水戸済生会総合病院 臨床研修ブログ

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水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

今月初めのことですが、水戸協同病院

皮膚科部長、筑波大学臨床教授の

田口先生による、皮膚科レクチャーの

2回目が開催されました。

 

前回のこの記事でもご説明した通り、

以前は水戸済生会にも常勤の皮膚科

医がいたのですが、現在は非常勤のみ

で、お隣の水戸協同病院の皮膚科の

先生方に来ていただいています。

 

このようなご縁で、当院のJ2が水戸

協同病院の皮膚科をローテートさせて

もらうことが増えてきました。

 

今回のレクチャーのテーマは「薬疹」

でした。

 

入院中でもERでも、患者さんや看護師

さんから「薬疹ではないか?」「クスリの

影響は?」と聞かれることが良くあります。

 

そうかもしれないけど、安易に薬疹と

診断できない悩みは誰でも経験する

はずです。

 

そんな薬疹についての基本を非常に

分かりやすく教えていただきました。

 

続きはこちら

 

 

 

松永先生の感染症レクチャーから

髄膜炎についての続きです。

 

髄膜炎は一刻も早く治療を開始

することが肝心です。培養結果を

待っているヒマはありません。

 

なので、年齢などを考慮して原因

微生物を想定し、Empiric therapyを

開始します(下表参照)。 

 

 

そして、髄膜炎の治療では

「髄膜炎用量」で抗菌薬を

投与する必要があるのを

知っていますか?

 

血液脳関門(BBB)を通過して、

十分な濃度に達する用量として

設定されています。 

続きはこちら

 

松永先生の感染症カンファからの

シェアです。テーマは「感染症

Emergency」でしたが、今回は

Emergencyの中でも重要な髄膜炎

について2回に分けて紹介します。

 

髄膜炎は、頭痛だけでなく、何となく

反応が鈍いといった程度の意識障害

だったり、けいれん、神経巣症状も

来します。

 

大事なのは、迅速に診断して、

速やかに治療を開始することです。

 

さて、ここで質問です。

髄膜炎の時に見られる身体所見を

挙げて下さい。

項部硬直だけしか思いつかなかった

あなたはラッキーです。必ず続きを

読んでくださいね。

 

項部硬直以外にも、

 

Brudzinski徴候

Kernig徴候

Jolt accentuation

Neck flexion test

 

などがあります。

 

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本年度3回目の松永先生の

感染症カンファが開催されました。

 

今回のテーマは「感染症Emergency」

でしたが、レクチャーの中から、いい

ところをシェアします。

 

Emergencyには色々な意味がありますが、

感染症におけるEmergencyには

 

・時間

  経過が速い

・重症度

   局所の問題(壊死など)

   全身の問題(循環・呼吸動態)

・部位

   局所(髄膜、咽頭周囲、眼窩など

             重篤な機能障害が残る)

   全身(Focus不明のSeptic shock)

 

といくつかの意味があります。

 

今回の大事なメッセージとしては

「Emergencyであってもアプローチ

基本通り」

 

つまり、この3つを押さえることが重要

です。

 

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前回は院内の業務の中で最大の

ストレスである病棟からのコールを

減らすコツとして、「食事とクスリ」

を紹介しました。

 

今回はもう一つ、コールを減らす

ためのコツを紹介します。

 

それはコールのタイミングです。

勘のいいあなたは気づいていると

思いますが、病棟からのコールが

多いタイミングが2つあります。

 

1つ目は、申し送り前後です。

これはどこの病院でも同じです。

 

日勤の看護師が準夜の看護師に

申し送るために、日中の出来事を

まとめておく必要があります。具体

的には・・・・

続きはこちら

 

カンファの一コマ

 

J2のあなたは来年の研修先を

どこにするか、決めた人もいれば

まだまだ悩み中という人もいるかと

思います。

 

当院のJ2も決めた人、決められない

人などイロイロです。

 

専門研修を始めるには、専門医

機構に登録して、診療科と研修

施設を決める作業が必要になり

ますが、先日内科学会からメール

があって、昨年同様に11月1日から

登録が開始されるそうです。

 

さて、当院では基幹型の内科専門

研修プログラムを有しており、特に

腎臓内科、消化器内科、循環器

内科は内科専門医を取得後に異動

することなく各サブスペシャルティ

領域の専門医資格を取得できる

施設です。

 

5月には院内で当院の内科専門

研修プログラムの説明会を開催

しましたが、このところお問い合わ

せいただくことが増えてきました。

 

