空に向かってかっ飛ばせ!
未来のアスリートたちへ
筒香嘉智

闘いに挑む凛々しき戦士の眼光。

子供たちと野球を楽しむ青年の心からの笑顔。


表紙の筆者の対照的な表情は、同じ人物とは思えない落差がある。

だが、この2枚の写真こそがこの本のテーマだ。


横浜DeNAベイスターズのキャプテンにして、侍ジャパンの主砲。

著者は日本中の野球少年たちの憧れの存在。

その彼が、愛する野球のために、未来のアスリートたちのために、あえて語り尽くした。


少子高齢化以上の勢いで減少している野球少年人口。

その原因のひとつに、「勝利至上主義」があると警鐘を鳴らす。


経験を押しつけるだけの一方的な指導。

叱責や怒号が飛び交うグラウンド。

選手の健康や可能性や将来よりも、目先の勝利のために繰り返される采配。

野球界における「教育」は、指導者の経験則からの「教える」側面だけで、「育む」側面が大きく欠けているのではないか。


少年時代から日本一の打者になっていく中での自身の体験になぞらえ、プロ野球選手として活躍しながら、自身の出身のボーイスリーグから改革の闘いを始めている。


スポーツの主役は選手。

ならば、その選手ひとりひとりの可能性、それぞれの考える力を伸ばしていく指導こそが、今求められていると力説する。

「自分の考える型にはめるのではなく、僕の特長や目指してきたことを理解して、それを伸ばして下さるコーチと出会ったことが、僕の転機でした」(123ページ)

ベイスターズに入団後伸び悩んだ時期に、徹底した対話と、目指すべき目標を明確にした上での徹底した練習。

その先に現在の彼の姿がある。

その言葉は重い。


「経験論ばかりを語り、指導について学んでいない大人たちが、悪気はないにせよ勝つために子供たちを酷使し、それが多くの選手の将来を台無しにしていることは、あまりに残念でなりません」(179ページ)

良いも悪いも全て経験してきた上で、現在を全力で、そして未来のために我らのキャプテンは闘う。

ならば、この本を読んだ一人として何か出来ることはあるはずだ。

ハマの主将の、日本の主砲の闘いは、始まったばかり。

日本の野球が、今大きく変わり始める。


横浜の空高く
ホームランかっ飛ばせ 筒香
さあ打て 筒香
飛ばせ 空の彼方
横浜に輝く大砲
かっ飛ばせ ホームラン

横浜DeNAベイスターズ。
背番号25。
筒香嘉智。

Para la calle!
空に向かってかっ飛ばせ!


2018/10/26(金)


