2020年9月26日(土)
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島
ベイスターズ 5-2 カープ
勝 濵口遥大 6勝4敗
S 三嶋一輝 1勝1敗10S
負 森下暢仁 6勝3敗
3点差の9回裏。
試合はまだ終わっていない。
だが、多くのカープファンが家路を急いでいた。
敵地のファンに勝利を諦めさせるほど、今のハマの守護神の力は圧倒的だ。
何があってもブレない。
全く表情が変わらない。
先頭打者に出塁を許しても、それは変わらない。
何もなかったかのように3人の打者を押さえ込む。
シーズン途中から刻んだセーブは、これで10となった。
「中継ぎで投げるのと同じ気持ちで投げてきて、その積み重ねが今日、という感じ。9回を任されている意味を、自分の姿で表現するしかないと思っています」
背番号17は、今日も淡々と仕事を成し遂げた。
前代未聞のスタートを切った2020年シーズンも終盤に差し掛かる。
誰もが経験したことのない状況の中、どのチームのどの選手にも想定できない事態に巻き込まれてきた。
ハマの守護神にして侍ジャパンのクローザー・山﨑康晃。
「小さな大魔神になります!」
2015年のルーキーイヤーからストッパーの重責を担い続けてきた。
「今年は3回胴上げ投手になります。リーグ優勝、日本一、そしてオリンピックで金メダルです」
横浜スタジアムが野球のメイン会場になるはずだった東京オリンピックは延期。
3ヶ月遅れで開幕したシーズンでは、ふがいない投球が続く。
5年間守り続けた守護神の座を明け渡すことになった。
その「代魔神」に指名されたのが背番号17だった。
「自分ほどチャンスを与えられて、それをモノにできなかった人間はいなんじゃないかと思います」
2013年のルーキーイヤーに、ローテーション投手として活躍。
翌シーズンに開幕投手に大抜擢されるも、2回9失点でノックアウト。
この年のルーキーにして法政大学の先輩・三上朋也が敗戦処理としてプロのマウンドにデビューしている。
三上はこの年、クローザーに抜擢され大躍進。
しかし、その疲労から翌シーズンは棒に振る。
その三上の代役が山﨑だったのだ。
徐々に力をつけていったチームは、12球団ラストで2016年にクライマックスシリーズに進出する。
当時のリーグ王者カープに立ち向ったのもこのマツダスタジアム。
背番号17は先発のマウンドに上がったが、結果を残すことができなかった。
翌2017年も同じマツダスタジアムでのファイナルに進出。
最終戦で1回ノックアウトされた法政大学の後輩・石田健大をリリーフしたのが彼だった。
かつての彼を先輩の三上が支えたように。
見違えるようなピッチングで、リーグ王者のカープ打線をねじ伏せていく。
19年ぶりの日本シリーズ進出決定試合の勝利投手になった。
翌年からリリーバーとして大車輪の活躍。
勝ち試合でも。
負け試合でも。
敗戦処理の試合でさえ、彼の姿がマウンドにあった。
2019年9月21日。
横浜スタジアム。
ジャイアンツ戦。
1点リードの9回表に山﨑が打たれ、延長戦に。
そのマウンドには背番号17。
優勝決定試合での敗戦投手となってしまった。
「目の前で胴上げを許した、あの日の悔しさは忘れられません」
穏やかな表情の裏には、熱く燃え上がる闘魂が漲っている。
一つの節目の記録が、あの日と同じマツダスタジアムで刻まれた。
8回裏のマウンドには、あの日リリーフした石田健大の姿。
抜群の安定感で、今日もホールドを記録。
その石田の後を受けて、一つの節目の記録が刻まれた。
久々のセーブシチュエーションでの登板には、山﨑のアドバイスもあったという。
誰かが躓けば、誰かが支える。
誰かが倒れたのなら、誰かが立ち上がる。
そして、皆で戦い続ける。
横浜の9回には、背番号17がいる。
たたかうぞ
闘志みなぎらせて
勝利の海
行くぞベイスターズ
横浜DeNAベイスターズ。
背番号17。
三嶋一輝。
AUDACITY
どんな時も堂々と、自分らしく。
心をひとつに。
BECAUSE WE ARE FAMILY.
