前回は循環血液減少性ショックについて
紹介しました。今回は分布性ショックです。
分布性ショック(Distributive shock)の
代表格は敗血症性ショックです。
体液量は減っていないのですが、
末梢血管が思い切り拡張してしまい、
心臓まで静脈還流できなくなってしまった
状態です。末梢が温かいのでWarm shock
ともいいますね。
循環動態のパラメーターは、収縮能は
よいので心拍出量(CO)は変わらないか
上昇します。でも、静脈還流が減っている
ので、肺動脈楔入圧(PCWP)、肺動脈圧
(PA)、右室圧(RVP)、右房圧(RAP)は
正常から低下します。そして末梢血管が拡張
しているため末梢血管抵抗(SVR)の低下
が特徴です。末梢への酸素供給は
悪くないので混合静脈血酸素飽和度(SvO2)
は変わらないか上昇します。
表にすると下のようになります。