横浜スタジアムのロッカールームで荷物を片付けながら、彼は人目はばからず号泣していた。

愛するベイスターズで優勝したかった。
野球人生を全うしたかった。

あの日の涙から5年の歳月がたった。

今日、彼は一軍バッテリーコーチとして、5年ぶりに復帰することが球団から発表された。


1977年5月30日生まれ。
兵庫県高砂市出身の41歳。

神港学園高校から、1995年ドラフト5位で入団。

2004年に一軍に定着すると、相川亮二に次ぐ二番手捕手として活躍。

別れは突然やってきた。

2008年6月10日。
シーズン中に真田裕貴とのトレードでジャイアンツに移籍。

最下位に喘ぐチームは、タフネス右腕の獲得の代償として、彼を放出してしまう。

ジャイアンツ移籍後は、阿部慎之助の控えながらも、日本シリーズにも出場。

大きな舞台を経験し、着実に力をつけていく。

そして勝ち取ったフリーエージェントの権利。

2011年12月11日。
新生横浜DeNAベイスターズへの復帰を果たす。

トレードで放出された球団に、FA権を行使して、凱旋してきてくれたのだ。

相も変わらず下位に喘ぐチームにあって、正捕手として活躍。

時には激しく。
時には包み込むように。

栄光を知らない投手達を引っ張って行った。


そして、別れは再びやってくる。

2014年1月6日。
FAでタイガースから移籍した久保康友の人的補償選手となることが発表される。

男泣きに泣いて、愛する横浜を後にして、故郷の兵庫へ。

タイガースの入団会見では、満面の笑顔で抱負を語った。

もう涙はない。
あるのは古巣への闘志のみ。

彼の移籍後、ベイスターズはタイガースに勝てなくなった。

2014年から5年連続で負け越している。


藤浪晋太郎、呉昇桓らと抜群の相性も発揮。

2014年には、またもや日本シリーズ出場を果たした。

2016年オフに現役引退。

千葉ロッテマリーンズのファームコーチを務めた後、今日の復帰発表となった。

20年前、横浜が日本一の栄光に輝いた時、彼はまだ横須賀の選手だった。

愛する横浜に、3度目の入団。

捲土重来を期するベイスターズには、バッテリーの強化が最大の課題。

その豊富な経験と、熱き魂。
勝利への執念が、チームを栄光に導く。


我らは日々信じる
お前のバットが
勝利に沸く歓声
こだまさせる

横浜DeNAベイスターズ。
一軍バッテリーコーチ。
背番号74。
鶴岡一成。

日本一を横浜で成し遂げよう!

VICTORY is within US.


2018/10/23(火)

史上唯一、横浜大洋ホエールズ、横浜ベイスターズ、横浜DeNAベイスターズで活躍した大エースが、帰ってくる。

現役25年間で、535試合登板。172勝184敗。

彼の野球人生は1998年の日本一の歓喜以外の時期は、苦しみや悔しさと向き合う日々だった。


1973年12月25日生まれ。
奈良県橿原市出身の44歳。

大和高田市立高田商業高校から、1991年ドラフト6位で、横浜大洋ホエールズに入団。

剛速球があるわけでもない。
魔球があるわけでもない。

ならば、練習して技術を磨いていく以外に道はなかった。

そして、目立ってやろう。
誰もやっていないリーゼントをトレードマークに、頭角を現していった。

だが、1998年の日本一以降は横浜の暗黒時代。

雨が降ろうと、ハマスタに閑古鳥が鳴こうと、彼は投げ続けた。

応援してくれるファンが喜ぶために。

もう一度、強いチームを倒して優勝するために。


2011年オフに新球団となったベイスターズは、着実に力をつけてきた。

2017年にはリーグ3位ながらクライマックスシリーズの激戦を勝ち抜き、19年ぶりに日本シリーズにも進出。

優勝しかない!
誰もが期待する中臨んだ2018年シーズンは、まさかのBクラス。

先発投手陣の崩壊が、その大きな要因の一つであることは誰の目にも明らかだ。

指導者としてベイスターズに戻る。
そのためにありとあらゆる経験を積んできた。

満を持して、ハマの番長が帰ってくる。


Go Go Let’s Go
跳ねろマウンド 三振奪取
決まってるぜ リーゼント
勝利だ三浦

横浜DeNAベイスターズ。
三浦大輔。


HIT IT, IF YOU CAN.
打てるものなら、打ってみろ!

VICTORY is within US.


2018/10/23(火)

