第6章 街の秘密
真二のなかの「オレ様」は、今は静かになった。
だから真二はまたしばらくの間、施設からでることが許された。
ただ、真二は思う。オレ様は今は静かにしているだけだ。またいつか必ず現れて真二のこころに侵入してくるだろう。
真二は自分の中に何か自分と違うものがいる、あるいは在る――ということは普通のこと、人間だれもがその何か――オレ様――を持て余しているのだと、ずっと思っていた。
真二は決断する時に、必ずオレ様に許可をもらっていた。だから何をするのにも、他人の数倍の時間がかかった。オレ様を説得するのは大変なことだった。いったんヘソを曲げられると、オレ様はなかなか意見を変えなかった。
「お母さん、あいつにどうやって許してもらっているの?」
まだ小学校に入るずっと前、母親に聞いてみた。あまりにも母親の行動がはやく、真二はまったくついていけなくなったからだった。
母親は怪訝な顔になった。
「あいつって?」
「ほら、いつもいばてっているあいつ、オレ様だよ」
母親は悲しげな顔になって、もう一度真に言った。
「オレ様って、誰?どこにいるの?」
あれ――?
お母さんのなかにはあいつはいないのかな?
その時、真二は初めて、自分は普通の人と違うのではないかと思った。
考えてみると、オレ様はどこにいるのか、本当のところ、真二にもよく解らなかった。
自分の頭の中にいると思うこともあれば、心臓のあたりからオレ様の声が真二のなかに届くように感じることもあった。右手が変に痙攣した時は、そこにオレ様がいるように思えることもあった。
要するに真二のなかのどこかに、いつも、オレ様はいるのだった。
真二はこのことはずっと秘密にしていた。誰にも話さなかった。
それは、真二のなかのオレ様がそう命じたからだった。真二はオレ様にまったく逆らえなかった。
真二のなかでオレ様はどんどんと大きくなっていくように感じた。
それは真二自身の意識がどこか遠くへいってしまい、オレ様が真二の身体を支配してしまうようで怖かった。
しかし、オレ様はそれ以上に怖かった。それで、今、真二の記憶は途切れ途切れだった。自分がこの世にあると感じたのは、オレ様が今のように静かにしている時だけのように感じた。
そんな幼少時代をおくった真二だったが、小学校の高学年、5年生のころ知り合った新城さんは「オレ様」のことが解ってくれるような気がした。なぜかそう感じた。
新城さんは真二に優しかった。父親や母親、お祖父さんより優しかった。
新城さんは真二の父親が経営する会社の弁護士で、役員で、真二の家によく来ていた。
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校正してません。
構想2週間。新しい小説のプロットができた。7、800枚にはなりそう。
ほとんど寝ながら(眠りながら)ストーリィができた。
最近書いていないので、練習。
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第5章 グリーンパーク
わたしがその少年を初めてみたのは、まだ肌寒い3月の終わりのころだった。
その少年はとても痩せていて、見るからに病的な感じがした。
もっとも、この施設に入ってくるのは、身体的に、精神的に通常の生活ができない人――体や精神の障害をもつ人ばかりなのだ。
わたしがその少年に興味をもったのは、この施設――グリーンパークに入ってきて、わたしのグループに配属され、自己紹介をしたときの言葉だった。
ここは――ここには人はいない。
人間はいない。
ぼくは解っている。
悪魔だ。ここには悪魔に魅入られた抜け殻、人間のようなものがうじゃうじゃしているだけだ!
おまえ――人間じゃない。
異質――この世に存在すべきではない。
少年はそう言って、わたしのほうを指さし、いきなり突き飛ばし、どこからか取り出したカッターナイフでわたしの首に突きつけた
瞬間、わたしのとなりにいた弟の武はすぐにその少年の動きに反応し、右手をすばやく、ボクシングのジャブのように繰り出し、少年のカッターナイフを弾き飛ばした。
わたしの姿形は常人とはかなりかけ離れている――がこうもあからさまに攻撃をされるのは初めてのことだった。
だから私は少年に興味を持った。
少年の名は青木真二といった。
年齢は15歳。このグリーンパークに入ったのは、ひどい統合失調症のためで社会生活ができないというこことだった。
その日からグリーンパークで少年、青木真二の生活が始まった。
わたしとわたしの弟の武は、少年とおなじワーキンググループとなり、生活の大部分を共にすることになった。
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おっ!いけるかな?
ちなみにタイトルは…うーん秘密!
ほとんど寝ながら(眠りながら)ストーリィができた。
最近書いていないので、練習。
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第5章 グリーンパーク
わたしがその少年を初めてみたのは、まだ肌寒い3月の終わりのころだった。
その少年はとても痩せていて、見るからに病的な感じがした。
もっとも、この施設に入ってくるのは、身体的に、精神的に通常の生活ができない人――体や精神の障害をもつ人ばかりなのだ。
わたしがその少年に興味をもったのは、この施設――グリーンパークに入ってきて、わたしのグループに配属され、自己紹介をしたときの言葉だった。
ここは――ここには人はいない。
人間はいない。
ぼくは解っている。
悪魔だ。ここには悪魔に魅入られた抜け殻、人間のようなものがうじゃうじゃしているだけだ!
