今回は医学生のしかまる先生が
書いてくれたレポートからのシェア
です。
しかまる先生は総合内科で実習
してくれましたが、実習期間中に
骨髄異形成症候群(MDS)の患者
さんを担当してくれたので、まとめを
作ってもらいました。
MDSはまとめを作りにくい領域です
が、とても良い出来だと思います。
ぜひ、ご覧ください。
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症例は60歳台の男性。
主訴はなかったが、前医の血液
検査でHb 10.9 g/dl、血小板5.6万
/μl、好中球数1046/μlと汎血球
減少が認められ、当院受診した。
そこで再度行われた血液検査で
末梢血中に芽球を18.5%認め、
その後施行された骨髄検査で芽球
を17%認めたため、加療目的に
入院した。
さらに、骨髄塗抹標本で芽球割合
の増加に加え、微小巨核球や
赤芽球の核辺縁不整といった
異形成を認めたことから、骨髄
異形成症候群(myelodysplastic
syndrome: MDS)の診断となった。
MDSは造血幹細胞の腫瘍であり、
未熟な造血細胞に生じた異常に
よって造血細胞の異常な増殖と
アポトーシスが誘導され、その
結果以下のような特徴を持つ。
1)無効造血(造血細胞が成熟
途中で壊れてしまう)
2)造血細胞の形態学的な異形成
3)末梢における血球減少
しばしば急性骨髄性白血病(acute
myeloid leukemia: AML)へ移行
する点も重要である。
症状は血球減少に伴う慢性貧血、
出血傾向、易感染性があるが、
慢性の経過をたどるため本例の
ように血液検査で偶然発見される
ことも多い。
総合内科の朝カンファ