大洋ホエールズ最後の強打者にして、横浜ベイスターズの監督代行、湘南シーレックス(かつてのベイスターズの二軍)監督などを歴任した背番号26。

1956年7月9日生まれ。
神奈川県小田原市出身の64歳。

藤沢商業高校から、1972年ドラフト3位で大洋ホエールズに入団。


朴訥で激しい自己主張をしない彼だったが、元大リーガーの名三塁手クリート・ボイヤーの懇切丁寧なアドバイスにより、その才能を開花させる。

ボイヤーの帰国後は、その後継者としてサードのレギュラーを勝ち取る。


滞空時間の長い美しい放物線を描くホームランを、幾度となく川崎の、そして横浜の夜空に打ち込んだ。

引退後は指導者として、今や球界を代表する強打者を何人も育て上げた。

多村仁志。
金城龍彦。
内川聖一。
村田修一。
吉村裕基。
下園辰哉。
梶谷隆幸。

そして、筒香嘉智。

皆が、異口同音に語る。

「田代さんには、本当にお世話になった」

いつも一生懸命なのに、どこか抜けたところが憎めない性格から、ついたあだ名は「オバQ」。

2009年シーズン途中には、低迷するチームの監督代行に就任。

最下位に喘ぎながらも、選手を信じ、育て、指揮をとっていった。

「来シーズンも、オバQでお願いします!」

オールスターブレイクの際に開かれた決起集会では、当時のチームリーダー 村田修一が、ユーモアを交えて球団幹部に直訴。

誰からも愛されていた。

翌2010年は、再び二軍監督に就任。

横浜高校から入団した筒香嘉智を、鈴木尚典と共に育て上げた。

「俺には背広は似合わない。現場にこだわりたい」

球団からのフロント就任要請を断り、彼は静かに球団を去っていった。

その後、様々な球団を渡り歩いてきた。

そして今日、球団は彼のコーチ就任を正式に発表した。

旅に出ていた「最後のクジラ」が、横浜に帰ってくる。


横浜の空高く
ホームランかっ飛ばせ  田代

田代が打つぞ
一発ホームラン
気合を込めて
スタンドへ

横浜DeNAベイスターズ。
田代富雄。


反転攻勢の戦いが、始まった。

VICTORY is within US.


※去年の今日の記事を再投稿します。

泥の中の決闘。

今、読み返して改めて思う。

やはり、優勝するしかない。

ハマスタでCSやって、日本シリーズ行って、ペナントを勝ち取りたい、と!


2017クライマックスシリーズ・セ 1stステージ  阪神甲子園球場
第1戦
10/14
B0-2T
勝 メッセンジャー
負 井納
S ドリス

第2戦
10/15
B13-6T
勝 三上
負 桑原

第3戦
10/16
B-T
試合前中止。
※10/17に順延。

プロ野球秋の陣。
ポストシーズンが幕を開けた。

雨の甲子園球場。
第1戦は両先発がヒットを打たれながらも、要所を締める投手戦。
6回裏、タイガースの4番福留孝介が、ベイスターズ先発の井納翔一のストレートをバックスクリーンに運ぶ大アーチ放ち、勝負あり。

超短期決戦は、まずはタイガースが王手をかけた。

迎えた第2戦。
雨は降り続け、止むことがない。

試合開始を1時間延期し、阪神園芸の皆さんの必死のグラウンド調整で、プレイボールにこぎ着けた。

ベイスターズ先発は、今永昇太。
タイガース先発は、秋山拓巳。

懸命のグラウンド調整にもかかわらず、悪化していく甲子園のダイヤモンド。

二人とも本来のピッチングが出来ずに、揃って3回で降板。
リリーフ陣に後を託す。

引き分けならば、タイガースがファイナルステージに進出。
ベイスターズは勝つしかない。

5回裏の攻防が終われば、試合は成立してしまう。

雨の中、泥の中、取って取られての攻防に、甲子園球場に集った両軍のファンは一喜一憂する。

「コンディションは相手も一緒。自分たちの野球をするだけでした」

5回表。
3-3の同点。
2アウト1塁。
打席には、我らがハマのキャプテン、侍ジャパンの4番。

ここで凡退して5回で試合がコールドで成立してしまえば、ベイスターズの2017年シーズンは、終わってしまう。

「戦いなので。遊び事じゃない。向こうも必死に本気できているし、こっちも本気だよということです。生ぬるいことはできないと思いました」

タイガース石崎剛が内角に投じたボールが、顔面付近をかすめてしまう。
必死によけ、のけぞるキャプテン。

ぬかるんだ足元にバランスを崩し、泥まみれのグラウンドに転倒してしまう。

ユニフォームは泥だらけ。
ただし、武士にとっての刀ともいえるバットは守り抜いた。

そして、勝負師の顔が一段と強さと怖さと鋭さを増した。

繰り返すフルスイング。

執念の一打は、1,2塁間を破るクリーンヒットとなり、宮﨑敏郎の勝ち越しタイムリーへと繋がった。

間違いなくこのシーンが、この試合のハイライト。

雨と泥にまみれた主砲の戦う姿に、魂を揺さぶられた。

泥の中に咲く蓮華のように、困難をものともしない力強さがあった。

7回表には、兄弟のように横浜高校から連れ添う乙坂智に3ランホームランが飛び出し勝負あり。

ベイスターズは、ファイナルステージへ逆王手をかけた。

「もう勝つしかない。明日勝って、広島(ファイナルステージ進出)を決めれるようにがんばる」
キャプテンの言葉は、金剛のように力強い。

横浜の空高く
ホームランかっ飛ばせ 筒香
さあ打て 筒香
飛ばせ 空の彼方
横浜に輝く大砲
かっ飛ばせ ホームラン
GO GO TSUTSUGOH!