2020年9月19日(土)
横浜スタジアム
ベイスターズ 7-1 ジャイアンツ
勝 濵口遥大 5勝4敗
負 今村信貴 3勝1敗
再び灯された炎は、更に燃え上がった。
それを13,000人を超える熱き星たちが、熱い拍手とともに見届けた。
1回裏から、頼れるキャプテン佐野恵太の先制打で主導権を握ったベイスターズ。
先制のホームを踏んだのは、蒼い韋駄天だった。
3回裏の第2打席。
強く振り抜いた打球は、この日を待ちに待ったライトスタンドのファンのもとへ突き刺さった。
「頭の整理ができていて、いいイメージで打席に入ることができました。貴重な追加点を取ることができうれしいです」
流れは一気にベイスターズ。
続くネフタリ・ソトの弾丸ライナーは来日通算100号のメモリアル・アーチとなった。
2点リードで迎えた7回表。
「オトコハ、ダマッテ、ナゲルダケ」
エドウィン・エスコバーの渾身の投球で、1アウト満塁の大ピンチをピッチャーゴロ・ダブルプレーで切り抜ける。
ピンチの裏にチャンスあり。
1アウト1塁で、背番号3に打席が回る。
再び強く振り抜いた打球は、熱き星たちの待つライトスタンド中段への2ランホームラン。
この後、キャプテン佐野恵太にも2ランホームランが飛び出し、この回で試合を決めた。
夏場に入り絶好調の彼も、這い上がってきた男の一人だ。
2012年のDeNA新球団発足後、彼は一軍に定着する。
「内野のスーパースターをつくりたいんだ」
初代監督の中畑清は、彼のポテンシャルに注目。
内野のレギュラーに抜擢する。
その期待に応え、2013年後半シーズンにブレイク。
2014年には外野手に転向して、背番号3が与えられた。
走攻守三拍子そろった逸材にファンの期待は高鳴った。
だが甘くないプロの世界。
他球団のマークがきつくなる。
結果が出ない時には、ファンから辛辣なヤジも飛んだ。
当時のハマスタは、自粛もしていないのにスタンドに空席が目立っていた。
だから、ヤジはよく響いた。
「よく聞こえてました。耳栓をして打席に入っていた時期もありました」
悩み続ける中、その壁を一度は乗り越えた。
再びレギュラーに定着し、チームのクライマックスシリーズや日本シリーズ進出に貢献。
名実ともにチームの看板選手となった。
だが全力プレイは諸刃の剣。
怪我との闘いの中、手術を決断。
回復しきれないまま臨んだ2019年シーズンは、夏場までファームで汗を流した。
「この時期までファームにいると、いろいろ余計なことを考えてしまいました」
様々な思いを胸にシーズン終盤に一軍に合流。
チャンスに強い打撃で、チームの2位躍進に貢献した。
したが、レギュラー奪回を約束されたわけではなかった。
2020年シーズンも、オープン戦では控えの扱い。
だが結果を残し続け、「一番センター」で開幕スタメンの座をもぎ取ってみせた。
そしてこの日も結果を残し、大観衆の前に帰ってきた。
「ファンの皆さんの声援が、私たち選手の力になっています」
「明日もスタンドで、そして球場に来ることができない方はテレビの前で応援をお願いします!」
栄光の頂への可能性は、僅かだが残された。
そして、我々は知っている。
横浜の本当の力を。
熱き星たちの力を。
ここぞという時の力を。
横浜冬の時代を知る男。
どん底から這い上がってきた「蒼い韋駄天」が、ハマスタを駆け抜ける。
灯された炎は、再び燃え上がった。
誰も見たことのないドラマの幕が上がった。
新たな歴史に
その名を刻め
梶谷隆幸
蒼い韋駄天
横浜DeNAベイスターズ。
背番号3。
梶谷隆幸。
I CAN DO IT.
不安があっても「俺はできる」と言い聞かせてプレイに臨む。
心をひとつに。
BECAUSE WE ARE FAMILY.
