帰り道、月が出ていた。
信号に止められて、顔を横に向けたら、丸い月。
黄色い大きな月。
平らな畑の彼方にはビルが建ち並び、低い影を作っている。
その上に大きな丸い月。
輪郭がにじんだおぼろ月。
なんて、きれいなんだろう、と思った。
月が、手が届きそうなほど低いところに出ている。
信号が変わり、バイクを走らせた。
月を背に走っている。
ミラーを覗いても、月はどこにもいない。
振り返っても、月はどこにもいない。
あまりに低すぎる。
木々に隠れて、おぼろげに輝く月。
家々に隠れて、おぼろげに輝く月。
土手に隠れて、おぼろげに輝く月。
ショッピングセンターで小一時間過ごして外に出た。
野原に出た途端に月とご対面。
少し輝きを増したか、白い大きな月。
輪郭がにじんだおぼろ月。
こんもり黒く盛り上がった林の上に丸い月。
月を見ながら、夜通し走ったら、なんて素敵なのだろう、と思った。
今日は十六夜月。