医学生のしかまる先生が書いて
くれたレポートの最終回です。
今回は治療に関してです。
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MDSの根治が期待できる治療
法は造血幹細胞移植のみである。
全てのリスクのMDSが対象となるが、
年齢、心臓や肝臓などの臓器機能、
ドナーとのHLA適合性という基本
条件を基に検討される。
低リスク群では急性白血病への
移行リスクは低い。したがって、
血球減少に対する保存的治療が
中心となり、必要に応じた輸血や、
細胞産生を促進するサイトカイン
療法が選択される。
鉄キレート療法は、頻回の赤血球
輸血による鉄過剰症に対して行わ
れる。5q−がある低リスクMDSには
免疫調整薬レナリドミドが使用される。
高リスク群は保存的治療のみでは
予後不良であり、造血幹細胞移植
が施行可能であれば速やかな実施
が求められる。
予後を改善することが示されている
薬物治療としては現在DNAメチル化
阻害薬のアザシチジンのみが保険
適応であり、移植の適応とならない
症例や移植までのつなぎとして選択
される。アザシチジンに不応・不耐用
の場合は化学療法が検討される。