家庭学習についてのちょっと真面目なお話。
小学校低学年まではさ、学校で完結するくらいの指導内容だから、まぁ子供によって大きな差が出るということはないんだけどね。
3年生ともなると、少し差が出始めます。
理由は次の通り。
①科目数が増える
社会、理科は意味合いとしては世の中に触れましょうというのがメインだけど、地図記号だったり生き物の種類だったり、『覚える』ということが増えます。
この、『覚える』数がゆくゆくネックになるわけですが…
②考える計算
算数ですね。
足す、かける内容も楽しく暗記がメインだった2年生と比べると、繰り上げ繰り下げ、文章の理解、見たことから情報を整理するという作業が一気に増えます。
③文章から推測する
主に国語ですね。基本的には国語の面白さというのは、必ず文章の何処かに答えがある、というところなのですが…
言い回しを変えたり、主題や結論が何なのかを考える事が必要になってきます。語彙力が伴わないと理解できなくなるのもここらへんからではないでしょうか。
④覚える数
漢字、作者名、作品名、計算式、そして理科、社会は完璧に暗記なのですね。
まぁその他にも色々あるとは思うのですが…基本的に学校の仕組みというのは、授業で5割は知識として頭に入る仕組みになっています。
僕らの時代は8割だったけど、今はグループワークとか、個々で考えるとかそういうスタンスになったのと、学校側もある程度学校外で学ぶ事が前提に変わってきています。中には宿題も一切ない学校もあるくらいですからね。
ということで、残りの5割は下校したあとの過ごし方が課題になるわけです。
親のアルアルですが…
テストにしてもプリントにしても、間違いだけを指摘すること。
確かに心配ですよね。通信簿にも響いたり…
けど、この『指摘』は、学期末や学年末のまとめだけで十分です。
勉強の出来る、出来ないの差は何か?
勉強の質の良し悪しです。
何もしなくても出来る…とまでは言いません。
繰り返しですが、今の学習は下校後の学習が前提です。
だからといって、我武者羅に塾だ、公文だ、教材だ…とやったところで覚える楽しみが苦痛になっている限りは変わりません。
学習の根底。
間違う事を恐れる指導方法は間違いです!
『こんなのもわからなかったの?』
『先生になんて教わったの?』
『全然できてないじゃない!』
これが苦痛の原因です。
この事により、子供は分からないことを隠す。
かつての自分がそうでした。
もう一度言います。
学校で完結するのは5割。
要は、学校の勉強だけで5割を学んでいる子はむしろ勉強の出来る子です。
これが3年生、4年生までの前提です。
これが高学年、中学高校となることで、分からない事を隠してしまった残りの5割が膨らみ、学校で完結する部分が4割、3割と減少していきます。
まず親として出来ること。
分からない部分を指摘するのではなく、分からない事をちゃんと出せた事を褒めます。
ぶっちゃけ、当てずっぽうで書いた答えが偶然正解した…というのが一番厄介で、ドリルやテキストなどの追加教材は敢えて間違ってもらうことを前提にします。
ここから先が、塾や家庭教師、赤ペン先生の出番です。
さて。
人間の脳というのは反復に対する適応能力が非常に優れています。例えば読書や映画、それからゲーム。
良い話は何回でも見返したくなるものです。けど、1回目からすべてを頭の中に叩き込むなんて人はいないよね?
