陣にも批判が集まった。
チームの勝利のために肉体を酷使し続けた大谷。
元ホームラン王・マーク・マグワイヤ「選手は怪我によって抜き差しならない状況に追い込まれるのだ」と言う。

8月23日に44号のホームラン。
今シーズンのラストアーチとなった。
直後のマウンド。
試合途中でマウンドを降りた。
激痛ではなく、前回のケガとは痛みの感覚が違った。
検査の結果、右肘靱帯の損傷。
大谷は手術に踏み切った。
決断の真意は。
「93マイル(150キロ)は投げられる感覚でしたが、それだと100マイル(約161キロ)の球速には耐えられなかったので、手術に踏み切った。自分が納得しないので。まだ時間もありますし。後々いいんだろうなと言う感じです」
ポストシーズンは今年もかなわなかった。
大谷翔平の2023シーズンは、道半ばで幕を閉じた。

ウインターミーティング。
大谷の争奪戦が活気を帯びる中、あのAIマシンのデモストレーションもあった。
どこまでも進化を求められる選手たち。
二刀流をどう進めていくのか。
ドジャースの首脳陣は重い宿題を背負うことになる。
これからの10年、ワールドシリーズ制覇を目指す大谷。
「もちろん全力を尽くす。身体をケアしながらどこまで出来るかなと」
二刀流が、いかに過酷であり、偉大であるか、改めて示された2023年。
大谷翔平は新たな章ヘと向かいます。


「テキサス・レンジャーズが初制覇」の記事はこちら(2023年11月4日)
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http://ameblo.jp/miyacar/entry-12827126922.html

では、明日。