2020年9月18日(金)
横浜スタジアム
ベイスターズ 6-0 ジャイアンツ
勝 井納翔一 6勝4敗
負 戸郷翔征 7勝4敗
消えかけた炎は、再び灯された。
不甲斐ない戦いが続き、ジャイアンツのマジック点灯を許してしまった。
この日も負ければ、そのままズルズルと行ってしまう。
そんな危機感の中、背番号5は打席に向かった。
「中井さんがバントでつないで、気持ちよくいい流れで打席に入ることができました」
1アウト2,3塁のチャンスで強く降りぬいた打球は、鮮やかなタイムリーヒットに。
彼は小さくガッツポーズを見せた。
この後、タイラー・オースティンと梶谷隆幸にホームラン。
井納翔一、スペンサー・パットン、石田健大、三上朋也の完封リレーで、鮮やかな勝利を飾った。
「井納さんが初回から飛ばしていたので、なんとか先に点を取ろうと思って打席に入りました」
今季初のハマスタでのヒーローインタビュー。
「試合に出る喜びを感じています」
大きな仕事を成し遂げた男の笑顔が輝く。
「一度レギュラーを失って、それを取り返しに行く時には、倍以上のエネルギーが必要になるんです」
球団OBの佐伯貴弘は、今シーズンある試合の解説席でこう語った。
例えば、梶谷隆幸。
「トリプルスリーに最も近い男」と期待され、チームの看板選手になった。
怪我に苦しみレギュラーを失いながらも、今季大復活。
不動の一番打者に返り咲く。
例えば、桑原将志。
闘志あふれるプレイスタイルで、センターのレギュラーを掴んだ。
2017年にはフル出場。背番号1が与えられた。
しかし、打撃不振から現在はファームでの調整が続いている。
そして、背番号5もその「取り返しに行く男」の一人だった。
2015年のルーキーイヤーに、先発スタメンで開幕戦出場。
打撃不振からのファーム降格の乗り越えて、再びレギュラーを掴んだ。
2017年には、ポストシーズンも含めて全イニングフル出場。
だが、その後レギュラーをFA移籍してきた大和に奪われた。
昨シーズンは、半分以上をファームで過ごした。
何度も壁にぶち当たってきた。
何度も倒れたように見えた。
だが、彼は這い上がってきた。
そして2020年シーズン。
背番号5は、新たに輝き始めた。
「ファンの皆さんの応援が、選手の力になっています」
謙虚で物静かな男が、熱い闘志を胸に秘める。
シーズンは、まだ終わらない。
横浜の熱い季節が続いていく。
かっとばせ
見せろ男意気
さあ打つぞ
勝利へ導け
横浜DeNAベイスターズ。
背番号5。
倉本寿彦。
PLAY FROM THE HEART.
心こそ大切なれ。
心をひとつに。
BECAUSE WE ARE FAMILY.
2020年9月12日(土)
横浜スタジアム
ベイスターズ 7-3 ドラゴンズ
勝 濵口遥大 4勝4敗
負 松葉貴大 2勝4敗
「キッズSTAR☆NIGHT 2020」--子どもたち一人ひとりが星のように輝く、もう1つのSTAR☆NIGHT。
子どもたちの夢と、すべてのファンの願いに応えて、千両役者が帰ってきた!
プレー中による怪我でファーム調整が続いてた背番号23は、六番ライトでスタメンに名を連ねた。
当初は代打での出場が予定されていた。
「チームのためにとくかく貢献したい」
強い思いが指揮官を揺り動かし、復帰即スタメンとなる。
1回裏にチャンスで打席が回ってきた。
強く振り抜いた打球は、バックスクリーン横のカメラ席付近へ一直線。
183kmの弾丸ライナーは、2016年にトラックマン(弾道測定器)の計測が始まってからの新記録。
規格外の復帰弾が、チームに覆い掛かりつつあった暗雲を吹き払った。
「オマタセ!」
満面の笑顔でのヒーローインタビュー。
「ともかくチームの力になりたい。打順はどこでもいい。チームが優勝できればそれでいい」
常に全力疾走。
常に全力プレイ。
青い目のベイ戦士の復帰は、「まさかが実現」の切り札になる。
背番号23の夢を運ぶひと振りが、チームを栄光に導く。
横浜の暑い季節が続いていく。
夢を運ぶひと振り
君が刻むヒストリー
蒼く光る彗星
打てよタイラー・オースティン
横浜DeNAベイスターズ。
背番号23。
タイラー・オースティン。
Leave No Doubt.
