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水戸済生会総合病院 臨床研修ブログ

水戸済生会総合病院は、救急医療から緩和医療まで多彩な症例が経験できる総合力の高い地域の基幹病院です。
医師の生涯のうち最も実りある初期臨床研修期間を私たちは強力にサポートします。

夏休みは病院でもいろいろな

イベントがありますが、中学生

の職場体験もその一つです。

 

主に水戸市内の中学生が、看護

部やリハビリ、薬剤部などに分か

れて病院でどんな仕事をしている

のか体験します。そんな中学生の

中にドクターの仕事を体験したい

と希望してくれる人もいて、研修

医たちにエスコートしてもらいました。

 

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腹腔鏡のシュミレーターを体験♪

今回はアトピー咳嗽に似た

疾患として喉頭アレルギーを

紹介します。

 

喉頭アレルギーとは、鼻や

口腔より吸入された抗原に

より喉頭粘膜に引き起こされ

る慢性的ないし断続的な抗原

暴露によるⅠ型アレルギー

疾患で、季節性と通年性とに

分類されます。

 

アトピー咳嗽とは非常に似て

いますが、アトピー咳嗽では

中枢気道に限局した好酸球性

炎症ですが、喉頭アレルギー

は喉頭を中心に病変を認める

点が異なっています。

 

症状としては、慢性咳嗽と

咽喉頭違和感で、ヒスタミン

H1受容体拮抗薬が著効する

ことが特徴です。

 

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今回もアトピー咳嗽の続きです。

 

アトピー咳嗽の診断基準は以下

のようになっています。

 

 

アトピー咳嗽は、特にCVAとの

鑑別が重要になります。

 

その理由としてCVAではICSの

維持療法が重要になりますが、

アトピー咳嗽は咳症状が軽快

すれば治療は中止可能で、ICS

の維持療法が必要ありません。

 

つまりしっかり鑑別しておかな

いと、不要な治療を長期に継続

させてしまうことになるのです。

 

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今回はアトピー咳嗽についてです。

アトピー咳嗽は遷延性・慢性咳嗽

の原因として咳喘息に続いて比較

的多い疾患とされています。

 

病態としては、中枢気道を炎症の

主座とする非喘息性好酸球性

気道炎症です。好酸球性気道炎症

が中枢気道に限局しているため、

FeNO濃度は正常範囲内となります。

 

臨床像としては、アトピー素因を

有する中年の女性に多く、咽喉頭の

イガイガ感を伴い、気管支拡張薬が

無効な遷延性・慢性咳嗽です。

 

ガイドラインにはアトピー咳嗽の臨床

像として以下の13個が記載されて

います。これを記憶しておくだけでも、

咳嗽患者さん対応のストレスが減り

ます。

 

・8週以上の喉のイガイガ感をとも

 なう持続性乾性咳嗽(喀痰はあった

 としても少量)

・喘鳴、呼吸困難発作を認めたこと

 がない

 

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今回は咳喘息(CVA)の治療

についてです。

 

CVAの診断がついたら、治療

は基本的に通常の気管支喘息

と同じで吸入ステロイド(ICS)が

中心になります。

 

下記のように重症度を判断して、

治療を開始します。

 

この表からは、病院を受診する

患者さんはほとんど中等症以上

に該当すると思いますので、

吸入ステロイド+長時間作用型

β刺激薬の合剤(ICS+LABA)で

開始し、症状が落ち着いてきたら

ICS単独に変更していきます。

 

その他に長時間作用型抗コリン

薬(LAMA)やロイコトリエン受容

体拮抗薬(LTRA)を使用する場合

があります。

 

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外来研修をやっていると、咳嗽を

主訴に受診する患者さんに多く

遭遇します。

 

鎮咳剤を処方して経過を見て

もらいますが、翌週の外来に

「まだ良くなりません」と言って

再び受診してきます。

 

別の鎮咳薬を試してみるけど、

次の週も「まだ良くならない」と

言って受診されると、次の手を

どうしたらよいか困ってしまいます。

そんな時の対処法を今回から

紹介していきます。

 

