'04秋 日光ツーリングその1 | 旅ノカケラ

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▼某月某日

関東平野って、どこからどこまでだろう?
バイクを走らせながら、ふと、そんなことを思った。

近頃は都心を離れた地方都市にも住宅が建ち並び、大きな駐車場を持った郊外型の店舗が増えきている。まっすぐ北にのびる国道を走っているのだが、渋滞と信号の多さ、変わり映えのない風景にうんざりしてくる。ときおり町と町をつなぐ畑の先は霞みがかって山も見えない。たとえ見えてもこんもりした丘ぐらいの大きさだろう。平坦な道が続く平野の広さがいっそう疲れさせる。
10数年前に同じルートで日光に行ったときは片道4時間あれば楽勝!だったはずなんだが・・・
余裕の心は出発時間を遅らせ、すっかり陽が昇った頃に家を出たのがまずかったのか。
クタクタになって道の駅に寄ったが、いまだ県内から抜け出せないもどかしさでやりきれない。急に冷えこんだ日が続いていたので、真冬でも暖かそうなジャケットとオーバーパンツを着込んで来たのは、間違いだったかもしれない。ジャケットを脱いでTシャツ1枚になって、秋晴れの陽光の中を歩く。すごく場違いな感じだが、ひんやりした秋風が心地よかったり。

大型トラックが行き来する片側2車線のまっすぐな幅広い2桁国道を離れ、3桁国道に進んだ。道幅も狭くゴミゴミした印象だが、道の両側に建ち並ぶ店は、じゅうぶん昭和を思い出させる店構えが続く。ひと昔前なら古臭く田舎臭い地方都市そのものだ。それが、いい。
3桁国道はやがて県道になり鉄道と併走するように町々を結び大きな都市へと続いている。2桁国道は町から大きく離れた場所を通り、大きな都市でふたたび3桁国道と交差する。2桁国道は新しく出来たバイパスであって、3桁国道が昔から人々の行き交うかつての2桁国道だったかもしれない。
時間はかかるが、そこに生活の基盤がある人々が住む町中を走る3桁国道は、面白い。

山並みが近づき、3桁国道は二手に分かれ、山へと向かって行く。
橋の手前を左折すると、山陰から一変した風景が現れた。
山肌を切り崩したうねった道が続き、遥か眼下に川が流れている。
渓谷の道だ。
山ははっとするほど美しい装いになっている。
それは、惚れ惚れするような黄色と赤の山がどこまでも続いていた。
どこか適当な場所にバイクを停めて、ゆっくり紅葉を眺めるのもいいだろう。
しかし、ほとんど信号のない道、不規則な間隔で現れるカーブ、単気筒エンジンの音、流れゆく風景、どれもが心地よくアクセルをゆるめることが出来ない。

ダム湖を過ぎたあたりで信号に停められた。
数台続く乗用車の最後尾に街からそのまま抜け出したようなライダーが3人停まっていた。
クラシカルなSRにトラッカー仕様にしたTWと重量感あるドラッグスター。
カジュアルな服装にマフラーを首に巻きつけているライダーもいる。
彼らはゆっくりと走り、決してイエローラインをまたいで前を走る乗用車を数台抜くような無茶な走りはしない。
風景を楽しむようにバイクに身を任せるように、ゆっくりと走る。
ぼくの8ビートのリズムで走ってきたスピードが4ビートに落ちる。
もっとアクセルを開けたい。
もっと、もっと、もっと。
でも、バイクを3台抜き、連なる乗用車たちを抜き去る度胸もなければ、マシンの性能も備えていない。
秋を楽しむ時間が先程より長く感じられる。
イライラするより楽しんだ方がいい。
昔、銅山で栄えた町に向かう分岐に差しかかったが、先頭車両はみな旧道へ向かわず町を迂回するバイパスへとまっすぐ進んだ。
イライラを解消するなら彼らと別れ旧道へ進むべきだろう。
でも、ここまで思ったより時間がかかったので、後についてバイパスを選んだ。

つづく・・・