おまえ――人間じゃない。
異質――この世に存在すべきではない。
少年はそう言って、わたしのほうを指さし、いきなり突き飛ばし、どこからか取り出したカッターナイフでわたしの首に突きつけた
瞬間、わたしのとなりにいた弟の武はすぐにその少年の動きに反応し、右手をすばやく、ボクシングのジャブのように繰り出し、少年のカッターナイフを弾き飛ばした。
わたしの姿形は常人とはかなりかけ離れている――がこうもあからさまに攻撃をされるのは初めてのことだった。
だから私は少年に興味を持った。
少年の名は青木真二といった。
年齢は15歳。このグリーンパークに入ったのは、ひどい統合失調症のためで社会生活ができないというこことだった。
その日からグリーンパークで少年、青木真二の生活が始まった。
わたしとわたしの弟の武は、少年とおなじワーキンググループとなり、生活の大部分を共にすることになった。
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おっ!いけるかな?
ちなみにタイトルは…うーん秘密!
「施設のケンカ」でググると、最初に出てきます。
施設のケンカ
これ、リアルタイムで見てました。大学生のころかな?
尊敬するビートたけしさんの「北野ファンクラブ」という番組です。
かなりブラック。
今は放送できないんじゃないかなあ。
でも大爆笑してしまいます。
北海ジャンジャン、なべやかんの漫才。
下手くそ以下だけど笑える。
施設のケンカ
これ、リアルタイムで見てました。大学生のころかな?
尊敬するビートたけしさんの「北野ファンクラブ」という番組です。
かなりブラック。
今は放送できないんじゃないかなあ。
でも大爆笑してしまいます。
北海ジャンジャン、なべやかんの漫才。
下手くそ以下だけど笑える。
人形屋の前を左に曲がって、坂をおり、東海道線の鉄橋をくぐる。
その先を右に曲がるまでは、よく見た故郷の田舎道だった。
しかしその後の道は広く、整備されていて、まるで別世界だった。
ぼくは思わずブレーキを踏んでBMWを停車した。
ぼくの実家があった場所には白くて新しい三階建てか四階建てのビルが建っていた。
そしてビルの前にはコンビニがあった。
ビルの窓に夕日が映り込み、きらきらと眩しかった。
ぼくは軽い目眩を感じて、しばらくそのビルを見ていた。
よく見るとビルの前に、駐車場を示す『P』という青い標識があり、その下に中年の男が立っていた。
ぼくが見ていると、「おいで、おいで」をするように右手をひらひらさせた。
ぼくは何かに取り付かれたように、BMWを静かに発車させて、その男の前に行った。
その男はぼくの父親だった。
「地下が駐車場だ」
父親は懐かしい笑顔でそう言った。
ぼくは言われたとおり、地下にBMWを停めた。駐車場は二十台くらい停められそうな広さがあった。
「三階がうちだから」
そう言って、父はエレヴェータのある方向を指差していた。
父とエレヴェータにのった。父は何も言わず三階のボタンを押した。
エレヴェータは音もなく動き、やがて三階に止まり、ドアがあいた。
出ると左右に廊下がのびていた。正面に何か奇妙な置物があった。廊下も壁も白い。
父はその白い廊下を右の方に歩いていった。
左側にいくつかドアがあった。
「ここが事務所。こっちが応接間。その向こうがお前の部屋だ」
ぼくはまったくわけがわからなくなった。
いったい親父は何をやったんだ。
三階の廊下の窓から外を見てみると、見渡す限り建物が埋め尽くしていた。ぼくが小さい頃見た、あのみかん畑や竹林、雑木林は消えていた。そのかわりビルやコンビニや商店がひしめいていた。
ぼくはまた目眩を感じて、しばらくその奇妙な風景を見ていた。
しばらくそうしていたら、父がいないことに気づいた。
ぼくは父が応接間だと言った部屋のドアをあけて、部屋の中に入った。
部屋は白い。壁も床も天井もすべて白く塗られていた。
白い壁があるだけで、ソファもテーブルもない。そしてなんと窓もない。
四角形の部屋のそれぞれの辺にドアがあった。ドアも白かった。
ぼくは右側のドアをあけた。見ると、同じだった。ドアの向こう側も白い部屋だった。
ぼくはその部屋に入って正面の白いドアをあけた。
いやな予感がした。見ると思ったとおり、そのドアの向こうの部屋も真っ白だった。
「おーい!」
ぼくは思わず声をだした。しかしその声は白い部屋の中に小さく響くだけで、誰からの応答もなかった。
ぼくはその部屋を突っ切り、また白いドアをあけた。予想通り、その部屋も真っ白だった。
どうなってるんだ、これは!