このため、院外で研修している

あなたを対象にZoomでの説明会を

開催することにしました。

 

開催日時は以下の通りです。

J2が対象ですが、関心のある方なら

医学生でもJ1でも参加可能です。

 

【水戸済生会 内科専門研修プログラム説明会】

 

日時:2023年9月15日(金)

    20時開始(40分程度の予定です)

場所:Zoom

内容:①内科専門研修の概略

    ②消化器内科の専門研修

    ③腎臓内科の専門研修

    ④循環器内科の専門研修

 

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ドクヘリが好きすぎて、パイロットに

なりたくなった消化器内科医naoです。

こんにちは。

 

今日はドクターカーの日でしたが、

当院の研修医の先生の中には、

ドクヘリに憧れて医者になった

なんて言う素敵な先生もいることが

判明しましたので、是非レジデントに

なってからも当院で活躍してほしいな

と思いながら本日もアナフィラキシー

の話をしたいと思います。

 

 

アナフィラキシーの対応しているとき、

患者さんにアドレナリンを打ちつつ、

自分自身の体内でもアドレナリンが

大量分泌されています。

 

内視鏡治療中に後輩によく「夢中に

なるな、夢中になると周りが見えなく

なって偶発症をおこしやすくなる」と

指導するのですが、自分自身も周りが

見えなくなってしまうことがあります。

 

以前、アナフィラキシーショックの対応

していた時、もう収縮期血圧が50-60

前後を推移し、患者さんは嘔吐を繰り

返し、アドレナリンを2回打っても効果が

なくどうしようと思っていたら、そばで

見ていた別の先生が

 

「グルカゴン!」

 

と叫んで、グルカゴンを静注したら

速やかに改善した、という体験があり

ます。

 

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皆様お久しぶりです。

猛暑で生気を失ってしまったものの

空への想いは捨てていない消化器

内科医naoです。

 

僕はヘリポートまでのブルードラゴン

(救急車)に氷をたくさん入れた水筒

を入れて何とか生き延びつつ頑張っ

ておりますが、皆様はいかがお過ごし

でしょうか。

 

本日はアナフィラキシーの対応です。

さて、アナフィラキシーの対応をする

には、まずアナフィラキシーをアナフィ

ラキシーと診断しなければなりません

が、皆様ちゃんと診断基準覚えていま

すか?

 

診断基準1

皮膚や粘膜に全身性の蕁麻疹、掻痒、

紅潮、口唇・舌・口蓋垂の腫脹などを

きたしている。

 

診断基準2

典型的な皮膚症状を伴わなくとも、

アレルゲン(と考えられるもの)に獏ら

した後急速に下記の症状をきたす場合

 

1. 高度の呼吸器症状(呼吸困難、喘鳴、

 気管支攣縮、低酸素血症など)をきたし

 ている。

 

2. 血圧低下、湿疹、失禁、筋緊張低下など

 

3. 重度のけいれん性腹痛、反復性の嘔吐

 など

 

上記のいずれかに該当する場合アナフィ

ラキシーが強く疑われます。

 

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早いもので9月になりました。

人によってはローテーションが

変わって、新しい診療科のことを

覚えるのに精いっぱいだと思います。

 

編集長自身の経験でも、研修医

たちを観察していても、ローテー

ションが変わると、慣れるまでには

2週間ほどかかります。

 

最初の週は何が何だか分かりま

せんが、2週目にはすこし動きも

わかってきて、3週目には自分で

先を読んで行動できるようになる

はずです。焦らずに頑張ってください。

 

さて・・・・、

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こんにちは、どんぐり坊やです。

今回は経験した症例を1つ紹介

します。

 

入院中の患者さんに突然39度の

発熱がありました。みなさんは

まず何を考えますか?

 

天下の「内科レジデントの鉄則」には

入院患者の発熱原因7Dなんてものも

ありますね。

 

Drug     薬剤熱

Device        デバイス

DVT            深部静脈血栓症

CDI       CD腸炎

Decubitus    褥瘡

CPPD        偽痛風

Debris         胆泥:胆嚢炎/胆管炎

 

恥ずかしながら「やばいやばい、

採血・血培・尿倍!抗生剤どうしよう⁉

入院中だしタゾピペかな?」とか考えて

いたのですが、、、

 

よくよく診察してみると膝を痛がる様子。

触ってみると熱感と腫脹が!

 

よしよし、7Dにも入っているし、偽痛風

だ!と決めつけてはいけません。

 

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