先日、私が担当している大学での授業の一コマ。
新学期が始まり、学生の顔ぶれが変わりました。
授業が始まる前に、前の席に座っていた女子学生のA子さんに、私から質問しました。
私 「今回、どうしてこの授業を受けに来たの?」
A子「えっ・・・そこにいる友達のB子さんに誘われたから」
私 「なるほど。それは『きっかけ』だよね。
じゃー、この授業に来て、これから何を目的に勉強していこうと思う?」
A子「えっ?目的って・・・? そんなこと考えてません」
私 「目的っていうのはね、何を得たいか? 半年後、どんな自分になっていたいか?
もっというなら、将来、どうなりたいか? そのために、ここで何を得ていこうと思ってるか?
を聴きたいの」
A子「わかりません。そんなこと考えたことありません」
私 「そっか・・・
A子さんは、あと1年数か月後には、この学校を卒業するよね?
その先、どうするの?」
A子 「たぶん、働きます」
私 「働くって、就職するの?自分で起業するの?」
A子 「もちろん就職します」
私 「就職する時は、就職していいですよ、って誰が決めるの?」
A子 「企業」
私 「そう。・・・で、採用が決定する前に、どんなことしなくちゃいけない?」
A子 「就活」
私 「えーっと・・・。採用と就活の間には、どんなことがある?」
A子 「面接」
私 「そうだよね。その面接で、自分のこと、どう伝えるの?」
A子 「わかりません」
私 「今みたいに、“わかりません”で終わったら、面接に通ると思う?」
A子 「思わない」
私 「でしょ?だから、そこで伝えられる中身と、技術を身につけるために学ぶんだよ」
こんな調子で、一人一人の学生に学ぶ目的を明確にしてもらいました。
手間と時間がかかるけど、「目的」というアンテナが立たない限り、どんな素晴らしい知識も、引っかからないのです。