新町~熊本駅反対運動のまぼろし:(1)典型的な鉄道忌避伝説 | セノハチ往復中

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セノハチ(瀬野八)という名前がついている割には、大して鉄道のネタがない。素人広島人・みやにいのブログ

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ゴールデンウィーク、あまりブログを読んでる人もいないと思いあせる
ややマニアックな熊本のネタを連載したいと思いますニコニコ


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どうしてJR熊本駅はあんな不便なところにあるんだろう?


よく聞く話です。
私にもそういう印象はあります。


この話題になると自称「歴史好き」とされる人が
ここぞとばかりに、うんちくを披露することになります。


うんちく内容の最大公約数をまとめると…


・当初は、熊本駅は新町(高麗門)付近にできる予定だった。

・だが、住民が「汽車が来ると煙や振動に驚いて鶏が卵を産まなくなる」等の理由で反対した。

・仕方なく春日に駅を設けた。

・だから、熊本は他の主要都市と異なり、不便な場所に駅がある。


といったところでしょうか。


あぁなるほど、だから熊本人は先見の明がないだ
とか言ってまた酒の席お酒が盛り上がるにひひ
もちろん、私もこれを信じていました…以前は。


しかし、歴史研究(特に青木栄一の研究が有名)が進み、
全国的に存在するこの手の話は
今では「鉄道忌避伝説」と呼ばれています。


「伝説」…つまり、全国にある明治期の鉄道忌避に関する伝承は、
そのほぼ全てが、史実としては認められないという見解が有力となっています。


つまり、おとぎ話とか、都市伝説と同レベルという意味での「伝説」ということです。


熊本についても例外ではありません。
資料を検証した結論として、
熊本市内(特に新町)での組織的な駅設置反対運動は存在しなかった
…という見方が定着しつつあります。


このことは、いまや専門家でなくとも、
ちょっと鉄道の歴史に興味がある人には、常識なのですが、
一般向けの書物やネットでの情報が不足しているせいか
まだまた「伝説」を信じている人が多くいるようですあせる


というわけで、この話、何回かに分けて取り上げたいと思います。


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写真:わざわざ山の麓に設置された熊本駅



第2回へつづく