ぼくはもう一度「おーい!」などと声を発したが、やはり無反応だった。
ぼくは何度も何度もドアをあけて、白い部屋を走り、最後には狂ったように叫び続けていた。
いくつ白い部屋を通っただろう。ぼくは白い床に倒れ込んで、仰向けになり、ぜいぜいと息を荒くしていた。白い天井が見える。あれ?おかしい。部屋には照明もない。蛍光灯もLEDのライトも何もないんだ。
そう思った瞬間、いきなりすべてが消えてしまった。
真っ暗。漆黒の闇。無。何もなくなった。空間も時間もどこかへ飛んでいってしまった。
ただぼくの意識があるのはわかった。でもただそれだけだった。他には何もない。
何もなくなった。
いや、元からなかったのかもしれない。
しかし、1月2日の朝、目覚めると、ぼくの周りにいつも見ていた景色が戻ってきた。
これが2014年の初夢だった。
その先を右に曲がるまでは、よく見た故郷の田舎道だった。
しかしその後の道は広く、整備されていて、まるで別世界だった。
ぼくは思わずブレーキを踏んでBMWを停車した。
ぼくの実家があった場所には白くて新しい三階建てか四階建てのビルが建っていた。
そしてビルの前にはコンビニがあった。
ビルの窓に夕日が映り込み、きらきらと眩しかった。
ぼくは軽い目眩を感じて、しばらくそのビルを見ていた。
よく見るとビルの前に、駐車場を示す『P』という青い標識があり、その下に中年の男が立っていた。
ぼくが見ていると、「おいで、おいで」をするように右手をひらひらさせた。
ぼくは何かに取り付かれたように、BMWを静かに発車させて、その男の前に行った。
その男はぼくの父親だった。
「地下が駐車場だ」
父親は懐かしい笑顔でそう言った。
ぼくは言われたとおり、地下にBMWを停めた。駐車場は二十台くらい停められそうな広さがあった。
「三階がうちだから」
そう言って、父はエレヴェータのある方向を指差していた。
父とエレヴェータにのった。父は何も言わず三階のボタンを押した。
エレヴェータは音もなく動き、やがて三階に止まり、ドアがあいた。
出ると左右に廊下がのびていた。正面に何か奇妙な置物があった。廊下も壁も白い。
父はその白い廊下を右の方に歩いていった。
左側にいくつかドアがあった。
「ここが事務所。こっちが応接間。その向こうがお前の部屋だ」
ぼくはまったくわけがわからなくなった。
いったい親父は何をやったんだ。
三階の廊下の窓から外を見てみると、見渡す限り建物が埋め尽くしていた。ぼくが小さい頃見た、あのみかん畑や竹林、雑木林は消えていた。そのかわりビルやコンビニや商店がひしめいていた。
ぼくはまた目眩を感じて、しばらくその奇妙な風景を見ていた。
しばらくそうしていたら、父がいないことに気づいた。
ぼくは父が応接間だと言った部屋のドアをあけて、部屋の中に入った。
部屋は白い。壁も床も天井もすべて白く塗られていた。
白い壁があるだけで、ソファもテーブルもない。そしてなんと窓もない。
四角形の部屋のそれぞれの辺にドアがあった。ドアも白かった。
ぼくは右側のドアをあけた。見ると、同じだった。ドアの向こう側も白い部屋だった。
ぼくはその部屋に入って正面の白いドアをあけた。
いやな予感がした。見ると思ったとおり、そのドアの向こうの部屋も真っ白だった。
「おーい!」
ぼくは思わず声をだした。しかしその声は白い部屋の中に小さく響くだけで、誰からの応答もなかった。
ぼくはその部屋を突っ切り、また白いドアをあけた。予想通り、その部屋も真っ白だった。
どうなってるんだ、これは!
ぼくはもう一度「おーい!」などと声を発したが、やはり無反応だった。
ぼくは何度も何度もドアをあけて、白い部屋を走り、最後には狂ったように叫び続けていた。
いくつ白い部屋を通っただろう。ぼくは白い床に倒れ込んで、仰向けになり、ぜいぜいと息を荒くしていた。白い天井が見える。あれ?おかしい。部屋には照明もない。蛍光灯もLEDのライトも何もないんだ。
そう思った瞬間、いきなりすべてが消えてしまった。
真っ暗。漆黒の闇。無。何もなくなった。空間も時間もどこかへ飛んでいってしまった。
ただぼくの意識があるのはわかった。でもただそれだけだった。他には何もない。
何もなくなった。
いや、元からなかったのかもしれない。
しかし、1月2日の朝、目覚めると、ぼくの周りにいつも見ていた景色が戻ってきた。
これが2014年の初夢だった。
