少しマニアックなおはなしです。
普段から「昔の人はどうやってお茶を製茶していたんだろう…?」
と疑問に思っていました。
現在では機械による製茶が主流で、一度に沢山のお茶を製茶することが可能ですが、
機械の無かった昔はどうやってお茶を製茶していたのか…?
先日お茶の勉強会に行ったところ、ようやくこの疑問が解けました。
昔の人は手作業で製茶していたんだそうです。
今日はその時代の人の手による製法 「手再製」 を紹介します。
そのなかのひとつ「箕(み)」を使ったお茶を分別する職人技です。
お茶の工場にある箕です。竹で編まれています。
普段は、写真の様にお茶を入れて運ぶのに使います。☆
しかし昔はいろいろな使い方があったそうで、この箕が製茶道具のひとつでもあったそうです。
これは箕の上でお茶をふるって重い茶と軽い茶を分ける 「輪簸だし(わひだし)」という技です。
熟練の茶職人が箕をふるうとお茶が環状になり、
重いお茶が中心へ、軽いお茶が外側へ分けられます。
この時重いお茶は煎茶へ、軽いお茶は粉茶へ分別されます。
慣れていない人が箕をふるってもお茶はなかなか環状にはならず、お茶も分れません。
この技を習得するのには何年もかかるそうです。
これぞ 職人技!
この作業の他にもお茶を揉んだり、炭で火入れをしたり様々な作業を人の手で行っていたそうです。
この手間ひまは機械化の進んだ現代では忘れがちです。
しかしどんなに便利になっても最後はやはり人の手の感覚や経験 を大切にしていかなければならないと
この勉強会を通じて痛感しました。