横浜DeNAベイスターズ。
背番号25。
筒香嘉智。

栄光目指して、心を一つに。
I☆YOKOHAMA!


2018/10/13(土)

本来ならば、神宮球場にいたはずだ。
だが、シーズンは終わってしまった。

ならば、仕事帰りに行くのは外苑前駅ではなく、帰り道の銭湯。

品川区の松の湯。

別料金のサウナ奮発し、湯船に浸かり、水風呂に浸る。

その時見慣れた「青」が目に入る。

五分刈りで、鍛え上げられた肉体の青年が、水風呂の共にしていたのは、あのタオル。

「今永昇太」

脱衣所で一緒になり、思わず声をかける。

「お兄さん、ベイファン?」

「あ、はい、そうです(^ω^)」

「ハマスタで見る風景が、いつもの銭湯で見られたもんで、声かけちゃった」

「全然オッケーす」

「今永推し?」

「そうっすね。誰推しっすか?」

「まずは筒香。内野は倉本。投手は今永。キャッチャーは伊藤光ね」

「あぁ、オリックスから来た! 戸柱は今シーズンどうだったんすか?」

「途中からファームだったね。CS今日からだね」

「あー、でも今年の成績で行ってもですよね。あ、番長コーチっすね」

「だよな。ピッチャー生まれ変わるよ」

「あと、ジャイアンツから田代さん戻って来るんですよね!」

「おお、村田や内川も育てたしね! 楽しみ。いつからファンなの?」

「小4ですね。村田ですね」

「いろいろ、ありがとう。また会おうね」

「ありがとうございます!」

で、笑顔で別れた。

東克樹や砂田毅樹と同学年の23歳だという好青年。

また、湯船で会えるだろう。

ベイ愛は、世代も時間も越える。

シーズンは終わった。

だが、どこよりも先にスタートした。

さぁ、投げる哲学者よ。

ファンの層は確実に広がっている。

後は、結果で応えよう。

実りの秋から、鍛えの冬へ。

万全の準備で、春の陣を駆け抜けるのだ!

左腕が唸れば
狙いは外さない
ピンポイントの技
攻めろ 攻めろ 昇太

横浜DeNAベイスターズ。
背番号21。
今永昇太。

THE FLOWER THAT BLOOMS IN ADVERSITY IS THE RAREST.
ピンチの時こそ自分が成長出来るチャンス。

VICTORY is within US.

2018/10/10(水)  阪神甲子園球場
B1-2T
勝  能見
負  今永
S  ドリス

2011年秋。
横浜ベイスターズは、球団譲渡。

いわゆる身売りで、新興IT企業のDeNAに売却される。

「何十年かに1度だけ優勝するのではなく、毎年優勝争いに絡めるチームにしたい」

新球団の首脳たちの高邁な理想と程遠く、チームは相変わらず低迷を続ける。

ファンの心はささくれ立つ。

新球団の監督は、中畑清。

球団OBでもある工藤公康との交渉が決裂し、絶好調男に白羽の矢が立つ。

「外れ1位みたいで悪いんだけど」

ジャイアンツの先輩でもあり、新任GMの高田繁は中畑にこう語りかけ、初代監督が決定。


「負け犬根性が染み付いたチームを変えたい。それを打ち破るムードを持っているのは彼だった」

2009年ドラフト1位で横浜高校から入団。

ルーキーイヤーにはファームで本塁打と打点の二冠王。

ぶっちぎりの最下位で迎えたシーズン最終盤に一軍昇格。

ホーム最終戦で、タイガース黄金のJFKの一角 久保田智之から、プロ入り初ホームラン。

どん底の暗闇の中、ファンは希望の光を見た。

そんな彼を、中畑は手塩にかけて育成する。

彼もその思いに応えて、才能の芽をぐんぐん伸ばしていく。

2015年にはキャプテンに就任。そして、不動の四番打者となる。

ハマのキャプテン。
侍の主砲。
日本の四番打者。

日本中の野球少年が憧れる存在にまで登りつめた。

2017年。
レギュラーシーズン3位でありながら、クライマックスシリーズを勝ち抜き、19年ぶりの日本シリーズ進出を果たす。

大熱戦の末、絶対王者にして巨大戦力のホークスに一敗地に塗れる。

だが、彼は冷静だった。

「まだ何も成し遂げていない。勘違いしてはいけない」


優勝しかない!