例えば毎年放送されるジブリ映画。
ストーリー的にはラピュタが僕は好きですが…
今では、モールス信号からムスカの『キミはここで待っていたまえ!』
『親方!空から女の子が!』
なんてセリフや効果音まで頭にインプットされてて、だからこそSNSの『バルス祭り』なんてのも、今か今かと大勢の人が、その瞬間を待つのでしょうけど…
大体、1回目は全体像の把握から始まります。
翌年に、シーンごとのイメージや、確かこの先こうなって…という推測をして…
更に翌年の放送では、感動や衝撃以外の他愛もないキャラクターのやり取りが入ってきて…と。
あくまで一般論ですが…
3回目で内容の8割は頭に残るそうです。
そのウェイトは、やはり興味関心ですね。
好きなところはすぐに入るけど、苦手意識があると集中力が途切れます。特に、説明や言い回しが長かったりややこしかったり…
そういう時に初めて先生という立ち位置が生きるわけです。
その、興味関心を持ちにくいところが把握できないと、無駄に時間だけが消費されてしまう。
肝心なところに行き着く前に集中力が途絶えてしまう。
大体勉強が出来ないと言われる子は、この負の連鎖によるものでしょう。
分かるところだけに集中力を費やしてしまうから、わからないところに行き着く前に、達成感が得られてしまうのです。
この点が、現在個別指導が主体となっている所以ですね。
さて。
教材の話に戻ります。
進研ゼミ。あれだけ大々的にCMされると、素晴らしい教材に思えてしまいます。
確かに、赤ペンで丁寧なコメントがついて、わからないポイントを、やさしく傷つけずにやんわりと指摘してくれますね。
けど…
これで完結することはありません。
この教材は、上手な親の介入があって初めて成り立ちます。
最近は、チャレンジタッチという電子ツールがありますが…
お父さん、お母さん。
『◯問理解できました』というメールで満足していませんか?
必ず必要なこと。
本当に理解できたかを反復すること。
まとめの問題も時期ごとにありますが…
大事なのは、習った近辺で反復することです。
それじゃ、他にも何か買ったり習ったりが必要??
これはあくまで小学生の話です。
教科書で十分です!
教科書には必ず単元のまとめと理解のポイントが書いてあります。
教科によって違うのですが…
算数は、効率よく…というのが重要です。
その効率よく…という問題が教科書には必ず付属しているじゃないですか。
あれってちゃんと確認してますか??
2回、3回と繰り返して、理解度が足りない時はもう一度、チャレンジタッチの解説に戻りましょう。
次に国語。
小学生は文章に触れる事自体がハードルが高いことです。今はまして、授業が結構遅くまでかかるので、そこから習い事だ、宿題だ…と。忙しいですよね。
更に読書…。
いや、無駄です。
まずは、教科書の物語や説明文、これを読みましょう。
漢字は繰り返して書くことが大事ですが、書ける漢字まで繰り返す必要はありません。
教科書の下に、新しい漢字があります。
ちょっと手間かもしれませんが…
ノートに平仮名で書いておくのよ。
これ、今週中に漢字で書いてみ?
わからなかったら自分で辞書調べてみ?
10回書こう。
またテスト。
金かける必要はありません。
自分で調べることに意味があって、自分で書くことに意味があります。
物語読み終わったら、感想聞いてみりゃ良いんじゃない?
どういう話だった?
どうしてそれを思った?
言いたいことは何だった?
印象に残ったことは?
段落に分けてこれを確認してあげたらそれでよくない?
無理に印象付けるのではなく…
印象に残す作業を手伝ってあげるのです。
社会、理科も今の段階では公式とかないので…。
どこに行きたいね、どこに何があった?
教科書をもとに身近な例えを考える。
ここまで来て、初めてドリルやテキストの意味が出てきます。
まぁ、イメージとしては週末とか夏休み冬休みなどの長期的な時間よね。
なんなら、親が問題作って繰り返し解かせてもいいわけですし。
何があっても戻る先は教科書ですよ。必ず重要なことは教科書に書いてあります。
これでtestの8割は完結です。
模試とか全国レベルの何かを目指すとか…
私立入試とかなってくると応用が必要になります。
残りの2割や、応用、そのための塾、家庭教師と捉えるのが理想的と思います。
いずれにしても、教科書理解すら至ってない段階で私立だとか考えるのがまずは大きな間違いです。
これは家庭環境とかもあるでしょう。
今日のお話は、僕のようなあくまで一般的な家庭でのお勉強のお話ということをご理解ください。
それ以上を求めるならば、親が教育のプロ、あるいはプロの教育者に任せる、その前段階のお話でした。