ショックの分類・・・・閉塞性ショック | 水戸済生会総合病院 臨床研修ブログ

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前回は分布性ショックについて紹介

しました。今回はショックの分類の

最後となる閉塞性ショックです。

 

閉塞性ショック(Obstructive shock)の

代表格は肺血栓塞栓症(PTE)です。

 

体液量は減っていないのですが、

肺動脈が閉塞してしまうことで

左房、左室への還流が低下して、

心拍出量が維持できない状態です。

 

他には緊張性気胸(血胸)や心タンポ

ナーデ、挿管中のPEEPのかけすぎや

外傷によるACS(Abdominal compartment

syndrome)も閉塞性ショックに該当します。

 

循環動態のパラメーターは、収縮能は

よいのですが、左室への還流が低下する

ので心拍出量(CO)と肺動脈楔入圧

(PCWP)は低下します。でも、肺動脈圧

(PA)、右室圧(RVP)、右房圧(RAP)、

肺血管抵抗(PVR)は全て上昇します。

PVRの明らかな上昇が特徴的です。

 

そして末梢血管抵抗(SVR)変わらないか、

循環不全の影響で上昇し、末梢への酸素

供給も悪化するのでSvO2は低下します。

 

表にすると下のようになります。

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