こう決意し、挑んだ2018年シーズン。

相次ぐ故障者を抱えながら、首位を快走した春の陣。

劇的な勝利もありながら、最下位にまで沈んだ記録的猛暑の夏。

そして、反撃の秋。

まさかまさかの反転攻勢で、ポストシーズンまで、あと一歩の所まで辿り着いた。

だが、僅かの差で夢は叶わなかった。


「今年優勝を目指して戦うのはもちろんのこと、来年も再来年も、常に優勝争いをする常勝チームになれるように。そのために戦っていこう」

7年ぶりの本拠地開幕戦のダグアウトで、彼はチームメイトに語りかけた。

この結果の重みを、誰よりもわかっている。

この成績の屈辱を、誰よりも噛み締めている。

今日からが、新たなスタート。

今一度、横浜の時代を築く戦いを。

選手も、スタッフも、ファンも、皆、ファミリーだから。


横浜の空高く
ホームランかっ飛ばせ 筒香

さぁ 打て 筒香
飛ばせ 空の彼方
横浜に輝く大砲
かっ飛ばせ ホームラン

GO GO TSUTSUGOH!


横浜DeNAベイスターズ。
背番号25。
筒香嘉智。

VAMOS A SEGUIR ADELANTE!
前に、前に、積極的に行こう!


VICTORY is within US.


【ブログを読んでくださるの皆様】
今シーズン、本当にありがとうございましたm(_ _)m

シーズンは終わってしまいましたが、気が向いたらまた投稿します(^ω^)

今後とも、どうぞよろしくお願い致します\(^^)/


2018/10/09(火)  明治神宮野球場
B4-1S
勝  三嶋
負  館山
S  山﨑

ポストシーズン進出への僅かの可能性を残し、神宮の秋空にプレイボールがかかる。

目の前の試合とスマホでの速報に一喜一憂するスタンド。

リードを常に奪う展開ながらも、試合途中にベイスターズの2018年シーズンは終わってしまった。

一塁側やライトスタンドのスワローズファンからも、ため息が漏れる。

タイガースファンの友人からラインが届く。
「不甲斐ない戦いをしてすまない」と。

そして9回裏。
3点リードで、彼がマウンドに向かう。

怒涛のヤスアキジャンプが彼を迎え入れる。

三者凡退で今シーズン37セーブ目。
自身初のセーブ王を単独受賞で決めたその顔に、笑顔はなかった。

本拠地ハマスタで打ち込まれた。

勝負の夏に勝ち切れなかった。

あと1回、あと1人、あの時に抑えることが出来ていれば。

選手も、スタッフも、ファンも、みんなが悔しい思いを共有している。

こんなはずじゃなかった、と。

「みんなでAクラスを目指してやってきた。悔しい思いが強い。もっと力をつけないと」

誰よりも彼自身が、それを痛感している。

悔しさを知らずして成長はない。

この屈辱を力に変え、敗因を見つめ直し、また立ち上がるしかない。


そして、2019年秋。
凱歌のマウンドに必ずや向かうのだ。

君ならそれが出来る。


戦うぞ
闘志みなぎらせて
勝利の海
ゆくぞ  ベイスターズ

横浜DeNAベイスターズ。
背番号19。
山﨑康晃。

TAKE PRIDE IN YOUR WORK.
自分の仕事に誇りを持つ。

VICTORY is within US.