正真正銘。誰に何を言われようと、努力を続け自分の才能を証明する。
心をひとつに。
BECAUSE WE ARE FAMILY.
2020年9月10日(木)
横浜スタジアム
ベイスターズ 7-8 タイガース
勝 ジョー・ガンケル 1勝2敗
S ロベスト・スアレス 1勝0敗14S
負 国吉佑樹 3勝3敗
横浜の夏、年に一度の一大イベント「YOKOHAMA STAR☆NIGHT 2020」。
最終日に、また新たな星が誕生した。
3点ビハインドの4回裏。
背番号61のルーキーに代打のチャンスが巡ってくる。
相対するは大ベテランの能見篤史。
海千山千のサウスポー相手に粘りに粘った8球目。
低めのストレートを鋭く振り抜いた打球は、バックスクリーンへ。
鋭い軌道を描き、プロ入り初ヒットが初ホームラン。
鮮烈なデビューを飾った。
1997年9月20日生まれ。
青森県青森市出身の22歳。
青森商業から青森大学へ進学。
高校も大学も、他県の強豪校からいくつもの誘いがあった。
「青森で活躍して、青森からプロ野球選手になりたい」
その誓いは結果となって現れる。
走攻守そろった逸材は、プロの目にとまる。
2019年ドラフト6位で入団。
横浜の東北地方担当スカウトは欠端光則。
「甘い球は見逃さずに長打にでき、追い込まれたら逆方向に打てる。抑えるのはしんどい打者」
岩手県出身の通算57勝右腕の眼力は確かだった。
同じ青森大学出身で、現在は関西担当スカウトの八馬幹典がかつて背負った「61」が背番号に決まった。
憧れの選手は、宮﨑敏郎。
そのフォームを参考にしてさらなる打撃開眼。
プロ入りにつながる大活躍に繋がった。
同じドラフト6位から球界を代表する選手になった偉大な先輩と戦える栄光の日々が始まった。
キャンプで頭角を現すも左手薬指を骨折。
滑り込みで開幕一軍入りも、代打で1打席に出場しただけでファーム再調整を余儀なくされた。
そのファームで圧倒的な結果を残し再昇格。
そしてこの日の初ホームランとなった。
「チャンスをもらっても、なかなか結果を出せず苦しかった。最高の結果でうれしいです」
バックスクリーンにぶち当たった記念のボールは、彼がダイヤモンドを駆け抜ける間にベンチに戻ってきた。
首脳陣やチームメイトから祝福される列の中、倉本寿彦の手から確かに渡された。
彼も八馬スカウトが担当した選手。
これにも不思議な縁を感じざるを得ない。
「青森の野球少年少女の憧れになりたい」
高校大学とねぶたの「引き手」を務めた。
入団時には、地元名産の黒ニンニクを持ち込み毎日食べている。
「自分の活躍で青森をPRできたらいいなと思っています」
記念のボールは青森の両親へ贈るという。
ハマの夜空を切り裂いた一撃は、伝説の第一歩。
青森生まれの超新星は更なる爆発を誓う。
横浜の暑い季節が続いていく。
港男は誰も みんな
答えが出せるさ Go Go Let's Go!
ここで一発 蝦名!
ここで一発 蝦名!
ライトへ レフトへ ホームラン
それゆけ それゆけ それゆけ 蝦名!
横浜DeNAベイスターズ。
背番号61。
蝦名達夫。
No glory without suffering.
苦しみなくして栄光なし。
心をひとつに。
BECAUSE WE ARE FAMILY.









