誰もがうらやむ業界最大手企業を辞め行政書士になった変わり種宮本秀一の”会社や年金に頼らず生涯現役で稼ぐ帝王学” -115ページ目

社会的信用で得られるおいしい果実

個人よりも法人の方が高い社会的信用とはいったい何なのでしょうか? 



会社は、事業を営む法人として生を受けるために、設立時に会社の目的、


本店の所在地、資本金、役員の氏名などの基本事項を管轄法務局に登記


しなければなりません。 登記された内容は、登記簿謄本としてだれでも


取得し閲覧ができます。 


一方、個人事業の場合は、税務署に開業届を提出するだけでだれでも


簡単に事業を始めることができます。 しかし、金融機関や取引先などの


第三者がその事業内容や経営状況を知ろうとしても知るすべはない


のです。


もし、あなたがお金を貸すとしたら、どちらが信用できますか?


もし、あなたが就職するとしたら、どちらが信用できますか?



法人化することにより、社会的信用が得られると、以下のような


おいしい果実を得ることが可能になります。



・銀行からの融資が受けやすくなる

・大手企業との取引が可能になる

・助成金が受けやすくなる

・従業員募集で優秀な人材が集まりやすくなる



会社を設立するときの多少の手間とコストをかけても、また、設立後に多少


コスト負担が増えても、多くの起業家や個人事業主が会社を設立する理由


は実はこの辺にあるのです。


でも、おいしい果実はこれだけではありませんよ!

なぜ会社を創りたいのですか?

お客様に『なぜ会社を創りたいのですか?』と質問すると、大手の


会社と取引したいが法人でないと取引できないと言われたとか、仕事の


受注で会社と個人事業で競合すると会社の方が有利だからというような


話をよく伺います。 このように、会社にすることが取引条件だったり、


有利に働く形式だったすると、必要に迫られているので、会社のメリット、


デメリットをキチンと把握しないまま会社の社長におさまってしまうことが


多いのです。これでは、会社の特性を活かした経営ができませんよね。


やはり、最初が肝心です。 会社を創るなんて一生に一度あるかないか


です。 会社を創るメリット、デメリットはしっかり勉強しておきましょう!




では、お待たせしました。 今度はメリットについて触れてみましょう。 


会社を創るメリットは、もちろんデメリット以上にたくさんありますが、


最大のメリットとはいったい何だとおもいますか?


私は社会的信用だとおもいます。 


法的な手続きに基づいて会社を創ること=法律で認められた法人格


をもつことです。 つまり、事業にかかわるあらゆる権利義務の主体に


なることができるということです。


たとえば、法人名義で銀行口座を開いたり、銀行から融資を受けたり


することができます。


また、事務所や店舗の賃貸借契約も第3者の保証もなく法人が契約の


主体となることができます。そして代表者が個人として保証人となれば


済みます 一方、個人事業の場合は事業主が契約する場合でも第3者の


保証人を要求されることがほとんどです。


ここで皆さんは不思議に思いませんか? なんで、本物の人間個人より


法律で認められた法人格の方が信用が高いのでしょうか?

お手軽とはいかない会社設立 PartⅣ

会社を設立するといろいろとコスト負担が増えますよということを書いて


きました。 


では、お金の面以外はどうなのでしょう?


まず、社長、監査役など役員の責任についてみてみましょう。


法人の役員の責任は重く、法人たる会社に対し、法律用語で”善良な


管理者としての注意義務”という通常の注意義務より重い注意義務が


課せられています。 会社の利益に反する事業上の行為で会社に損害


を与えた場合、会社に対しその損害の賠償責任が生じます。


また、役員等が職務を行うにあたって悪意または重大な過失があった


ときは、役員等はこれによって生じた第3者の損害を賠償する責任を


負わなくてはなりません。 



法人の役員には、これらのことが会社法によって定められています。 


この点で個人事業とは比較にならないくらい重くなっているといえる


でしょう。 個人事業を法人化して役員と株主が同一人であれば第3者


による責任はともかく、会社への責任は軽減できるでしょう。


しかし、株主に第3者が存在する場合はこの点についても十分留意される


ことをおススメします。