2018/10/06(土)  阪神甲子園球場
B3-4xT(延長10回)
勝  桑原
負  バリオス

2018/10/07(日)  MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島
B4-3C
勝  パットン
負  中﨑
S  山﨑

秋の夕暮れの甲子園球場。

サヨナラの歓喜に湧くタイガースナインを背に、茫然自失となってマウンドを降りる砂田毅樹。

10月6日夜。
ベイスターズ球団公式ホームページに掲載された1枚の写真は、勝負の非情さを映し出していた。

だが、その延長戦に持ち込めたのは、彼の一振りあってこそ。

ここまでほぼ完璧に抑え込まれていたタイガース藤浪晋太郎から放った一打は、起死回生の同点3ランホームラン。

翌日も、セ・リーグ最多勝の大瀬良大地から先制の2ランホームラン。

同点の9回表には、カープの絶対的守護神 中﨑翔太から決勝の犠牲フライ。


ポストシーズン最後の1枚の切符へ、他力本願ながらほんの僅かの可能性を残した。

神か、仏か、ネフタリ・ソトか。

105試合出場。
打率.310。
40ホームラン。

彼がいなければ、チームは間違いなくこの位置にはいない。


昨秋テストで入団した時、誰がこの活躍を予想できただろうか。

しかし、それは必然だった。

来日前には、日本球界経験者のアドバイスを求めて、入念な準備。

開幕後怪我でファーム調整が続いた時も、いち早くチームメイトに溶け込み、率先して練習に、実践に励んだ。

物事に偶然はないのだ。

この日の一打で、遂にホームランリーグ単独トップ。

「確かに自分のキャリアにとってみれば、ホームランキングになることは大事かもしれない。だけど、今はチームがCS進出をかけて戦っている状況で、そこに貢献することを第一に考えたい」

自分の事よりチームのため。

記録よりも勝利を。

「矢印を外へ向けよう」

開幕前にキャプテン筒香嘉智が訴えた事を、彼も実践し抜いている。

泣いても笑っても、公式戦はあと2試合。

可能性がある限り、全力で戦う。
そして、勝ち抜こう!

Going on ソト!
Touch'em all ソト!
君は嵐のカリビアン
見せつけてやれ
パワフルスイング

ソト! ソト! ソト! レッツゴー!

横浜DeNAベイスターズ。
背番号99。
ネフタリ・ソト。

THE LORD IS MY STRENGTH,
I HAVE NOTHING TO FEAR.
失敗を恐れずに挑戦し続けるんだ。主はわたしとともにいる。

VICTORY is within US.


1980年。
世界のホームラン王 王貞治が引退。

ある少年ファンは尋ねた。

「王選手が辞めた後、ジャイアンツの4番は、ファーストはどうなってしまうんですか?」

「4番も、ファーストも、山本功児選手がいるから大丈夫だよ」


後に川崎球場を本拠地としていたロッテオリオンズに移籍。

引退後は、千葉ロッテマリーンズの監督、読売ジャイアンツのヘッドコーチを務めた。

偉大な野球人を父に、彼はこの世に生を受けた。

1998年2月17日生まれ。
横浜市出身の20歳。

既にコーチを退任していた父は手塩にかけて彼を育てる。

その思いに応えて彼も成長していく。

福岡県の九州国際大学付属高校へ進学。

甲子園にも出場し、プロ志望届を提出。

2015年ドラフトでベイスターズから育成2位で指名される。

「育成でも支配下でも、野球をできることに変わりはない」と入団を決意。

晴れての親子鷹のプロ野球選手となった。

2016年4月23日。
父は肝臓がんのため逝去。
息子の一軍デビューを見届けることは出来なかった。

2018年10月3日。
ベイスターズの選手としての契約の終了が発表された。

環境を変えて野球を続けるのか。

新しい道に進むのか。

いずれの道を歩んだとしても、ベイスターズのユニフォームを来て、横須賀で流した汗は人生の宝。

親子して、プロの道に進めたこと自体がもの凄い事なのだ。

ハマの武白志は、これからもフルスイングで進む。


ここで一発  ムサシ!
ここで一発  ムサシ!
ライトへ  レフトへ  ホームラン
それゆけ  それゆけ
それゆけ  ムサシ!

かっ飛ばせ!  ムサシ!

横浜DeNAベイスターズ。
背番号101。
山本武白志。

I PITCH FOR YOU.
「感動球魂」が自分の礎。

VICTORY is within US.