咳嗽については、3週間までの

咳嗽を急性咳嗽、3週間以上

8週間未満のものを遷延性咳嗽、

8週間以上持続するものを慢性

咳嗽と区別しますが、遷延性・

慢性咳嗽の原因疾患の鑑別の

なかに咳喘息があります。

 

今回はこの咳喘息(CVA)に

ついて確認してみます。

 

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水戸済生会の消化器外科では

6月に腹腔鏡のシュミレーターを

用いたセミナーや、ウエットラボ

での縫合結紮セミナーを開催しま

したが、それに続いて7月の末に

ダヴィンチのシュミレーターを用い

たセミナーを初めて開催しました。

 

ご存じの方もいると思いますが、

水戸済生会では今年初めに

手術支援ロボット「ダヴィンチ」を

導入し、消化器外科で症例を重ね

ています。

 

普段は手術室で脇から見ている

だけですが、今回のセミナーでは、

2回に分けて計6名のJ1が参加し、

それぞれがシュミレーターを実際に

操作してみました。

 

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全集中!

 

茨城県では、修学生や地域枠の

医学生を対象に各種のイベントが

企画されていますが、夏休みに

入ったこの時期はサマーセミナー

を開催しています。

 

このサマーセミナーは県内各地の

医療機関の見学などが主な内容で、

今年も先週に開催されて、当院に

15名が来てくれました。

 

参加者は1年~3年生でしたので、

すぐに初期研修とか、診療科のこと

はイメージしにくかったかもしれま

せん。しかも午前中だけの慌ただ

しいスケジュールでしたが、当院の

J1とJ2から、直接に話を聞けて、

大いに刺激になったようです。

 

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ドクヘリを背に記念撮影

この記事は2年前のものなの

ですが、「γ計算」とグーグルで

検索すると3番目に登場するほど

検索された記事です(一時は

検索順位が1位になっていました)。

 

J1のあなたも重症患者さんを

担当することが出てきますし、

J2のあなたにとっては再確認の

意味で再度掲載します。

 

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先日のことですが、糖尿病性

腎症で維持透析中の方の

敗血症性ショックの症例を

担当しました。

 

その時にノルアドレナリンの

持続点滴をしたのですが、

指導医から「ノルアドレナリンは

何γ(ガンマ)で開始する?」と

質問されて、固まってしまい

ました(笑)。

 

なので、今回はγ計算について

勉強したことをシェアします。

 

ノルアドレナリンを投与する際、

投与量は非常に大切です。

例えば5ml/hrのノルアドレナリン

をお相撲さんと赤ちゃんに投与

したとします。同じ5ml/hrでも

体重が違えば、必要な量は

変わってきます。そこで体重1kg

あたり、1分間でどのくらいの量を

投与すればいいのかを表す

γ(ガンマ)を用います。

 

まず、1γ=1μg/kg/min

表されます。
 

→ minをhrに変換すると、

 1γ=60μg/kg/hr
 

→μgをmgに変換(1mg=1000μg)

 すると、1γ=0.06mg/kg/hr
 

→単位を並び替えると、

 1γ=体重(㎏)×0.06㎎/hr 

 ということになります。

 

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手際よくPICC挿入

医学生のしかまる先生が書いて

くれたレポートの最終回です。

今回は治療に関してです。

 

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MDSの根治が期待できる治療

法は造血幹細胞移植のみである。

全てのリスクのMDSが対象となるが、

年齢、心臓や肝臓などの臓器機能、

ドナーとのHLA適合性という基本

条件を基に検討される。

 

低リスク群では急性白血病への

移行リスクは低い。したがって、

血球減少に対する保存的治療が

中心となり、必要に応じた輸血や、

細胞産生を促進するサイトカイン

療法が選択される。

 

鉄キレート療法は、頻回の赤血球

輸血による鉄過剰症に対して行わ

れる。5q−がある低リスクMDSには

免疫調整薬レナリドミドが使用される。

 

高リスク群は保存的治療のみでは

予後不良であり、造血幹細胞移植

が施行可能であれば速やかな実施

が求められる。

 

予後を改善することが示されている

薬物治療としては現在DNAメチル化

阻害薬のアザシチジンのみが保険

適応であり、移植の適応とならない

症例や移植までのつなぎとして選択

される。アザシチジンに不応・不耐用

の場合は化学療法が検討される。

 

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