水鏡 パワースポット | 彩希 ユキノの花舟@微笑℃ルーム
つづき


 窓の外のあじさい


水希「あ、ほんとだ。空が明るくなってあじさいが雨のしずくでキラキラだ」                      


カエル「行っただろ?嵐の時は短いって」


水希「アシナガバチが大きな豆を運んで


で飛んでいるし」


カエル「水希、外に出ないか?」


水希「うん、うん。マリも連れて行く」


 


○水希の家の前・道路・水たまり


 


   大きな水たまりが出来ている


   水希、マリを抱っこして水たまりでしゃがむ


水希「え!いつも歩くけど何もなかったところにこんな水たまりが出来るなんて。あ。お日様や雲も水たまりにいる。不思議。エへ、私もいる」


   お人形のマリの足が水たまりにつかる


マリ「雨の日だけに現れるパワースポット、水鏡ね」


水希「エッ?」


   マリが水たまりをポチャポチャ歩く


水希「マリ?」


マリ「雨上がりは楽しいわ」


水希「あ、マリがしゃべった」


マリ「わたしだって話せるわよ。だってここは、何気ないここの雨の日だけの水鏡のパワーでね」


カエル「何気ないここの雨の日だけのパワースポット、」


マリ「いつも見えない景色がここに雨あがりだけに映る水鏡」


水希「水鏡?」


カエル「あの日の水鏡、君が僕のおかあさんにお菓子をくれた・・・」


水希「覚えてないわ」


マリ「ね、この水鏡、何か見えるわ」


 


×××


○水鏡の中・水希の家の台所


   清美が家計簿を見て頭を抱えている。


清美「あ、今月、赤字ね、いつになったら、旅行や家を建てて楽しく暮らせる ようになるのかしら」


 


○水希の家の前・道路・水たまり


水希「あ、おかあさんだ」


マリ「頭を抱えているわね」


水希「ん、最近、物価が高いって怒っているの」


カエル「そうか」


マリ「カエル君、助けてあげなさい。そのために来たのでしょう?」


カエル「あ~、この何気ない雨上がりのパワースポットにひたればこのぐらい朝飯前さ」


マリ「そうよね」


水希「このパワースポット、願いが叶うの?」


カエル「マリが動けるようになるように3つの願いを聞けるのさ。ただし水が渇いたら無理だぞ」


水希「カエルさん、お願い。おかあさんを助けてあげて」


カエル「よし、この世の中から、収入は減らないで支払う金額の一桁のゼロを減らしてみせる。そうれ!」


 


  ○水鏡の中


    清美が買いものに行く


清美「えっと卵10個 12円、えっ12円


 鶏肉200グラム20円、そうそう家の


支払いのメモメモ、5300円、電気代5


30円 教育費も530円、嬉しいわ。こ


れだと無駄使いに気をつけてと旅行もみん


なで集まる家も目標が立つ。明日の希望を


持てる。この前まで支払いは一桁多かった


わよね。」


 


○水希の家の前・道路・水たまり


カエル「これでいいか?」


水希「ありがとう。カエルさん。さすがの何気ない雨上がりのパワースポットね」


マリ「カエルさん、ヤッタじゃない」


 


○水鏡の中・ハローワーク


 叶人が面接を受けている


叶人「正社員がいいのですが非正規雇用しかないです。なんとかならないですか」


相談員「今のこの時勢ですと、何か経験おありですが?」


    頭を抱える叶人


叶人「一生けん命働くのでお願いします」


 


○水希の家の前・道路・水たまり


水希「あ、おとうさんだ」


マリ「何てこと、働きたいって言っているのに非正規雇用は選んでいないし」


水希「いつも、お父さんが不機嫌でこわいの」


カエル「それは何とかしなければ。水希、2つ目の願いでいいか?」


水希「お願いします」


まり「そうよね。やる気があるなら生きがいのある安定した仕事をだね」


カエル「ヨシ、世の中、雇用の安定へそうれ!」


 


○水鏡の中・ハローワーク


  叶人が面接を続けている


相談員「最近 経済がうまくまわりみなさん元気になられて赤ちゃんもたくさん生まれてきているそうですよ」


叶人「それに続いて仕事が増えていますか?」


相談員「そうですとも。こちらの会社に行ってみてください」


叶人「頑張ります」


相談員「生きがいのある仕事になりますように。何かあったら、又相談に来てください」


 


○水希の家の前・道路・水たまり


マリ「水希、良かったね。まず第一歩からだ」


水希「ありがとう。カエルさん」


カエル「いえ、どういたしまして。あと一つ願いは叶うよ。どうする。この水たまり少し乾いてきたからね。願うなら今だ」


水希「私、おとうさんとおかあさんと遊園地に行ったことがなくて行ってみたいの」


マリ「そうよね、いつも喧嘩ばかりだった」


カエル「お安い御用さ。今度、晴れたら、水着もっていきなさい。楽しい思い出になる」


水希「ありがとう。カエルさん。まだ水は少し残っていてマリとカエルさんが映っている」


マリ「そうね」


水希「おまけに4つめの願いにカエルさんとマリの幸せを祈りたいの。カエルさん。おまけしてくれる?」


カエル「いいよ。でもそのかわり僕は消えるし、マリは人形に戻る。それでもいいか?」


水希「エッ、いなくなっちゃうの?」


カエル「心配するな。カエルはカエルとしての道を歩くのが幸せ。マリはマリで人形として君を見守るのが幸せだからね」


水希「そうなンだ。でもカエルさんにもマリにも幸せになってほしい」


カエル「いいね。それじゃ、グッドラック」


    マリを抱えた水希がいる


水希「あ、水たまりがもうない。パワースポットが消えちゃった」


   空に大きな虹がかかっている


 


×××


○遊園地


   マリをかかえた水希・清美 叶人の歩いている姿。


   3人でカエルのボートに乗る


水希「おかあさん、遊園地に連れて来てくれてありがとう。おとうさんもね」


   清美と叶人の笑顔


   夏の花火が上がる


           終わり