前回は分布性ショックについて紹介
しました。今回はショックの分類の
最後となる閉塞性ショックです。
閉塞性ショック(Obstructive shock)の
代表格は肺血栓塞栓症(PTE)です。
体液量は減っていないのですが、
肺動脈が閉塞してしまうことで
左房、左室への還流が低下して、
心拍出量が維持できない状態です。
他には緊張性気胸(血胸)や心タンポ
ナーデ、挿管中のPEEPのかけすぎや
外傷によるACS(Abdominal compartment
syndrome)も閉塞性ショックに該当します。
循環動態のパラメーターは、収縮能は
よいのですが、左室への還流が低下する
ので心拍出量(CO)と肺動脈楔入圧
(PCWP)は低下します。でも、肺動脈圧
(PA)、右室圧(RVP)、右房圧(RAP)、
肺血管抵抗(PVR)は全て上昇します。
PVRの明らかな上昇が特徴的です。
そして末梢血管抵抗(SVR)変わらないか、
循環不全の影響で上昇し、末梢への酸素
供給も悪化するのでSvO2は低下します。
表にすると下のようになります。